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研修を受けました。

今回の内容は直接練馬とは関係ありませんが、私が今後やりたいことととても関わることなので書きます。

3月14日、東京都福祉人材センター研修室というところの研修を受けに行きました。タイトルは「地域に生み出す新しいチカラ」。
先駆的な活動をしてきた方々のパネルディスカッションでした。

さなぎ達」は、横浜の寿町を活性化するという試みをしているNPO法人。寿町は「ドヤ街」といわれ、高度経済成長期の労働者が暮らす街です。今は高齢化し、多くの人が生活保護を受けたり、ホームレスになっている。その街が、そのまま消えてしまわないように、再び活気のある街にしたい、ということでいろんなことをしているそうです。(詳しくはさなぎ達のホームページをご覧ください。)

潤生園は昭和50年代にできた、小田原にある社会福祉法人の施設。「措置」の時代には、入所の制度が中心でホームヘルパーの派遣というのはあんまりなかったそうで。でも、施設に入れず家で寝たままになっている高齢者が多いという実態から、独自に在宅サービスを開始したのだそうです。「措置費を勝手に使っちゃダメだ」という行政と闘って、始めは自主事業だったものも次第に認められていくという経過をたどってきた施設。
認知症の高齢者が、普通の民家ではいきいきした顔をして活動をすることに気づき、民家を借りた小規模なデイサービスも展開しているとのこと。

そしてもう一人のパネリストはコミュニティケア活動支援センターの方。
ここは私はもともとちょっとかかわりがある団体なんですが、改めて話を聞いて非常に良かったです。
ホームページに書いてある、理念の一つを引用します。
「社会にあるさまざまな問題を、みんなが自分の問題として共有化し(つまり当事者になって)、みんなが知恵と汗を出しあいながら、みんなにとっての新しい価値(積極的な解決策)を創出していくこと。これが、私たちが考える大きな福祉です。福祉というと、介護や高齢者問題など、特別の問題をイメージしがちですが、私たちの生活や社会はさまざまなものが複雑に絡みあっています。ですから、個々の問題ごとに解決していくと同時に、それらをつなげていくことが必要です。」

非常に、私がこれからやりたいことと重なるなあと。

そして今回のパネルディスカッションでお話されていたことで、私が感銘を受けたことをいくつか紹介しますと、
・最近、「ネットワーク」といわれるけれど、それはいきなり新しい形でぽんとできるものではない。小さい規模でも「つながり」というのはどこの地域にもあるもので、それを見つけ出して発展させていく形で大きなネットワークにしていくべき。
・行政の呼びかけで「住民参加」というのが増えているが、そういう中で本当に住民主体のいきいきした活動に発展するのは難しい。むしろ、行政の人たちが普段の住民の中に入っていって参加させてもらう、「行政参加」が必要。
・地域のことを知っているのは、「専門家」ではなく、地域の住民なのだから、「課題は何ですか?」と聞いて歩き、引き出していくことが必要。

このブログの表題にあるように、私はこれから練馬でコーディネーターになりたいと思っていますが、それは、私がいきなりぽんと何か新しい機関を作るということではなくて、すでにある団体・集団・仲間と知り合い、仲間に入れてもらって、それらをつなぎ合わせる中で新しいものを生み出していくことなんだろうな、と改めて考えました。

…なんだか抽象的になってしまいましたが。

今回のパネリストは、一人はNPO、一人は社会福祉法人、一人は任意団体の所属でした。でも、思いがあれば、所属は関係ないんだなあと。
社会福祉法人であれ、行政であれ、企業であれ、NPOであれ、社会福祉協議会であれ、一番はじめにできたときには、「なんとかしなくちゃ」という思いから始まっているのですね。
その気持ちが制度すらも変えていくことがある、という。
その辺の可能性を引き出していけるようなコーディネーターになれたら良いなと思いました。
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味噌作り

練馬駅の近くにTreesCafeという場所があります。
今日は、そこで「手前味噌仕込み会」がありました。
NPO法人の「トージバ」が行うものです。
TreesCafeは「コラボコミュニティ」なのだそうです。人と人がつながるコミュニティとしての場所。
そして「トージバ」は湯治場から来ています。ホームページの説明によると、「人が出会い、知恵、技術、個性を交換し合い、お互いを高め合っていく。
地域に密着した日常版「湯治場」を目指して、
トージバは生まれました。」なのだそうです。

おやまあ、私がやりたいことをやっている人たちの集まりみたい。

そう思って、喜んで出かけました。

TreesCafeは、とても素敵な空間でした。ほっとできる場所、という感じ。
私は小さい時から「のろま」で「ぼーっとしてる」って言われて、それを直さなくちゃとせかせかしながら仕事してるけど、「良いじゃないの、私は私なんだもの。そのままで良いじゃない」と、なんだか、めずらしくのんびりと考えられるような、そんな空間でした。

そしてはじめての味噌作り。
味噌は、地方によって色々な種類があるそうです。そんな説明を聞きつつ。
愛情込めて手でよく混ぜて、そしてじっくり、1年近く寝かせる。寝かせれば寝かせるほどおいしくなるそうです。

私は、福祉の仕事をしているくせに人見知りをするので初対面の人、初めての場所はかなり緊張します。
ところが、今日は全然緊張しなかった。
上に書いたみたいに、場所のあったかさのせいもあるのかもしれないけど、味噌作りって良い。
「町内会でやることもあるんですよ」とトージバの方。うん、それは良いかも。
初対面同士の人でも、一緒に味噌を作る中で自然と話をするようになって和気あいあいとしてくる。町内会みたいな場所でも、それはいいかもしれない。
そういえば私の友人が、福祉施設の職員研修で豆腐作りをして印象深かったといってたことがあるけど、何かを一緒に作ってこそ生まれてくる連帯感みたいなのってあるんだろうな。

TreesCafeは今はカフェとしては休止中で、主に今日みたいにイベントのために使っているらしい。
トージバの方が「福祉、教育、環境、色々な活動があるけど、全部つながってるはずですよね。一緒に色々やっていきましょうね」と言ってくださった。
ほんとほんと。
福祉というと、世間の人がなかなか理解してくれないと私は感じているけれど、逆に私は環境とか教育に属するといわれる分野にまだまだ疎いんだろうな。でもきっとやりたいことは同じはず。この場でいろんな人に出会えたら良いなと思います。

そしてTreesCafeの居心地の良さ。疲れたときには訪れて、「ふう」と一息つける場所になりそうな気がします。

こうじ
 こうじ

ゆでた大豆
 ゆでた大豆

1年寝かせてできあがった味噌
 1年寝かせてできあがった味噌

はじめまして。

こんにちは。
社会福祉士という資格を持って働いております、桜子と申します。
社会福祉士とはなんじゃ…という感じの方も多いと思いますが(^^;
障害のある方、高齢者、子ども、生活保護を受けている方など、どんな人でも対象になるんですが、生活の中で解決したい課題を持っている方の相談に乗って、一緒に解決方法を考えるのが仕事です。

私としては、それを、障害の有無などに関わらず、すべての人に広げたいと思ってます。

平成17年度は、新宿区内のNPOで働いてきました。
介護保険の事業所をやっているNPOだったのですが、区民の方と話す機会を意識して持つようにしていました。
・団地の自治会の役員をしている方。
団地は高齢化して、一人暮らしの高齢者がたくさんいる。介護保険制度を使っていない人も多い。死んでいても1ヶ月気づかないままのときもある。
なんとかそんな状況をなくしていきたくて、役員さんは団地のいろんなイベントを企画して、高齢者に声をかけて歩いている。
発見まで1ヶ月かかったのが、1週間以内に短縮できるようにはなってきた。
でも、季節の変わり目には、必ず死んでしまう人が出る。
「悲しいのはそれだけじゃなくて、孤独死が出ることがあたりまえに感じてきてしまっている自分達の心なんだ」とおっしゃっていた。

・マンションの理事会をやっている方。
最近、地域の中での関係作りが大事だって言われるけど、マンションって、そんなに簡単にはいかない。会った時には挨拶をしてるけど、それ以上の関係にはならない。マンションと町会の関係も作れていない。地震が起きた時や病気になったとき、孤立してしまうのではないか…

これらは、福祉の「制度」の中ではまだなかなか対応できていない部分かと思います。

私がはじめて福祉の仕事をしたのは介護保険のヘルパーでした。「ヘルパーさんが帰った後が寂しいのよ」と言っていた、団地に住むおばあちゃんの言葉が、私の原点です。

一方、積極的に会合に参加して勉強している民生委員さんもたくさんいます。
正直、この仕事をするまで、民生委員さんの実像は知らなかった。

団地で一人、「誰かと話したい」と思っている高齢者がいる。頑張って活動している民生委員さんや自治会の人がいる。制度の枠内でしか対応できないことに疑問を感じるヘルパーもいる。今までとは違う、新しい地域のあり方を模索したいと考えているNPOもあるし、社会福祉協議会の職員もいる。
いろんな人が、「誰かとつながりたい」と願っている。
だけど、今はつながることができていない。

地域の縁が薄くなった現代ですから、
あんまりしつこく声をかけられると息苦しくなってしまうこともありますから、
ほどよく良い関係、安心しあえる関係を作るために、意識的に「人と人をつなげる人」も必要ではないかと。

それを仕事にしたいと考えています。

縁あって、平成18年度からは練馬で活動をする予定です。

新宿で1年間やってきた試みを、練馬ではさらに充実させられるように…
いろんな人に出会っていきたいと思っています。

このページの更新は、4月から増えると思います。
3月中は、数回のみの更新になると思います。

Appendix

桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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