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予算の質問② 精神障害のある人へのアウトリーチ

2015年度予算、保健福祉費で質問した内容のうち、今回は「精神障害のある人へのアウトリーチ」についてご紹介します。

この課題も議会で質問する機会があるたびに指摘している課題です。以前質問した内容はこちらをご覧ください。

精神的な不調があっても、治療につながらなかったり体調に合わせた福祉的ケアが受けられていない人がいらっしゃいます。ひきこもりがちになるなど、生活が困難になっている方への支援として、医師・保健師・精神保健福祉士といった精神医療・保健福祉の専門家が当事者のもとに出向いて、支援の最初の一歩につなげる「アウトリーチ」を充実させるべきと指摘してきましたが、来年度から新たに非常勤で精神保健福祉士2名を雇用するという予算が示されたため、その詳細、今後の課題について質問しました。

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(かとうぎ桜子)
次に、精神保健対策費の(1)精神保健相談経費について伺います。

精神的な不調が出た初期の段階で、医師、保健師、精神保健福祉士など専門家が当事者のもとに出向いていくアウトリーチが必要だということ、以前から障害者の家族会の方からのご指摘もあり、議会でも改善すべき課題として指摘してきたところですけれども、来年度から精神保健福祉士を非常勤で2名、豊玉と石神井に配置すると伺いました。

アウトリーチの体制が少し改善する部分があると思うのですけれども、精神保健福祉士と保健師の役割分担の仕方、それから、精神保健福祉士が特に果たしていく役割について、まずはお聞かせください。

(関保健相談所長)
まず、精神保健福祉士と保健師の役割分担です。
保健師は、精神保健の部分で保健分野の支援を行っていきますが、精神保健業務だけでなく、母子保健などの幅広い保健事業に従事しております。
このたび配置します地域精神保健相談員は、精神保健福祉士の資格を持ちますので、作業所や入居施設などの見学など、保健師の現在の地区担当地域にかかわらず、集約して効率的に進めるなど、福祉の分野で的確な判断と支援を行うことを考えております。

(かとうぎ桜子)
今まで保健師さんがさまざまな相談を受けていらっしゃって、精神障害のこともそうですけれども、それ以外の対応もたくさん業務があって、かなり過重な状態で、その中で精神障害のある方のそういった地域の施設の付き添いなどもされていたということで、その点、役割分担できることはとても大事な点だと思います。

精神保健福祉士の方が作業所など地域の社会資源と連携する方法として、今ご説明のあったような実際に付き添っていくという以外に、どのような方法を考えられているでしょうか。

また、アウトリーチで当事者のもとに出向くお医者さんの派遣回数が変化する部分があるのか、保健師、精神保健福祉士とお医者さんのかかわりの持ち方で、今までと変化している部分などがあるかどうかという点をお聞かせください。

(関保健相談所長)
まず一つ目の、作業所等に訪問する以外の精神保健福祉士のかかわりですが、精神保健の相談にいらっしゃる方は窓口にもたくさんいらっしゃいますので、そちらの相談に同席していただく、また、家族関係者などの精神保健の連絡会などに参加して、いろいろと地域の情報を得るなどということも考えております。

また、これまで訪問支援事業に関して、医師の謝礼について、今年度は12回実施しておりましたが、医師の訪問回数につきましては、平成27年度も平成26年度と同様に12回を想定しております。

また、訪問支援の中で医師とのかかわりですが、医師の見立てに伴い、支援者のお宅に訪問する際に、医師が同行しないときにも精神保健福祉士が保健師と一緒に頻繁に訪問するなど、臨機応変な活用を考えております。

(かとうぎ桜子)
今回、この精神保健福祉士が新たに入ることについて、当事者やご家族、それから関係する精神障害者支援の関係者の方から意見を聞きながら、よりよい事業にしていく必要があると思いますけれども、今後どのように、そういった関係する方からの意見を取り入れていくかをお聞かせください。

(関保健相談所長)
これまでも保健所では、保健師と相談時に個人的にお話を伺ったり、障害者計画懇談会などの場を通して、ご家族や当事者の方から個別の意見をお聞きしてまいりました。今年度は精神保健医療福祉連絡会に家族会の代表を招き、意見を直接お聞きする機会を設けます。平成26年度は3月に開催を予定しています。

(かとうぎ桜子)
ぜひ一度だけでなく、繰り返しご意見を聞きながら、事業の改善をしていっていただければと思います。

今まで保健師さんがずっと対応されてこられて、必要な時にはお医者さんが行くこともあったけれども、なかなか保健相談所に寄せられている相談への対応だけでも大変だった部分があるのではないかと思います。
まだ相談であるとか、社会資源に繋がっていない人たちへの支援というところまでは、なかなかできる状況ではなかったのではないかと思います。

今回、精神保健福祉士の方が入ることによって、今までより体制の充実が図られていくということなので、少しずつ改善していっていただければと思います。
今後、精神保健福祉士の数が6保健相談所で2人で十分なのかということや、医師の派遣回数は今年度、来年度と変わらないということでしたけれども、それを増やす必要がないのかなどを検証していく必要があると思います。

そのためには、先ほども申しあげましたけれども、関係する当事者、家族、支援者の声を聞きながら、事業の見直しを継続していく必要があると思います。実施、検証、改善をどおように進めていくか、方針をお聞かせください。

(関保健相談所長)
このたび、練馬区が保健相談所に精神保健福祉士を非常勤として配置し、訪問支援事業で活用するのは、23区で初の試みです。
まずこの2名をそれぞれの保健相談所を起点としまして、保健師とともに業務を行いながら今後の活動の経過を検証していくことは、今回のアクションプランの3年間の実績を踏まえて検証に当たっていきたいと考えています。

1件のコメント

[C447]

家族会の松沢です。
お陰様で、3月開催の「練馬区精神保健福祉連絡会」に初参加しました。それにしても、年に1回の会合だとのことで、もっと頻繁に開くようお願いしました。
今後共宜しくお願いします。
  • 2015-03-26
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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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