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私の事務所と自宅を結ぶ大泉学園通りは、桜並木なのだそうです。
…私は、桜が終わった時期に移り住んできたので、まだ見たことがないのですが。

行き帰りの道にいつも、「この木々に、桜が咲くのかなあ」と見ています。

私の名前にもついている「桜」ですが。

日本では昔は「花」というと「梅」を意味していたのが、平安時代くらいから「桜」に変わったんだそうです。

西行という歌人が桜を愛したのは有名な話。

願わくは 花のもとにて 春死なむ
そのきさらぎの 望月のころ  


―できることなら桜の下で、春に死にたい。
2月の満月の頃に。
(2月は旧暦の2月です。)


私が大学で専攻したのは近現代の国文学だったんですが、近現代の桜というと、私は梶井基次郎を思い浮かべます。

「桜の樹の下には」(青空文庫に原文が載ってますのでこちらで見てください。

桜があんなにきれいなのも、だけど見ていてなぜか不安に感じるのも、桜の木の下に死体が埋まっているからではないか、というお話です。

初めて読んだ高校生の頃は、随分気持ちの悪い話だと思っていましたが、なんとなく分かるようになった気がします。

なぜ、西行も梶井基次郎も、桜と死を並べて話しているのか。


私も、桜を見ていると不安な気持ちになります。

散っていく、散っていく、散っていく・・・
ひら
ひら
ひら

というリズムに合わせて私の心の中も何かぞわぞわっとするような。


梅の花が「静」の美しさなら、桜は「動」の美しさなのか。


生きていると、時間は必ず流れていく。
出会った人とはいつか必ず別れる日が来る。
生まれたものは必ずいつか死ぬ。
始まるときがあれば時間は流れ、いつか必ず終わりの時が来る。

桜が満開で輝き、容赦なく散っていく姿は、そんな時間の流れを早回しにしているような気もして。

でも「終わり」は消極的なものではない。
終わりの瞬間まで、人の心を奪っていく強さを持つことができる。
それは、輝く瞬間を持っているからこその「終わり」の強さかもしれない。

時間の長さではなくて、すべての人が輝く瞬間を持って生きられる世の中を、作っていけたらいいなあ。

今度の桜は、いつ頃咲くかな。
私の誕生日、4月10日にも、桜が残っていると嬉しいなあと思いつつ、今は緑の葉の茂る桜の木々を見る毎日です。

(★かとうぎ桜子を育てる会ホームページ
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盆踊り

夏はたくさん盆踊りがありますね。
いくつかお邪魔させていただきましたが、昨日今日は大泉学園の緑町会の盆踊りでした。この夏最後くらいでしょうかね。やはり7月末くらいが多いですものね。

今年の夏は短い、という気がしますが、今日は涼しくて、ああ、秋が近いのかなあというのを感じながらの盆踊りでした。

かなり広い公園で、子どもがたくさん。活気がありました。
そうか~、少子化と言われてるけど子どもは結構たくさんいるのねーと盆踊りに行く度に思いながら、ただそこにいるだけで楽しくて仕方ないというエネルギーが内から飛び出してるような子どもを眺めております。

今日は私も踊ってみましたが、やはり浴衣を着て行くべきですね。来年の盆踊りは浴衣にします。浴衣なら多少踊りを間違えても分からないかも知れないし…(笑)

各地域の盆踊り、その準備をしている皆さんの表情、子どものいきいきした表情、動きのあるそれらの表情に、夏を感じることのできた、今年の夏でした。



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かとうぎ桜子を育てる会のホームページもご愛顧のほどよろしくお願いします。 )

地域の中での生活

今、私が練馬でやりたいと思っていることを説明しながら、地域の皆さんにも共感していただき、「一緒に活動していきませんか?」とお誘いすること…私が練馬で今やっているのはそんな活動です。
営業の仕事ってこんなだろうなあと思いながらやっています。

ご迷惑もおかけしているとは思いますが、まちをより良くしていくためには、まずはそのまちに住んでいる一人ひとりが知り合っていくことが大事だと思いますので、この「営業活動」もまちを良くしていくことに活用していきたいと思っています。

ご挨拶をして歩いていると、思いがけない優しさに出会うこともあります。

初めてお会いしたSさん。夕方お邪魔して、私の活動についてお話していると、「ところであなた、今一人暮らしなの?いい時間に来たわね。ちょっと待ってなさい。」と言ってお家の中に戻っていく。
しばらくすると、袋を持って戻ってきて、「持っていきなさい」と渡してくださる。「北海道の昆布を煮たのよ」と。
とてもおいしくいただきました。昆布の栄養もあるけど、心の栄養もたくさんいただきました。Sさん、ありがとうございます。

これまた初めてお会いしたYさん。
私は活動の説明をするのに、ポスターも持って歩いていて、できれば貼ってもらえないかというお願いもしていますが、Yさんのお家にはちょうど良い壁がない。ないのだけれど、Yさんはとっても悩んでくださる。「どこかないかしらねえ」と。
「頭をひねる」という言葉がぴったりだ、というくらいにYさんは一生懸命考えてくださいました。本当にYさんの頭がひねられていくのが見える、というくらいにひねってくださいました(笑)
結局ポスターを貼る場所は見つけられなかったけれど、大事な時間を私に割いてくれたYさん、とても嬉しかったです。


今日は、また「営業活動」に出かけようとしたら、ひどい雷と土砂降りの雨がやってきました。
私の家のあたりは、時々電気が消えたものの、完全に停電することはなく済みました。でも、もう少し埼玉寄りのところでは、落雷があって、長めの停電もありました。
土砂降りの雨がやみ、外に出てみると、停電している地域の人は困った様子で道に出ていらっしゃっていました。
「どこそこに雷が落ちたみたいなのよ」というお話を伺いました。

今、地域の中でどんなことが起きているのか、すぐに知ることができるのが、地域の中で生きていくことなのかなという実感を感じつつ、停電のときだけではなくていつでも道端にたくさん人がいて気軽に話し合うことができるまちになったら、もっと良いんではないかな、なんてことも思いました。


さてさて、私の活動を支える会は、「かとうぎ桜子を育てる会」といいまして、まだ細々と、活動を始めたばかりのところです。
今度ホームページをようやく作りましたので、このブログと同様ご愛読いただければ幸いです。このブログのリンクのところにも足しましたので。
ホームページといっても、私と父とで作ったものなので、まだまだ発展途上です。
そんな「育てる会」の方も、ぜひ皆様もご参加いただいて、支えていただければ幸いです。

大泉学園のまち

金土日と、かなりの時間を大泉学園のまちあるきに使いました。

梅雨明けになってから、かなり暑くなってますから、午前中からおやつ時間くらいまでは辛い時間帯ですが…

大泉学園は、良いまちです。

畑がたくさんあるのですが、ところどころに、とれたての野菜が売ってます。HI350009.jpg


私の夕飯のためのナスやたまねぎを買いながらポスター貼りをするという、楽しい経験をしました(^^)
ここの販売所でナス、こっちできゅうり、というように、少しずつ、必要なものを考えながら買い集めていくのも楽しかった。
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料理する時、スーパーマーケットで買うよりも、大事に使おう、ちゃんとおいしいものを作れるように頑張ろう、という気持ちになれました。

15時を過ぎると少し涼しくなってきます。

16時、17時は一番気持ちの良い時間です。
暗くはないけど、少しぼんやりする時間。
「たそがれ時」です。
「たそがれ」は、「誰そ彼」なんですって。
少し先にいる人の顔が、ぼんやりとしか見えない。「そこにいるのは誰?」という時間です。
なんとなく、ふんわりとした気持ちになれる時間帯です。深呼吸ができるような。安心できる音楽を聴いているときのような。

土曜日の夕方には、きれいな夕日が見えました。
携帯で撮った写真だから、ちょっと分かりにくいですけど…写真をクリックしていただくと、少し大きく見られます。
月じゃなくて、太陽なんですよ。


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時間によっても微妙に変化する。
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こうやって、まちの空気を感じながら、少しずつそのまちが「自分のまち」になっていくのかなあと思いました。
こうやって肌でそのまちを感じるのは、小学生以来かもしれません。

地域の人との温かい出会いもありました。
それはまた近いうちにご報告します。

猫との出会いと別れから思うこと

私は今、週4日は福祉系のNPOで働きながら、残りの日を練馬の活動に充てています。
人と会えるのはやはり昼間の方が会いやすいですから、なかなか思うようにはかどらない部分もあります。
そこで、今度から、週に1度はNPOの仕事を午後からのスタートにしてもらって(その分夜遅くまで働きますが)、午前中は地域の活動に充てさせてもらうことにしました。

今日は、その体制を試してみた、初日でした。

朝、石神井公園駅で挨拶をした後、大泉に戻り、地域の皆さんに挨拶をさせていただきました。

そして午後からNPOに出勤。

夜遅くまで仕事をして、同僚と夕食を食べて帰途につきました。

大泉の私の事務所に寄ってから帰ろうと歩いていると、道の真中に ぽつねん と影が。

猫がひょこりと座っていました。

ちょうど車のタイヤに轢かれる位置に。

一足も早く近寄らないと、多分轢かれるだろうと思い、私は急ぎ足に。

「どうしたの?」と声をかけてみたけど、猫は ぽやー っとした顔をしています。

どこかケガをしているんだろうか、と暗闇の中で手探ってみたけど、どうやら問題はない様子。首輪をつけています。

「ここにいると危ないよ、端に寄ろう」と体をちょっと押しても、一向に動こうとしない。
仕方なく、抱っこをすると、かなり軽い。

私も3月まで猫を飼っていて、老衰で死んでしまったのですけれど、その子の死に際と同じ軽さをしている。

私の猫は体調を崩した後もかなりねばっていたのですが、それでも3ヶ月ほどで力尽きました。

今日会ったこの子も、長くても1,2ヶ月かな、と思いつつ。

1晩でも、事務所に連れて帰って一緒に過ごすという方法もあるかもしれない、と考えました。

だけど、猫の多くは、見知らぬ人に警戒を示す。この子は今弱っているから私に抱かれたけれど、本当は嫌かもしれない。連れて帰って最期を一緒に過ごすことが、本当にこの子にとっての幸せだろうか・・・・などなど、ごにょごにょと色々考えました。

とにかく、道の脇の、植え込みの中の寝やすい場所に猫を置く。
よしよし、と撫でていると、なんとかそこに横たわった。

多分、それ以上触って欲しくはないだろうと思いました。

「そこで寝ているんだよ」と言って、私は事務所に向かいました。

連れて帰ったほうが良いか、いやそれはやっぱり良くないか…と頭の中は堂々巡りをしつつ。とにかく事務所から自宅に帰るときにはもう一度様子を見ていこうと。

夜も遅かったので、事務所にいたのはものの5分程度でしょうか。
再び猫のいた道へ向かいました。


猫は、車道で死んでいました。
轢かれたようです。

再び車道に出てきてしまったのですね。



人との関わりの中でもそうですが・・・
何が相手の幸せなのか。
関わる中でいつも悩みます。
私が良かれと思ってすることが、本当に相手の望むことなのか。

関わったすべての人との関係―「もしあの時こうしていれば、あの人はもう少しは幸せに生活できたのではないか」…私はいつも、そうやって、自分の力不足を責めています。

今日会った猫…あの時私が事務所に連れて帰っていれば、車には轢かれなかった。
首輪をしていたのだから、どこかで飼い主が、今も探しているかもしれない。

もっとできることがあったのではないだろうか。
でも、事務所に来ていたとして、あの子は幸せだったんだろうか。

なぜ、弱った体でどうしても車道に座っていようとしたのだろう。それがもし、あの子の意志だとしたら、車に轢かれたことが「不幸なことだ」と言い切れるだろうか。

それがあの子の意志だったんだと、思わないと、いられないですね。


「福祉」とは、「幸せ」のことだと、私は思っています。だけど、「幸せ」の定義は何でしょうか。
答えは人それぞれなのでしょう。

だけど、それでもやはり私は、すべての人との関わりを、いつも自分に問い直しています。

小学校のときのあの友達に、あの時もっとこうしていれば良かったのではないか。
家族に対して、あの時もっとこういうかかわり方をした方が良かったのではないか・・・・・いくら問い直しても答えが見つかることはないかもしれない。でも問い直し続けながら新しい人間関係を築いていくことで、一人でも多くの人が、「ふだんのくらしのしあわせ」を見つけることができるように…最期の瞬間まで穏やかな気持ちでいられるように。―ほとんど不安に近い感覚で、一人でも多くの人が幸せになることを願っています。

多くの人との関係の問い直しの中に、今日会った猫との関係も、今後は含まれていくと思います。


考えようによっては、あと数分、私が通る時間がずれていれば、あの猫に会うことはなかったかもしれない。


「たった一瞬でも、生きている時間を共有できたことを、私はずっと覚えている。」

せめてそのことを、あの猫には伝えたいです。



Appendix

桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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