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子ども議会

8月1日は、「練馬区独立60周年記念日」。


そういえば練馬区議会のホームページでは「8月1日 60周年を迎えました」に並んで、「8月1日 かとうぎ議員の住所が変わりました」と出ていて、光栄なような(笑)、恥ずかしいような、目立って嫌だから早く消して欲しいような、複雑な気分ですが・・・(^^;


8月1日の午後には60周年記念の式典がありましたが、それに先立って午前中、「子ども議会」が開かれていました。


写真は撮っちゃいけなくて、今年の子ども議会に関して書いてあるホームページが見つけられないので、参考資料がなくて申し訳ありませんが・・・子ども議会は毎年8月1日に行われているようです。


入り口で記名して整理券をもらって、私は珍しく傍聴席に入場。傍聴席には生活者ネットの方たちが来ていて、その近くに腰を下ろした私。


で、議場を見る。議長席には、子ども議長さん。いつもの議長さんに比べてちいちゃい。椅子がやたらと大きく見えることに仰天。


実際の議員と同じく、子ども議員さんも50名くらい。


5人ずつ、10のグループに分かれて、環境問題、食育、障害者、高齢者、いじめの問題、子育て支援、スポーツ振興などについて、「もっとこうしてほしい」という発表がありました。


 


子ども議会が開かれるにあたって、議員には区の職員さんから一応報告がありました。「8月1日にやるので、ぜひ来てください。子どもらしく、分かりやすいものにするために、寸劇やパネルなども取り入れています」と。


それを聞いた民主党の先輩が、「それは大人の議会にも取り入れれば良いのになあ」とぼそっとつぶやきました。


 


子ども議会の10グループは、話し合いの進め方がそれぞれ違ったんだろうなあと推測できる、個性豊かなものでした。いろんな小道具を用意するグループ。5人のメンバーの発表の順番の決め方もそれぞれ違っているようだと感じました。


中でも特に、一生懸命調査をしたのだろうと思えたグループ。子育て支援についてのグループでした。


実際にお母さん達にアンケートをしてみた。「子どもを育てていて、悩むことはどんなことですか?その悩みを誰に打ち明けていますか?」。


子どもがお母さんにアンケートをすると、回収率も上がるかもしれないし、単なるアンケートよりも本当の声が出しやすくなるかもしれない、とふと思いました。


アンケートの結果はパネルで示していましたが、残念ながら傍聴席からは詳細までは見えない。(私の視力は1.5くらいはあるはずなんですが・・・)子ども議会の議事録もできるんでしょうか・・・正式な結果を見つけたらまたお知らせします。


 


とにかく、実際に調査を行ったという子ども達の力に感動していたら、さらに話は進みました。「そんな調査の中で、父子家庭に対する支援がまだ足りないという意見を聞きました。」


母子家庭に対しては支援がたくさんあるけれど、お父さんだけの家庭は「男の人の方が稼ぎが良いんだから大丈夫だろう」と思われがちで支援が少ないということ。


だけど、子どもが急に熱を出して、保育園や学校に行けなければ、親が見なくてはいけない。区にはひとり親家庭用のヘルパー制度があるけれど、それは福祉事務所を通さないと利用できないので、少なくとも役所が開く9時頃まで待たなくてはいけない。


結局子どもが急に体調を崩したら、ひとり親はその日一日は仕事を休まざるを得ない。そういう不安定な状況では、たとえ男親でも安定した仕事には就きにくい。


区は、そんな脆弱な支援体制をどう思っているんですか?


そんな趣旨の発表がありました。


 


で、区の職員さんの答え。


いつもは聞いているうちに気が遠くなるような回りくどい言い方ですが、さすがに子ども議会なので分かりやすい言い方をしてくれています。


「母子家庭と父子家庭の支援の内容に差はつけていないんですよ」と。


で、こんな事業もやっている、あれもやっている、と色々と説明がある。


すると、子ども議員から再質問。


「おや!大人の議員もめったに再質問しないのに、偉い!」と思いつつ凝視する私・・・。


 


「色々説明があったけれど、結局、緊急の子どもの病気の場合に親を支援をする方法はあるんですか?」という趣旨の再質問。


そして出てくる区の職員さん。「えーと、緊急の時には対応できていないのが実際のところです。近所の人との関係なんかの中でお願いしているのが実情です」


そうかー。なんて分かりやすいことだ。


「病後児保育」というのはよく言われていて、治りかけの子を預かってくれるところはある。


でも実際には働いている親御さん、特にひとり親家庭の人の悩みは、ある朝突然の発熱で急に会社を休まざるを得ないということですよね。


「病気真っ最中」の子どもを支えてくれる人がなかなかいない実情。


これは、子育て中の人が突然休まざるを得ない状況を温かく受け容れられるような職場の雰囲気作りも同時に必要ではあるでしょうが。


 


いやー、しかし子ども議員さんの質問によって、今の社会が抱える課題、区の現状が手に取るように分かったなあと、感動しました。


 


子どものためだから、と分かりやすくしようとしている工夫は、本当は大人に対しても同じはずですよね。言葉だけで分かりにくい時のためにパネル等を活用すること。質疑は明快な言葉で行うことなど―。


 


「言葉」―それは、恐ろしいものだと思います。


人を傷つけることも、救うこともできる。


体験していないことを理解できるのは言葉の力。(最近は映像の力もあるでしょうが)


その一方で、言葉によって「分かった気分」になってしまう恐ろしさもある。


難しい言葉を使うことで、相手をなんとなく説得できることもあるけれど、難しい言葉によって自分自身までもが惑わされてしまうこともある。


誰かから自分の身を守りたいという本能が働いた時、人は無意識に難しい言葉遣いをして、鎧をかぶるのかもしれません。そんな中で、自分自身さえも見失っていく。


私も17,8歳のころは、言葉の鎧で身を固めていたときがあった。反抗期であるのと同時に、難しい言葉を使うことで自分自身が世の中を知った気になっていた。


そんなときに、中島みゆきの「風にならないか」という歌の歌詞の冒頭で、「むずかしい言葉は 自分を守ったかい」と言うのを聞いて、ギクッとしたことをふと思い出しました。


子ども議会は、そんな「大人の言葉の鎧」が取れて、それで真実が見えた気がしました。


大人同士だとどうしても鎧ができてしまうのかもしれない。だけど、鎧の向こうの本当の声を聞き分けていきたいと思います。


かとうぎ桜子を育てる会

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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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