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★日本語って・・・ ★予算④


★日本語って・・・

昨日の朝、ぼーっとNHKのニュースを見ていたら、公共サービスの民営化の特集が始まりました。

今、全国のあちこちで、公共サービスの民営化をしている、というリストがずらっと出る。
都市ガスを民営化したいけれども、引き受け手がなかなか見つからないという自治体。保養所を売ってしまいたいけど、国から借金をして作ったもので、売り渡した段階で一括返済する約束になっているから売ることができない自治体。そんな理由で、なかなか民営化が進まなくて、スリム化ができない。
そして、苦肉の策で宮崎の東国原知事が、「県庁の命名権を売れないんだろうか」とつぶやいている姿が映る。

アナウンサーがそれを指しながら、「今、公共サービスの売却が行われています」と言う。

売却か!

朝で、頭がまだ寝ぼけている状態で見ていましたが、「売却」という言葉にビックリして一瞬にして目が覚めました。

まあ、今まで行政がやっていたものを民間に渡して、その結果お金が動くと考えれば、売却という言葉でも間違ってないのかもしれないけど、なんだか随分強烈な印象(^^;

例えば練馬区には「委託化・民営化実施計画」というのがあるけれど、これがもし「売却実施計画」という名前だったら、なんだかドキドキするじゃないですか・・・



日本語って、同じ物事を指すんでも、いろんな言葉があって、特に、ぼんやりさせる言葉を使うのが好きなんですよね。
それはある意味日本の文化だと思いますが。
古文の文法をやっているときにも、「婉曲」というのがたくさん出てきて、ときには婉曲表現と丁寧な言葉は同じ言葉だったりするから、「婉曲=丁寧」という文化があるんでしょうね。

だから、ふんわりした言葉で表現されているものを、あえて違う言葉に置き換えてみると、物事の今まで見えなかった一面が違う角度から見えてくるのかもしれない、と、アナウンサーの「売却」の言葉を聞いて思ったのでした。


★予算④

特別会計についての予算のところで、介護保険にからんだ質問をしました。

先月、ボランタリーフォーラムというイベントを企画した時に「介護保険の現在とこれから」というテーマで分科会を開いたら、幅が広すぎて大変だったと書きましたが。

今回、そのときの経験も生かして議会で質問しましたが、改めて、やっぱり幅が広いと思った・・・

今回は、
①給付抑制のこと
②介護従事者の待遇改善のこと
③認知症のこと
を言いました。
話せば長くなるので、ブログでは2,3回に分けて書きます。

予算特別委員会では持ち時間が12分くらいしかなかったので、言いたいことを言い切れずに「あうあうあう・・・」と唇を噛みしめる感じでしたが、続きは来年度にやる一般質問でやりますわ・・・。

では今日は①給付抑制のことから。

2006年に介護保険が改正されて、「介護予防」が重視されるようになりました。
まだ、少しの援助があれば自分で自分のことができるはずの方も、介護保険ができた当初はいっぱい介護サービスを使ってしまっていたりしました。
例えば、外に出るのが億劫だという方でも、身体能力はある場合があって、そういう人は精神状態がうつ状態になっていたり、体を動かす機会が少なくて運動不足になって余計に動きたくなくなっていたり、ということがあります。
だから、もっと体を動かすことを重視しよう、ということで改正されたんだといわれています。

運動をすることで、自分の身の回りのことは自分でできるようにしてもらおう、介護サービスは本当に病気等で自分のことができない人に受けてもらうようにしよう、ということですね。

でも実際には、本当に介護が必要な人まで使えていない状況が生まれているんではないかと言われています。
必要な介護給付が抑制されている・・・「給付抑制」です。

今回の質問のために、練馬区の状況を数字で調べてみました。

介護保険のサービスが使えるようになるためには、要介護認定を受けないといけませんが、その数は

2004年:1万6923人  2005年:1万8290人 2006年:1万9202人

という具合に毎年増えています。これは、実際の利用の有無には関係なく、ともかく「介護サービスが必要だ」と感じた人の数です。実際には使わなかった人も入っている。

そうなると、実際にサービスを利用した人の数が気になるでしょう?

そこで、訪問介護(ヘルパー)の利用実績数を見てみる。
人数は
2004年:8万7819人 2005年:9万2662人 2006年:9万2091人
給付の金額を見てみると、
2004年:約54億4170万円 2005年:約54億4820万円 2006年:約53億8200万円

人数も給付費も、両方とも、2004年→2005年は伸びているのに、2006年になると減少している。
ちなみに、2006年が介護保険改正の年。

ニーズが変わったのかというと、認定者数は2006年も伸びているんだからニーズはあるはずだと予測できる。

そしたら、やっぱり考えられるのは給付抑制よねえ。


それで、どんな場合に給付抑制をしていると考えられるかというと、(ボランタリーフォーラムの話のブログでも書きましたが)
・家族はいるけど日中は皆仕事に出ていて、「日中独居」状態にある人が、「でも家族はいるんでしょ」ということでサービスを受けられていない可能性
・認知症と診断されたばかりで家族も本人もショックを受けていて支援が必要なのに、「まだ初期だから自分達でやれるでしょ」とサービスが制限されている可能性
等等が予測できる。


それで、介護保険課長に、「給付抑制についてどう思いますか?」と聞いてみた。

そしたら、原則的な決まりは色々あるけれど、家族の状況や身体状況は人それぞれだから、何でもかんでも一律に決めてしまって良いとは思っていないし、判断がつかない時は相談してくださいとケアマネジャーに言っているんだけれども、ケアマネ自身が自己規制してしまっている場合があるんだ、というお返事。

うーむ。

私も介護のヘルパーをやっていたし、一口にケアマネジャーといっても考え方や質にばらつきがあることは分かる。。
でも、なんだか釈然としなくて。

うーむ・・・と思いながら、「訪問介護のQ&A」という資料に目を落とす。

「利用者さんが髪を切りに行きたいと言った場合に付き添ったら、ヘルパーの料金として算定できますか?」という質問。
それに対して、「算定できません。出張調髪(←美容師さん等が家まで来てくれるサービス)を利用しください。ただし、出張調髪を利用できない事情があって、衛生状態を考えると髪を切った方が良いと思われるような場合には美容院・理髪店に行っても算定できます」というようなことが書いてある。

ふーん。
でも私、大学生のころに初めてヘルパーの仕事を始めた時に、美容院に付き添ったことがあったよなぁ、と思い出す。もう、5年前になりますねえ。

その人は、一人暮らしで、体は元気なんだけど、長年住んでいた都営住宅が建て替えになって新しいところに移って、ご近所さんも入れ替わってしまったことで気持ちが落ち込んでしまって、「もうやだ」「生きてたってつまんない」と嘆いて寝てばかりいた。出ようと思えば出られるはずなのに、「外には出たくない」と言い張っていました。
それが、ヘルパー(私)が行くようになって1,2ヶ月して少し気持ちが落ち着いて、「そうだわ、歩いて2,3分のところにある美容院に行ってみようかしら。加藤木さん、一緒に行ってくれる?」とおっしゃったのでした。

おお!と思って、ケアマネに相談。
どうやったって外に出ようとしなかった人が、これを機に外に出られるようになるかもしれない、後生だから美容院に付き添わせてくれ、とお願いした。
今思えば、柔軟な判断をできる質の高いケアマネさんだったんでしょう、「そうだね、やっと外に出る気になったんだね」と言ってくれた。

美容院に行った後のその人は、パッと花が咲いたような笑顔を見せて、「もうおばあさんだもの、髪を切ったって変わりはしないんだけどね」とおっしゃった。
いやー、その笑顔の美しかったこと。「いや、そんなことない、きれいですよ」なんて言葉では表せないほどきれいだったから、うまく言葉に表せなくて、私はただ首を横に振っていたんだけど。
今思い出してみても、あんなに美しい女性は見たことない、というくらいきれいだった。


そんな思い出を、ふと振りかえる。

あのときもし、「いや、ダメだ。出張調髪にしろ」と言われてたら、どうだったんだろう。

まあ、きっとそれでもおばあちゃんはニッコリしたでしょう。
でも多分、自分がいつも行ってた美容室に再び行けた喜びの方が大きかったんじゃないのかなあ。


そんなことを考えながら、「あのう、閉じこもり防止のためって考えても、出張調髪なんですか?」と介護保険課長に質問。
「そりゃあ、閉じこもりの防止になるということを計画に盛り込んで、ケアマネがプランを立ててくれれば大丈夫なんですよ」と介護保険課長がニッコリ教えてくれる。

そっかー、良かったー。

でも、「ケアマネがプランを立ててくれれば」ということは、ケアマネがどういう人かによって運命は左右されるってことね・・・


「そう、だからケアマネの自己規制なんですよ」と課長。


うーん、でもね。
文面を深く読み取って、利用者にとってより良い状況を作っていける力量を、必ずしも皆が持っているわけではない。たまたま、その力量がないケアマネに行き当たってしまえば、不幸としかいえないわけで。

それに、行政側だって、今の介護保険課長は「相談してくれさえすれば一緒に考えますよ」と言ってくれてるけど、もし異動があって、もしもっと紋切り型で物を考える人が課長さんになったら「いや、何が何でも出張調髪だ!」とおっしゃるようになる可能性も残っていると思うのです。

だからこそ、全国的に給付抑制が問題になっていて、12月には厚生労働省から「同居家族がいてもそれぞれの状況に合わせて柔軟に対応するように」という通知まで出たのだと思うのです。


どんな人でもどこにいても、必ずより良い人生の終わりを迎えられるようにしていかなくちゃいけないと思います。

「だからもっとケアマネと行政のやり取りを増やすとかしてください」と、舌足らずの要望をしましたが、その後の質問で池尻さんが「Q&Aという形ではなくて、人それぞれの状況に対応して構わないんだよということがもっと分かりやすい文書を作るべきなんではないか」と意見をおっしゃっていて、おお、それよそれよ、私が言いたかったことはそれよ、と思いました(^^;

色々思いはあるものの、うまく表現できない私は、まだまだ、ぴよぴよです。。

※かとうぎ桜子を育てる会のホームページは
こちら
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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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