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地域防災計画の見直しと、日雇い労働者のこと
12月7日の災害対策等特別委員会に、地域防災計画の見直しの素案が出ました。
12月11日~1月10日まで、区のHPで内容を見ることができます。ご覧いただき、皆さんが地震のときにお感じになったご不安や課題が解決できるような計画になっているか、また具体化はまだこれからの部分も多いですから、「こういうふうに具体化すべきだ」など、ご意見があれば、区の担当に意見を出していただけたらと思います。(こちら)
上記のリンクからPDF版で素案とその概要が見られますが、ただ、非常に大部の資料なので、私なりにまとめた変更点を以下にご紹介します。
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[練馬区地域防災計画の主な変更点(かとうぎ桜子によるまとめ)]
○備蓄の充実
・従来、1つの避難拠点で1日3食分・600人分の備蓄をしていたが、700人分に変更。また、ペットボトルの水も用意。(区内99か所の避難拠点)
・そのほかに、区内に分散して倉庫に備蓄し、避難拠点分と合計で約10万人分を備蓄。
○情報の充実
・無線放送塔の増設。アナログからデジタル化へ。
・放送が聞き取れない場合の電話の自動応答装置の設置。
・防災気象情報メール、ホームページ、ツイッターによる情報発信。
・地域の区立施設への情報体制の整備。(庁内LAN,防災無線FAX)
○区の業務継続計画の策定
災害時に提供すべき行政サービスの整理。
○区の情報分析班の設置
災害時に全体を俯瞰した対応をするため、情報収集と分析を行う。
○避難拠点での対応の充実
・避難者の有無にかかわらず、震度5弱以上の地震でいったんすべての避難拠点(99小中学校)を開設。
・中学校は比較的短期間の避難用、小学校は長期避難者への対応という役割分担の整理。
・避難拠点のトイレは学校内の既存の水洗トイレの使用を第一とし、女性・高齢者・障害者に配慮。
○医療救護体制の整理
・震度6弱以上:医師会・歯科医師会・薬剤師会・柔道接骨師会が医療救護所(区内10か所の中学校)に自動参集。
・震度5強以下:区の要請を受けて参集。
・透析患者への情報提供や、医療機器使用者・災害時の自助が困難な精神疾患の患者などを平時から把握、救護の体制整備。
○災害時要援護者の安否確認体制の充実
・避難拠点を中心に、民生委員など支援の担い手が要援護者を訪問して安否確認、その情報を集約。
・福祉避難所の体制の充実。(詳細は検討中)
○帰宅困難者対策
・緊急時に慌てて帰ることによって、かえって危険が及ばないように「行動ルール」の啓発
・区立施設を指定して「帰宅支援ステーション」を作る。
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ところで、今回の見直しには直接関係なく、もともとの地域防災計画にもあるものなのですが、改めて見ていて、気になった部分がありました。
大きな災害が起きた時の労働力の確保、という部分です。
計画には、「労働者の雇上は、公共職業安定所および財団法人城北労働・福祉センターに協力を求め、雑役等の労働に耐えうる者を雇い上げます。」と書かれています。
公共職業安定所は、皆さんご存知ハローワークですが、城北労働・福祉センターのことはご存知でしょうか。
これは、東京のドヤ街・山谷地区にあって、日雇い労働者の労働と福祉を守るための団体です。
なぜ、練馬区の防災計画の中に、突然、台東区のほうにある山谷の労働・福祉センターのことが出てくるのかというと、おそらくは東京都の防災関連の計画との関連なのでしょう。
災害時であっても、その片付けを担う人は当然必要になるわけだし、しっかりお給料を払って、働ける状態にある人にお願いするのならば問題はないけれど、でも特段の議論なしに日雇いの立場にある人たち(当然その人たちだって被災している)に災害の後片付けをしてもらうということは、なんだか違和感があります。
どういう経過でこういう記述が入っているのか。そもそも日雇いで働いている人たちが災害にあったときの安全は誰がどう保障するのか。
少なくとも私たちは、これを知っておかなければならないと思っています。
今、調べてみていますので、また近いうちにご紹介します。
12月11日~1月10日まで、区のHPで内容を見ることができます。ご覧いただき、皆さんが地震のときにお感じになったご不安や課題が解決できるような計画になっているか、また具体化はまだこれからの部分も多いですから、「こういうふうに具体化すべきだ」など、ご意見があれば、区の担当に意見を出していただけたらと思います。(こちら)
上記のリンクからPDF版で素案とその概要が見られますが、ただ、非常に大部の資料なので、私なりにまとめた変更点を以下にご紹介します。
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[練馬区地域防災計画の主な変更点(かとうぎ桜子によるまとめ)]
○備蓄の充実
・従来、1つの避難拠点で1日3食分・600人分の備蓄をしていたが、700人分に変更。また、ペットボトルの水も用意。(区内99か所の避難拠点)
・そのほかに、区内に分散して倉庫に備蓄し、避難拠点分と合計で約10万人分を備蓄。
○情報の充実
・無線放送塔の増設。アナログからデジタル化へ。
・放送が聞き取れない場合の電話の自動応答装置の設置。
・防災気象情報メール、ホームページ、ツイッターによる情報発信。
・地域の区立施設への情報体制の整備。(庁内LAN,防災無線FAX)
○区の業務継続計画の策定
災害時に提供すべき行政サービスの整理。
○区の情報分析班の設置
災害時に全体を俯瞰した対応をするため、情報収集と分析を行う。
○避難拠点での対応の充実
・避難者の有無にかかわらず、震度5弱以上の地震でいったんすべての避難拠点(99小中学校)を開設。
・中学校は比較的短期間の避難用、小学校は長期避難者への対応という役割分担の整理。
・避難拠点のトイレは学校内の既存の水洗トイレの使用を第一とし、女性・高齢者・障害者に配慮。
○医療救護体制の整理
・震度6弱以上:医師会・歯科医師会・薬剤師会・柔道接骨師会が医療救護所(区内10か所の中学校)に自動参集。
・震度5強以下:区の要請を受けて参集。
・透析患者への情報提供や、医療機器使用者・災害時の自助が困難な精神疾患の患者などを平時から把握、救護の体制整備。
○災害時要援護者の安否確認体制の充実
・避難拠点を中心に、民生委員など支援の担い手が要援護者を訪問して安否確認、その情報を集約。
・福祉避難所の体制の充実。(詳細は検討中)
○帰宅困難者対策
・緊急時に慌てて帰ることによって、かえって危険が及ばないように「行動ルール」の啓発
・区立施設を指定して「帰宅支援ステーション」を作る。
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ところで、今回の見直しには直接関係なく、もともとの地域防災計画にもあるものなのですが、改めて見ていて、気になった部分がありました。
大きな災害が起きた時の労働力の確保、という部分です。
計画には、「労働者の雇上は、公共職業安定所および財団法人城北労働・福祉センターに協力を求め、雑役等の労働に耐えうる者を雇い上げます。」と書かれています。
公共職業安定所は、皆さんご存知ハローワークですが、城北労働・福祉センターのことはご存知でしょうか。
これは、東京のドヤ街・山谷地区にあって、日雇い労働者の労働と福祉を守るための団体です。
なぜ、練馬区の防災計画の中に、突然、台東区のほうにある山谷の労働・福祉センターのことが出てくるのかというと、おそらくは東京都の防災関連の計画との関連なのでしょう。
災害時であっても、その片付けを担う人は当然必要になるわけだし、しっかりお給料を払って、働ける状態にある人にお願いするのならば問題はないけれど、でも特段の議論なしに日雇いの立場にある人たち(当然その人たちだって被災している)に災害の後片付けをしてもらうということは、なんだか違和感があります。
どういう経過でこういう記述が入っているのか。そもそも日雇いで働いている人たちが災害にあったときの安全は誰がどう保障するのか。
少なくとも私たちは、これを知っておかなければならないと思っています。
今、調べてみていますので、また近いうちにご紹介します。
3件のコメント
[C410] Re: 練馬区地域防災計画修正について
さおり様
区は、「今後、防災計画に位置づける必要性があると考えてはいるが、今回の修正はまずは地震編の修正で、放射線対策については今後の課題である」という趣旨の答弁をしています。
さおりさんがおっしゃるとおり、原発の事故はいつどこで起きてもおかしくないということが今回の事故でわかりましたから、福島第一原発への区の対応のみならず、もっと原発に近い地域でどのような対策がとられたかを検証し、早急に今後の備えのためのガイドラインを作成していくべきだと私も考えています。
区も、やるつもりはあるようですが、「今後」ではなくて、もっと早くやるように求めていきたいと思います。
区は、「今後、防災計画に位置づける必要性があると考えてはいるが、今回の修正はまずは地震編の修正で、放射線対策については今後の課題である」という趣旨の答弁をしています。
さおりさんがおっしゃるとおり、原発の事故はいつどこで起きてもおかしくないということが今回の事故でわかりましたから、福島第一原発への区の対応のみならず、もっと原発に近い地域でどのような対策がとられたかを検証し、早急に今後の備えのためのガイドラインを作成していくべきだと私も考えています。
区も、やるつもりはあるようですが、「今後」ではなくて、もっと早くやるように求めていきたいと思います。
- 2012-01-07
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[C409] 練馬区地域防災計画修正について