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決算;介護保険会計

★秋の雨が降ると、なにやら淋しいような、所在無いような気分になりますね。

雨が空を捨てる日は
忘れた昔が 戸を叩く
忘れられない 優しさで
車が着いたと 夢を告げる

(中島みゆき「雨が空を捨てる日は」)

「空から雨が降ってくる」のではなくて、雨が空を捨てて私のところにやってくる・・・なんて表現ができるもんなんだなあと、子ども心に驚いたことがありました。

雨が空を 見限って
あたしの心に 降りしきる


都会のビルに雨が降るのを見るとなおさら・・・なーんて、ぼんやり池袋の街を眺めずに、ちゃんと大学院の授業を聞かないとダメですね


★私は社会福祉士の資格を取る養成校である上智社会福祉専門学校を2005年に卒業しました。
卒業するにあたっては、卒業レポートを書かなくてはいけなかった。
そのテーマが、異世代交流で、特に小規模施設のことを扱いました。

ヘルパーの仕事をしていた時のこと、随分前のブログ(今見直してみたら、議員になる前に書いたものでした。)に書いたことがありました。

私は、福祉の仕事も色々と転職しましたが、ずっと在宅サービスの仕事でした。

7,80年生きたあとの最後の時間は、自分の好きな場所で、好きなものを食べ、言いたいことを言い、行きたい場所に行ける環境を作りたいと思っていました。

それはもちろん、利用者さんを見ていたからこそ思ったことではありますが、私自身の老後を想像してのことでもありました。

私がもし、80歳くらいになって老人ホームに入ったら・・・「ホラ、また○号室の桜子さんが問題行動よ。まったく、桜子さんはわがままで困ってしまう。」と言われるんではないかと思ったのです

問題行動という表現、最近あんまり言わなくなったかもしれませんが、介護従事者側から見て手に負えない行動をそう呼ぶことがあったんですね。

そして私が年をとったら、ほぼ100%間違いなく、上記の言われ方をするだろうと(--;)

職場で上司から言われるなら仕方ないけど(苦笑)、年をとって保険料と利用料を払ってまで「また問題行動ね」なんて言われたらたまんないですね(><)

だから頑固な人でも自分らしく笑って過ごせる介護サービスを実現したいと思っています。


これはただの私のわがままではなくて、団塊の世代が老後を迎えるとき、現実的な話になるのではないかと思います。

福祉を必要とする人が施設に入るという選択肢は「最後の安心感」として残しておくべきですが、でもできれば極力、介護が必要になっても、自分の住みなれた場所で、慣れ親しんだ人と、若い時からの習慣を大切にしながら過ごしていく環境を整備していくことは、今後の高齢者人口の増加から考えても現実的な方法だと思うのです。
団塊の世代の人口分だけ、老人ホームは作れないでしょう?それに団塊の世代の個性の強さに対応できる老人ホームというのも、大変そうですよね。


じゃあ、どうしたら良いかと考えると、地域の中で生きがいと居場所を見つけられたらいいんですね。老人ホームにあるのと同様の安心感が地域の中にあればいい。

そこで卒業レポートのテーマにしたのが、高齢者と子どもの交流でした。特に、地域密着型の施設でやっている例を中心に。
富山県に、子どもの保育と障害者のデイサービス、高齢者のデイサービス、ショートステイを一軒家で小さくやっているところがあって、そこに見学に行きました。
認知症の高齢者が子どもを見て笑っていて、障害のある人が高齢者の話し相手になっている。

ここは、高齢・障害・子どもが一緒になっているけれど、必ずしもそうでなくても良いから、とにかく自分の住んでいる地域の中に、いろんな相談に乗ってくれる場所があったら良いだろうなあと思いました。

小中学校区域に1か所程度の、地域密着の施設があれば、家で最期まで暮らせるんではないかと。大きな入所施設は最小限に済むのではないかと。


な~んて内容のレポートを書いたんですけど、当時は制度上にそんなものはなかったので、指導の先生に「ふーん」と言われて終わりました(^^;

そうか、私はなんだかトンチンカンだったのかしら・・・と思いながら卒業しましたが、2006年に介護保険が改正されてみたら、あらまあ、制度化されたじゃないですか。
ビックリしちゃって、ありゃこれは、厚生労働省と気が合うんだろうか、就職すべきだろうかと一瞬思いました。(←冗談です)

ところがせっかく制度化されたものの、なかなか浸透しない。
練馬区内に「ショートステイ・デイサービス・ヘルパー」を兼ね備えた小規模多機能施設は今4ヶ所。当面12ヶ所整備するのが目標だとか。

そんなわけで、このことを決算委員会で質問したのです。

都内で見ると、2007年12月現在で26ヶ所の整備。
比較すれば練馬区内は数的には「まだまし」な状態ってことですね。

なぜこんなに浸透しないのか。
それは、介護報酬が安すぎて経営が成り立たないこと。小規模多機能というのが何なのか分かりにくいこと。・・・と区は答弁します。

だけど私はもうひとつ、大きな理由として、「他のサービスと併用できないこと」があるように思います。
例えば、元々他のデイサービスに通っていたんだけれども、介護度が重くなって、ヘルパーやショートステイを利用したくなった。それもできるだけ家に近いところにしたい・・・となったとき、地域の小規模施設を使いたいわけですが、2006年介護保険改正でできた「小規模多機能型居宅介護」だと他サービスの併用ができないから、元々通っていたデイサービスをやめなくてはならなくなる。
それではせっかく通いなれた施設との関係が切れてしまう。
これは、「住み慣れた場所で、なれたスタッフと・・・」という地域密着型の本旨からずれるように思います。

私がかつて見学に行き、そしておそらく介護保険改正のモデルのひとつでもあったはずの富山県の施設は、子どもと高齢者と障害者と「制度がごっちゃ」になってもOKだったからこそ、温かみのある、地域に根付いた施設になったわけで、それを介護保険に取り込むにあたって「サービスの併用禁止」にするというのは、合点がいきません。

練馬区は介護報酬に関しては独自の上乗せをしたということですが、地域密着、小規模多機能が本旨を取り戻すために、市町村レベルとしてできる更なる工夫をして行く必要を感じます。
もちろん、国レベルの介護保険の改正も必要だとは思います。今の練馬区の決算を見ると、介護保険の決算は予算よりも減額になっている項目が目立ちます。
特に居宅サービスは、補正予算でマイナスした上に決算でも更にマイナスになっています。
2006年の介護保険改正の影響によって、本来使うべきサービスを使わずにいる人がたくさんいることが感じられるわけですが、在宅での生活の保障を、なんとか進めていかなくてはなりません。
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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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