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アメノウズメノミコト
以前の日記で書いた、埼玉でのイベントが、かなり面白かったので報告をします。
宮城県社会福祉協議会で長年働いていらっしゃった阿部守枝さんのお話を伺いました。
阿部さんの社協時代は地域の衛生問題・貧困問題がまだ多い時代で、それを解決するために実際にその地域に保健師等とともに泊まり込み、解決方法を探るという活動をされてきたそうです。
地元の家に泊めてもらい、その家のご飯を食べさせてもらう。役所の偉い人が、暗闇の中、泊まった家の馬に舐められるというようなハプニングもあったとか…。
昭和4年生まれの阿部さんは、現在は町内会長をしていらっしゃって、実質的には社協時代と同様、地域の課題に関わっていらっしゃるということでした。
講演はもちろん面白かったんですけど、やはり終わった後に飲み食いしながらお話を伺うと、生き生きした話が聞けて楽しいんですよねー。
地域の活動には女性は出てくるけれど、男性は参加しにくいということ。どうしたら地域活動に参加してもらえるか…働いていた現役時に頑張っていたことを、そのまま地域でも活用して活躍してもらうと、本人もやりがいを感じるし、地域にとっても助かるんですよね。
阿部さんがやったことのひとつは「ワンワンパトロール」
。
子どもの登下校の見守りのために、犬の散歩の時間を登下校時間に合わせてもらうボランティア活動です。
面白いのはここから。
★まず、「ワンワンパトロール」を率いる隊長として、元警察署の人を任命。
★隊長は「パトロールする人たちには制服を着て欲しい」と言ったそうです。
★そこで飼い主用の制服と、ワンちゃんのバンダナを準備。
ワンちゃんのバンダナはその子に合わせてサイズも違うし、サイズによって星の数も違う。階級があるんですね(笑)
★さて、制服がそろって、実際の活動を始めるにあたっては、「発犬式」が執り行われたそうです。学校を使って、町内会の人を呼び、隊長によってテープカット。そこを制服を身に付けたボランティアワンコが颯爽と歩いたそうです。
子ども達にとっては、この制服を着ている人&犬は、何かあったら助けてくれる存在。
ボランティアをはじめた飼い主&犬にとっても、町中に知れた存在になり、やりがいの感じられるものになる。
このアイデアに私は大変感動しました。
他にも、避難訓練だけでは人が集まらないので、餅つき大会と避難訓練をセットで実施するなど、「気楽に参加してみようかな」と思える楽しい工夫をたくさんされてきたようです。
ここでいきなり国文学の話になりますが(私は国文学出身なのです…)
阿部さんの話を聞いていて、アメノウズメノミコトという神様のことを思い出しました。
天照大神があるとき、悲しいことがあって、岩戸にこもってしまいました。世の中は真っ暗になって、悪いことがたくさん起きる。皆どうしていいか、おろおろするばかり。
そんな中で、「なんとかせねば」と神様達が話し合い、登場したのがアメノウズメノミコトです。暗く悲しい世の中になっているその場所で、アメノウズメノミコトは歌い踊りました。神様達はそれを見て喜び、笑いました。
笑い声を聞いて天照大神は「世の中は真っ暗なはずなのに、どうして皆笑っているのかしら」と岩戸から顔を出しました。
そうやって天照大神が岩戸から出てきてくれたおかげで、世の中は再び明るさを取り戻しました。
阿部さんは、アメノウズメノミコトのような存在ではないかと。
世の中には悲しいことや困ったことはたくさんある。自分達の力でなんとか解決したいけど、どうして良いか分からない。深刻に考えるほど無力さを感じてしまう。
だけど、ひとつの課題を笑いに変えれば人は寄って来る。人が来れば、どんなに辛い状況さえも変えていけるほどの力が生まれることもあるのですね。
私も練馬でアメノウズメノミコトになれるように…。
宮城県社会福祉協議会で長年働いていらっしゃった阿部守枝さんのお話を伺いました。
阿部さんの社協時代は地域の衛生問題・貧困問題がまだ多い時代で、それを解決するために実際にその地域に保健師等とともに泊まり込み、解決方法を探るという活動をされてきたそうです。
地元の家に泊めてもらい、その家のご飯を食べさせてもらう。役所の偉い人が、暗闇の中、泊まった家の馬に舐められるというようなハプニングもあったとか…。
昭和4年生まれの阿部さんは、現在は町内会長をしていらっしゃって、実質的には社協時代と同様、地域の課題に関わっていらっしゃるということでした。
講演はもちろん面白かったんですけど、やはり終わった後に飲み食いしながらお話を伺うと、生き生きした話が聞けて楽しいんですよねー。
地域の活動には女性は出てくるけれど、男性は参加しにくいということ。どうしたら地域活動に参加してもらえるか…働いていた現役時に頑張っていたことを、そのまま地域でも活用して活躍してもらうと、本人もやりがいを感じるし、地域にとっても助かるんですよね。
阿部さんがやったことのひとつは「ワンワンパトロール」

子どもの登下校の見守りのために、犬の散歩の時間を登下校時間に合わせてもらうボランティア活動です。
面白いのはここから。
★まず、「ワンワンパトロール」を率いる隊長として、元警察署の人を任命。
★隊長は「パトロールする人たちには制服を着て欲しい」と言ったそうです。
★そこで飼い主用の制服と、ワンちゃんのバンダナを準備。
ワンちゃんのバンダナはその子に合わせてサイズも違うし、サイズによって星の数も違う。階級があるんですね(笑)
★さて、制服がそろって、実際の活動を始めるにあたっては、「発犬式」が執り行われたそうです。学校を使って、町内会の人を呼び、隊長によってテープカット。そこを制服を身に付けたボランティアワンコが颯爽と歩いたそうです。
子ども達にとっては、この制服を着ている人&犬は、何かあったら助けてくれる存在。
ボランティアをはじめた飼い主&犬にとっても、町中に知れた存在になり、やりがいの感じられるものになる。
このアイデアに私は大変感動しました。
他にも、避難訓練だけでは人が集まらないので、餅つき大会と避難訓練をセットで実施するなど、「気楽に参加してみようかな」と思える楽しい工夫をたくさんされてきたようです。
ここでいきなり国文学の話になりますが(私は国文学出身なのです…)
阿部さんの話を聞いていて、アメノウズメノミコトという神様のことを思い出しました。
天照大神があるとき、悲しいことがあって、岩戸にこもってしまいました。世の中は真っ暗になって、悪いことがたくさん起きる。皆どうしていいか、おろおろするばかり。
そんな中で、「なんとかせねば」と神様達が話し合い、登場したのがアメノウズメノミコトです。暗く悲しい世の中になっているその場所で、アメノウズメノミコトは歌い踊りました。神様達はそれを見て喜び、笑いました。
笑い声を聞いて天照大神は「世の中は真っ暗なはずなのに、どうして皆笑っているのかしら」と岩戸から顔を出しました。
そうやって天照大神が岩戸から出てきてくれたおかげで、世の中は再び明るさを取り戻しました。
阿部さんは、アメノウズメノミコトのような存在ではないかと。
世の中には悲しいことや困ったことはたくさんある。自分達の力でなんとか解決したいけど、どうして良いか分からない。深刻に考えるほど無力さを感じてしまう。
だけど、ひとつの課題を笑いに変えれば人は寄って来る。人が来れば、どんなに辛い状況さえも変えていけるほどの力が生まれることもあるのですね。
私も練馬でアメノウズメノミコトになれるように…。
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まちづくりセンターの集まり
結構ご無沙汰でした。
ゴールデンウイークに大泉学園の方に引っ越しをしました。
引っ越したら早速、練馬の中を散策しようと思いつつも、引っ越しの片付けにヨレヨレになって今に至ります(^^;
ようやく今日、ひとつ動きがあったので報告します。
練馬にまちづくりセンターができたということは以前書きました。その中の事業の一つに、「区民が集まって講座を作ろう」というのがありまして。12月、1月に開催するまちづくり講座の企画検討することを目的にしています。それに参加することに決めたのです。
今日はそのオリエンテーションでした。
まちづくりと一口に言っても、いろんな分野が含まれますね。その中で何をやるか、誰を呼ぶ講座にするかを決め、その交渉までも含めて区民がやろうということだそうです。
今日は自己紹介が中心でした。
今日の参加者は11名。大学生から戦前生まれの方まで、幅広い年齢層でした。
興味のある内容も人によって様々。建築関係の方もいれば環境問題に取り組む人もいる。「子どもでも高齢者でも住みやすいまちになってほしい」という方もいる。
かくいう私は、仕事では地域に関わってきたのに、自分の住んでいる地域には今まであまり関わってこなかったという矛盾を直していきたいという目標があります。
街は既にあるのに、なぜ“まちづくり”という言葉がはやっているのか。「まちづくり」の「まち」とはそもそも何なのか、なんていう意見もあって、興味深かったです。
そして、次回は何を学びたいか、についての話し合い。
練馬のみどりについて、自然について、文化について知りたいという意見がまずありました。
私は、「昔の練馬の近所づきあいと今は何か変わってきているか。町内会はどんな風になっているか。他の区と比べたらどうなのか。人口が増えるにしたがって何か変化があったのか知りたい。古くから住んでいる人に話を聞いてみたい」と言いました。
それを受けて、「逆に新しい住民の意見も聞いてみたい」という意見も出ました。「商店街についても知りたい」という意見も。
今振り返ってみると、男性は環境問題に関心があり、女性はコミュニティに関心があるという意見が出ていたような傾向があった気がします。面白いですね。
それを受けて練馬まちづくりセンターの方から、「では次回はコミュニティに関わる話をしましょう」。
「だけど、ただ単に“町内会”というテーマにしてしまうと、組織率などの話で終わってしまうから、何か切り口があったほうがいいかもしれませんね」と。
うん、たしかにそうだ、と思ったけど、その場ではどんな切り口がいいのか、私には思い浮かびませんでした。
次回は6月下旬。どんな切り口の話が聞けるのか、楽しみです。
ゴールデンウイークに大泉学園の方に引っ越しをしました。
引っ越したら早速、練馬の中を散策しようと思いつつも、引っ越しの片付けにヨレヨレになって今に至ります(^^;
ようやく今日、ひとつ動きがあったので報告します。
練馬にまちづくりセンターができたということは以前書きました。その中の事業の一つに、「区民が集まって講座を作ろう」というのがありまして。12月、1月に開催するまちづくり講座の企画検討することを目的にしています。それに参加することに決めたのです。
今日はそのオリエンテーションでした。
まちづくりと一口に言っても、いろんな分野が含まれますね。その中で何をやるか、誰を呼ぶ講座にするかを決め、その交渉までも含めて区民がやろうということだそうです。
今日は自己紹介が中心でした。
今日の参加者は11名。大学生から戦前生まれの方まで、幅広い年齢層でした。
興味のある内容も人によって様々。建築関係の方もいれば環境問題に取り組む人もいる。「子どもでも高齢者でも住みやすいまちになってほしい」という方もいる。
かくいう私は、仕事では地域に関わってきたのに、自分の住んでいる地域には今まであまり関わってこなかったという矛盾を直していきたいという目標があります。
街は既にあるのに、なぜ“まちづくり”という言葉がはやっているのか。「まちづくり」の「まち」とはそもそも何なのか、なんていう意見もあって、興味深かったです。
そして、次回は何を学びたいか、についての話し合い。
練馬のみどりについて、自然について、文化について知りたいという意見がまずありました。
私は、「昔の練馬の近所づきあいと今は何か変わってきているか。町内会はどんな風になっているか。他の区と比べたらどうなのか。人口が増えるにしたがって何か変化があったのか知りたい。古くから住んでいる人に話を聞いてみたい」と言いました。
それを受けて、「逆に新しい住民の意見も聞いてみたい」という意見も出ました。「商店街についても知りたい」という意見も。
今振り返ってみると、男性は環境問題に関心があり、女性はコミュニティに関心があるという意見が出ていたような傾向があった気がします。面白いですね。
それを受けて練馬まちづくりセンターの方から、「では次回はコミュニティに関わる話をしましょう」。
「だけど、ただ単に“町内会”というテーマにしてしまうと、組織率などの話で終わってしまうから、何か切り口があったほうがいいかもしれませんね」と。
うん、たしかにそうだ、と思ったけど、その場ではどんな切り口がいいのか、私には思い浮かびませんでした。
次回は6月下旬。どんな切り口の話が聞けるのか、楽しみです。
イベントへのお誘い
今回は練馬の話ではありませんが…
今私がお手伝いしている企画のご案内です。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
NPOと社協★協働ミーティング
……………………………………………
社協の宝もの と NPOのちから
地域福祉を取り巻く状況がますます困難になるこの時代に
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
社協もNPOも、
一人の“困った”をみんなの“課題”にする
『地域福祉』の担い手です。
でも、立場がちがうためか、
うまく協力できていないことがしばしば・・・
地域のつながりは薄れ、生活課題は多様化し、格差は広がるばかり
──地域福祉がますます困難になるこの時代に、
「社協の宝もの」と「NPOのちから」を持ち寄って、
何ができるのでしょうか?
地域福祉活動歴50年の大先輩・阿部守枝さんのお話をヒントに、
地域福祉の原点を知り、今後の可能性について話し合います。
● 日時:5月27日(土)午後1時30~4時30分
● 場所:川口総合文化センター・リリア11F大会議室(定員50人)
JR京浜東北線川口駅西口正面
(JR南浦和から電車で12分、JR上野から電車で22分)
http://www.lilia.or.jp/info/access.html
● 内容:第一部★社協の宝もの-地域福祉の原点
お話 阿部守枝氏(元宮城県社会福祉協議会職員)
第二部★社協とNPOの微妙な関係
社協とNPOの協働調査プロジェクトの調査研究成果
を楽しくご報告します。
第三部★みんなで座談会
今後の課題と期待についてみんなで話し合います。
● 参加費:500円(資料代)
●お申込み:お名前、所属団体、住所、電話、FAX、メールを明記の上、
お申込みください。
担当はハンズオン!の若尾さんなのですが、このブログを見て申し込んでくださる方は、とりあえずは私(加藤木)まで申し込みをお願いします。
sakurako_happy_society@yahoo.co.jp
主 催:NPO法人市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉
協 賛:住友生命社会福祉事業団 東レ株式会社
協 力:コミュニティケア活動支援センター
後 援:埼玉県社会福祉協議会(申請中)
**************************************************
【ゲスト紹介】
地域福祉活動歴50年の元祖“熱血”社協マン
阿 部 守 枝(あべもりえ)さん
宮城県社協職員として、昭和30年代には「民泊」による
住民懇談会を実践。昭和40年代は、学校や公民館ととも
に福祉教育を模索。昭和50年代は、社会福祉法人化の運
動を展開。退職後は宮城県共同募金会を経て、現在も、
仙台・中山地区社協会長、仙台・滝道町内会会長として
地域活動に飛び回っている。
※民泊とは・・・地区(小地域)に泊り込み、保健・福祉
課題の調査と住民や行政・社協との住民懇談会を開催した
もの。
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今私がお手伝いしている企画のご案内です。
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NPOと社協★協働ミーティング
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社協の宝もの と NPOのちから
地域福祉を取り巻く状況がますます困難になるこの時代に
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社協もNPOも、
一人の“困った”をみんなの“課題”にする
『地域福祉』の担い手です。
でも、立場がちがうためか、
うまく協力できていないことがしばしば・・・
地域のつながりは薄れ、生活課題は多様化し、格差は広がるばかり
──地域福祉がますます困難になるこの時代に、
「社協の宝もの」と「NPOのちから」を持ち寄って、
何ができるのでしょうか?
地域福祉活動歴50年の大先輩・阿部守枝さんのお話をヒントに、
地域福祉の原点を知り、今後の可能性について話し合います。
● 日時:5月27日(土)午後1時30~4時30分
● 場所:川口総合文化センター・リリア11F大会議室(定員50人)
JR京浜東北線川口駅西口正面
(JR南浦和から電車で12分、JR上野から電車で22分)
http://www.lilia.or.jp/info/access.html
● 内容:第一部★社協の宝もの-地域福祉の原点
お話 阿部守枝氏(元宮城県社会福祉協議会職員)
第二部★社協とNPOの微妙な関係
社協とNPOの協働調査プロジェクトの調査研究成果
を楽しくご報告します。
第三部★みんなで座談会
今後の課題と期待についてみんなで話し合います。
● 参加費:500円(資料代)
●お申込み:お名前、所属団体、住所、電話、FAX、メールを明記の上、
お申込みください。
担当はハンズオン!の若尾さんなのですが、このブログを見て申し込んでくださる方は、とりあえずは私(加藤木)まで申し込みをお願いします。
sakurako_happy_society@yahoo.co.jp
主 催:NPO法人市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉
協 賛:住友生命社会福祉事業団 東レ株式会社
協 力:コミュニティケア活動支援センター
後 援:埼玉県社会福祉協議会(申請中)
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【ゲスト紹介】
地域福祉活動歴50年の元祖“熱血”社協マン
阿 部 守 枝(あべもりえ)さん
宮城県社協職員として、昭和30年代には「民泊」による
住民懇談会を実践。昭和40年代は、学校や公民館ととも
に福祉教育を模索。昭和50年代は、社会福祉法人化の運
動を展開。退職後は宮城県共同募金会を経て、現在も、
仙台・中山地区社協会長、仙台・滝道町内会会長として
地域活動に飛び回っている。
※民泊とは・・・地区(小地域)に泊り込み、保健・福祉
課題の調査と住民や行政・社協との住民懇談会を開催した
もの。
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