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練馬区立保育園民間委託の最近の状況

ようやく、最近の練馬区の保育園の状況を書きます。

練馬区は、私が議員になった年である2007年に、新たに16の保育園の民間委託の計画を発表しました。
1年に2園ずつ委託をするということで、2007年当初の計画の最初の3年間を見ると、

2009年度 豊玉第二保育園、光が丘第四保育園
2010年度 北町保育園、高野台保育園
2011年度 東大泉第二保育園、平和台保育園

ということでした。しかし、今、区のホームページを見ると、

2009年度 なし
2010年度 光が丘第四保育園、豊玉第二保育園、北町保育園
2011年度 高野台保育園、東大泉第二保育園、平和台保育園

となっています。
かなりずれています。

豊玉第二保育園は、建て替えの時期と委託の時期が同時期であることに保護者がとても不安を感じていました。引継ぎをするのが仮設の園になるからです。区はいつもの通りに、保護者の声を素直に聞こうとしていませんでしたが、結局、「建て替えが完成する時期が当初の予定よりもずれ込んでしまって委託のタイミングと合わなくなるので、1年ずらす」というような理由をつけて1年延ばしました。
光が丘第四保育園は私の論文の事例にも挙げたところですが、事業者が見つからなかったということで1年延期。
高野台も事業者の選定ができずに1年延期。

もう、当初の計画の原型をとどめないような状況になっています。
委託をするときには、その前に1年間引継ぎをするということになっているので、この4月からは2011年度に委託予定の準備期間に入っています。
しかし、東大泉第二は事業者の選定にすら入っていない。さらに、平和台ではこの数ヶ月、大きな混乱を起こしてきました。

昨年の11月に平和台保育園を委託する事業者は株式会社に決定しました。
しかし、12月になって、現在その株式会社が運営をしている保育園で事故が起きていたということ、それを練馬区は知らないままに委託を決定していたことが判明しました。
事故は、ボイラーに使う重油が誤って流出し、付近の土壌や川に流れてしまったというもので、その地域の議会でも問題になったようです。
法人として、事故を受けてどんな対応をとったのか。今後失敗を繰り返さないためにリスクへの対応をどうするのかなども考えなくてはならないだろうし、行政としても確認しないとならない。それを踏まえて区立の保育園を委託すべき法人かどうかを選定委員会で議論しないとならない。なのに、区はこの詳細を把握していなかった―つまりは、選定委員会で議論もされないままに決定したのだろうと考えられるわけです。

これは、選定作業そのものが振り出しに戻ってもおかしくない状態ですね。

そんな中で今度は、その会社が委託を受けた場合に園長を務める予定だった人が辞めてしまうという事態が起きました。

事故の事実は知らなかったわ、園長候補者が交代するわ、では、ほんとに完全に振り出しです。

私が論文の事例に挙げた保育園でもそうですが、多くの場合、保護者はやむを得ず、委託に協力しようとします。
それは、保育士が全員入れ替わってしまうような委託化にはとても不安を感じるけれど、現実として避けられないならばせめて混乱をできる限り回避し、少しでも良い法人に来てもらい、少しでも園長や保育士さんたちといい関係を築いて、子どもが安心して過ごせる環境を作らなくてはならないと思うからです。

平和台の保護者の方々もそうやって区と協議をしてきたようですが、これだけひどい状況では、黙っているわけにはいかないとお考えになったのでしょう。8割くらいの保護者の署名を集め、選定を白紙に戻して欲しいと意思を表明したのでした。

それでも区は、園長候補者も代替が見つかったことだし・・・と、決定を変えようとしませんでした。保護者が訴えている不安は漠然としたものだとも言いました。
上に書いたような明白な事実があるのに、不安が漠然としたものだとは、いったいどういうことなのやら。

結局、3月23日に開かれた委員会で、代替の園長候補者も辞退したいといってきたから、という理由で、4月からの準備委託はできないという報告があったようです。
それも、新しく来た園長候補者に対して保護者の側が色々言ったせいだというような報告。
しかも、4月からの準備委託はできないというだけが報告されていて、今後どうするのかが明らかになっていない。

いやはや。保護者の意見をきちんと受け止めて決定をしない点も、責任を保護者に押し付ける点も、何も成長のない区です。

2004年に初めて委託をしようとしたときから何も変わらない。

物事の決定の際に何を一番大事にしようとしているのか。保護者の声よりも、子どもの安心よりも、それらの人たちとの信頼関係よりも優先しているものは何なんだろう。ほんとに素朴な疑問として理解ができません。どんな頭の構造になっているのか、できるものなら開いて見せてもらいたいくらい。

「民間にだって良い法人もあるんだから、そんなに民間委託が悪いといわなくたって良いじゃないですか」という人もいますが、民間委託で混乱を起こすのは民間事業者ではなくて、行政なのです。民間委託への批判を、民間事業者に対する批判と捉えるっていうのは、事業者に対しても失礼な話です。民間委託への批判は、その地域の政治のあり方に対する批判なのです。

私の論文に挙げた問題が過去の検証ではなくて現在も進行している問題だと思うと、げんなりします。
こんな、保護者も子どもも疲れるようなことをやるんじゃなくて、区立保育園とは別にはじめから民間の認可保育園を作って待機児解消を図るほうが急務だと思いますが、今の区長は保育園利用者よりも自分が振り上げたこぶしを守ることの方が大事なんでしょう。そうとしか思えないですね。

ほんとに、次の選挙では区長を変えたいですねぇ・・・しみじみ。

※かとうぎ桜子のHPはこちら
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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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