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weフォーラム・オプショナルツアー・天栄村

8月4,5日の2日間参加してきたweフォーラムの報告は、今回のブログで最後です。

2日目の午後は、2種類のオプショナルツアーがあって、私は天栄村のお米を見に行きました。

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この地域には、震災より前の、今から5年位前から、「全国一おいしいお米を作るぞ!」と創意工夫を重ねている「天栄米研究会」があったそうです。

除草剤をまけば簡単に雑草は取り除けるけど、それをせずに手でむしる。

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(毎日毎日、雑草を手でむしって取り除いているので、そのあとからまた生えてきている。)

肥料を使えば収穫できる米の量は増えるけれど味は落ちるので、いっぱいとることよりも味を重視した栽培をしている。

その成果を感じるために、村でもお米のコンクールをやり、そして全国のコンクールにも出して、おいしさが認められるようになり、研究会に参加している農家の人たちも、手間暇かかってもお金がかかってあまり大きな利益が得られなかったとしても、おいしいお米を作りたいと思うようになって、工夫をしながら頑張っていたそうです。

こうした活動で、情報を集めるなど後方から支援をしていたのは、天栄村の産業振興課長である吉成さんという人でした。

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(吉成さんと、農家の方々)


そんなときに、震災と原発事故が起きました。
原発事故直後の天栄村の空間放射線量は5マイクロシーベルトあったそうです。(ちなみに、私が行った時のモニタリングポストの値は0.427マイクロシーベルトでした。)

福島の農作物はもう売れないかもしれない、と農家の人たちががっかりしているときに、吉成さんは、「あきらめてしまわないで、放射能の出ない農作物を作るように頑張ろう」と励まし、放射性物質に関する情報を集めました。そうしなければ、農家の人たちは落胆して死んでしまうのではないかと心配だったそうです。

まず、放射性セシウムは植物の栄養分であるカリウムに似ているので、カリウムが不足している土壌では栄養分と間違えて放射性セシウムを吸収してしまう。そこで、土壌にカリウムを多く撒くという工夫をする。

それから、放射性物質が水に溶けて植物に吸収されてしまうのを防ぐために、ゼオライトというものを使うと、放射性セシウムがゼオライトに吸着されるという方法をとってみる。

栄養分を入れすぎたら味が落ちるかもしれないし、ゼオライトを入れすぎたら土壌が変わってしまうかもしれない・・・そのバランスを工夫しながら、昨年は農作物を作り、結局、昨年の秋に収穫されたお米は検出限界10ベクレルの測定器で放射性物質が不検出だったそうです。


単に放射能の検出されない米であるだけではなくて、震災前に引き続き除草剤などは極力使わず、また味もおいしいものにして、昨年も全国コンクールでかなり上位の結果を残したということでした。


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(出していただいたおにぎりとおかず。お米の話と関係ありませんが、この中にある、じゃがいもを味噌であえた料理が、忘れられないほどおいしかった・・・)

また、キュウリやナスなど、村でとれる他の野菜についてもすべて測定をしているそうです。


創意工夫をしながら米作りをしている農家の方たちもすばらしいし、それを支える吉成さんの存在も大きいと感じました。
やはり、現場で米作りをする当事者である農家の人たちだけではいろいろな情報を集めるのは困難だろうと思うし、特に昨年の震災・原発事故でがっかりしたときに励まし情報集めという形で応援をすることができる立場の人がいたことはとても大きなことだったと思います。

「知の力」はこうして、現場で汗を流して働く人のために活用されるべきものだと、しみじみ思いました。
知と金の力で地方で暮らす人たちの人生を搾取してきた原発の存在とは対照的です。


その一方で、原発事故さえなければ必要のなかった苦しみと、努力やお金が必要になってしまっていて、それが個々人の責任に任されてしまっているのだという課題を感じます。

天栄村について詳細が分かるHPはこちら

日々の活動についてはブログに書いてありますが、東京でも時折、販売されることがあるようです。

天栄村ではこれからも、放射能検出を限りなくゼロに近づけ安心でおいしい米作りに取り組んでいくということですが、大変なとりくみであるため、これを応援しようという「田んぼのパートナー制度」というものもあります。

あらかじめ、支援金を支払うという方法で応援し、無事おいしく安全な米ができあがったときには支援金額に応じてお米をもらえるというしくみです。


今回の訪問をご縁に、今後も、天栄村とのつながりを持ち続けていけたらいいなと思っています。
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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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