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weフォーラム・分科会「放射線の授業をつくる」

Weフォーラム、2日目の午前中は5つの分科会に分かれました。
私はその中で、「放射線の授業をつくる」というテーマの会に参加し、郡山と横浜の小学校の先生の実践を伺いました。

郡山の坂内先生は、震災当初に「ビッグパレットふくしま」にみんなで避難したときから、自分の立場でできる〈ニーズへの対応〉はなんだろうかと考えたそうです。
そこで、避難所での子どもたちの勉強会を始めたそうです。3月時点では、4、5月に学校が再開できるのかも分からず、子どもたちは避難所でぼんやり過ごすしかないし、親もその状態にストレスがたまっている。はじめは子どもたちが勉強するスペースすら十分に確保できない状態だったけれど、子どもたちはたとえ立ったままでも一生懸命勉強していた、と、当時の写真を見せてくださいました。

いくらなんでも立ったままで勉強しているのはかわいそうだと、周りの大人も次第に配慮してくれるようになり、机といすを置いての学習会が始まりました。

4月上旬には学校が再開できたので、先生は次に解決すべき〈ニーズ〉を考えたそうです。

親は子どもの健康を心配して放射能汚染に不安を抱いている。大人も何が正しい情報かに悩みながら、子どもに対して「外で遊んだらダメ」、「植え込みに座ったらダメ」などというんだけど、子どもたちは大人(親や先生)からダメと言われても楽しいことなら気にせずやってしまうことがある。
だから、単にダメというんじゃなくて、「何が危険なのか」「どうすれば危険を避けることができるのか」を伝え、自分自身で判断してもらうことが大切だと考えて、テキストづくりを始めたのだそうです。

テキストにはわかりやすい絵がついていたら良いな、と思っていたら、ツイッターで柚木ミサトさんというイラストレーターの方と出会って、可愛らしい絵付きのテキストが完成したそうです。(柚木ミサトさんは、放射性物質を赤いつぶつぶで表したイラストを描いています。こちらをご覧ください。)

放射能の問題を学ぶときには、科学的な知識だけでなく、人権の観点、また社会学的な観点も一緒に考えていかなければならないし、すべてが解明されて大人が全部説明できる状態にはないけれど、こどもとともに大人も学んでいく姿勢が大切なのではないかという話をしてくださいました。


housya.jpg
(最初に作ったテキストの内容をさらに充実させて作ったイラストブック「放射線になんか、まけないぞ!」)


横浜の山本先生は、今年の3月に定年退職をする前に、退職記念公開授業という形で小学2年生の子どもたちに対して授業をした話をしてくださいました。
坂内先生が作ったテキストも参考にし、震災直後に放射性物質がどのように東日本を流れていったのかといった映像も見せながら、子どもたちに放射性物質の基本的な知識についてお話をされたそうです。

健康に与える影響について「気にするしかないでしょう」と苦しそうに話しているお医者さんと「放射線はニコニコしている人にはきません」と話している専門家の映像両方を見せるということもしたそうです。
子どもたちはそれを見て、「2人はまったく違うことを言ってるね」と気づく。

そして授業の最後に、福島の動物たちを保護し、必要な場合は里親を見つける活動をしている横浜の動物愛護団体の方に来ていただいて、福島の動物たちの実態を話していただいたそうです。
ようやく見つけ出すことのできた飼い主にペットをどうするか聞いたら、「避難先では動物を飼えないから」と、泣く泣く里親を探してほしいと頼まれたこともあること。
逆に、ペットの犬と別れ別れになってしまってからずっと各地の保護施設を探し続けて、ようやく横浜で再会できた飼い主がいたこと。
また、この原発事故の影響を受けているのは飼育されていたペットや家畜だけではなく、野生の動物たちは今も知らずに汚染された場所で生きているということ…。



2人の先生の取り組みを伺って思ったのは、放射能の話に限らず、すべての事柄において、答えは必ずしもひとつではなくて分からないこともたくさんあるのだということや、その中から自分で判断をして行動していくことを学校で学ぶことが大切だということだなということです。

坂内先生が「大人がダメだといって危険な行為をやめさせるのではなくて、こどもが自分で判断できるような学びの場を作ることが大切」とお話されていたことがとても心に残りました。大人が決めた〈正解〉にこどもを誘導するのではなく、こどもが自分でたくさんの材料から判断できるような力をつけていくことが大切なのですね。
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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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