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介護人材の問題その2(一般質問③)

【かとうぎ桜子の質問】

今年度でホームヘルパー1級、2級研修がなくなるという問題について伺います。

ホームヘルパー1級、2級の研修は今年度いっぱいで終了し、来年度からは新たな研修課程に変更されると伺っています。これは、従来のヘルパー養成課程が、1級・2級のほか、介護職員基礎研修や介護福祉士の資格など、複雑になっていたため整理をし、初任者研修・実務者研修を経て介護福祉士というように、経験を積むほどに、より上位の資格をとるという展望の描きやすい体系へと変更することを趣旨としているようです。

今年2月に行われた厚生労働省の「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」の資料によると、新たに設立される「(仮称)初任者研修」は、ホームヘルパー2級と比べて研修時間は変わらないものの、カリキュラムが変更され、また修了時の評価を実施するというものです。

ここでやはり心配されるのは、先に述べたサービス提供責任者の問題と同様に、新たに研修を受け直さなければ報酬の減算になるかどうかという点です。厚労省の資料によれば、すでにヘルパー1級、2級等の資格を取得している人は今後も続けられると記載されていますが、今後、報酬減にはならないという確認が取れなければ、人材不足がさらに深刻化するのではないかと、不安の声が現場から聞かれます。

そこで伺います。

★この問題について、区はどのようにとらえているのか。将来的にも報酬減にはならないという確認が取れているのか、事実関係をお聞かせいただいた上で、区としての見解をお聞かせください。

★また、障害者自立支援法の重度訪問介護の場合、重度訪問介護従業者養成研修を修了した介護者などが従事をしているケースもあります。
ヘルパー研修の変更は介護保険だけではなく障害者サービスへの影響もあるものですが、今回の研修体系の変更によって障害者分野への影響はあるのでしょうか。重度訪問介護従事者研修はヘルパー1,2級研修の終了の動きとは関係なく今後も継続されるのか。報酬への影響はあるのか。まずは把握している事実関係をお聞かせください。

また、当該の障害者サービス事業所に対し、情報提供と意見交換をする必要があると考えますが、区としてどのように取り組まれているかをお聞かせください。

★介護従事者の質の向上は、介護サービスを利用する当事者の人権の観点から重要なことですが、処遇改善のとりくみがなされてもなお実態としては他業種に比べてまだまだ賃金が低い中で、お給料の改善よりも資格の水準アップを先行することはさらなる人手不足を招くおそれがあり、国の動きは拙速であるといわざるを得ません。

介護人材の確保のため、区はこれまで介護人材育成研修センターへの支援や面接会の開催など、区としてできる範囲でのとりくみを進めてきたわけですが、今後の国の動きによってはこれらの努力も無になる心配もあります。まずは現場の声を区として聴取し、保険者として国の制度設計に声をあげていくべきと考えますが、区としてのお考えをお聞かせください。


【福祉部長の答弁】

訪問介護員養成研修課程の変更についてです。

今回の訪問介護員養成研修課程の改正は、今後の介護人材の育成の道筋を簡素でわかりやすいものにすることを主な目的として、国が見直しを図ったものです。
従来の2級課程は、平成25年度から初任者研修課程へと移行することになりました。なお、国は、2級課程の修了者については、初任者研修終了者として引き続き業務に従事することが可能であり、研修を受け直さなくても、報酬の減額にはあたらないと説明しています。

次に障害福祉サービスについてであります。
障害福祉サービス事業所は、介護保険事業を併せて行っていることが多く、訪問介護員養成研修課程の変更は、障害福祉サービスの質の向上に寄与すると認識しております。重度訪問介護従事者研修は、介護職員またはその予定者を対象としており、来年度も実施すると東京都から聞いております。

また、今年度の障害福祉サービス等の報酬改定においては、訪問介護員養成研修課程の変更による影響はありません。事業所への情報提供については、必要に応じ、障害福祉サービス事業者連絡会等を通して、実施してまいります。

次に介護職員の質の向上にむけた取組についてであります。
まず、介護職員の処遇見直しについては、介護職員処遇改善加算の創設や、地域区分の見直しにより、一定の配慮がなされたものと考えております。
区では、介護サービス事業者連絡協議会やケアマネジャー連絡会などでの意見交換を通じて、改定内容について説明するとともに、介護職員の声の把握に努めてまいります。今後も、介護サービスが円滑に提供されるよう、必要に応じて国や東京都に要望してまいります。

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【コメント】

詳しい内容は、今年2月にあった厚労省の全国介護保険・高齢者保健福祉担当者会議のこちらの資料に書いてあるのですが、ヘルパー1級、2級の研修が今年度いっぱいでなくなるということで、現場に与える影響が心配されるので質問をしました。

私もヘルパー2級の資格を持っていますが、たしかに資格取得の課程には課題があるとは思っていました。

現場の見学の時間も含めて130時間のカリキュラムをこなせば、最終の筆記試験などもなく資格をとることができます。つまりは10万円程度の授業料を払って出席さえしていれば取れてしまうわけです。

130時間のうち、30時間が現場の見学の時間です。つまり4日くらい。

ちなみに、教員免許をとる大学生がその前段として介護施設や特別支援学校などで「介護等体験」をすることが課せられていますが、この体験の日数は7日間。

これから介護を仕事にするヘルパーの学校に通っている人の現場研修が4日間で、教員免許を取る人が7日間って、何か変ではないかと思ってました。

場合によっては人の命にもかかわる仕事なのですから、せめて講義の内容を覚えているかどうかの確認をする試験をするなど、自動車運転免許を取るのと同程度の難易度はあるべきだろうと思いながら資格をとりました。


今回、新たな研修に変わるにあたっては、現場見学は必ずしも増えるわけではないようなのですが(厚労省に電話をして聞いてみたら、現場見学にどのくらいの時間をとるかは都道府県や事業所が決められるということでした・・・)、受講生同士のグループワークなど演習の時間を増やすことと、修了時の試験をやるということです。


カリキュラムの内容を充実させていくことは大事だとは思うのですが、実態としてはヘルパーの人手不足があるわけで、本当に今までのヘルパーが報酬を減らすことなく働けるかどうかを確認したくて質問しました。




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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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