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宇都宮けんじさんのこと
明日から東京都知事選挙が始まります。すでに何人かの方が立候補表明をされていますが、私は宇都宮けんじさんを応援したいと考えています。
宇都宮けんじさんは弁護士として多重債務問題や貧困問題にとりくみ、「年越し派遣村」の名誉村長や反貧困ネットワークの代表もされています。また、2010年度、2011年度には日本弁護士連合会(日弁連)の会長も務められました。
弁護士として個々の相談に応じながら社会的課題について提言もしてきた実績はそのまま、都政に生かされると私は考えます。
石原慎太郎氏の突然の辞職によって急に実施が決まった都知事選です。
宇都宮さんの立候補表明は11月9日。より多くの人に宇都宮さんを知っていただくには本当に時間的余裕のない中で準備が進められてきました。
去る11月21日には、練馬区内の関区民ホールで急遽、宇都宮さんをお呼びした集会が行われました。

(携帯電話のカメラで撮ってもらったものなので少し見づらいですが、マイクの前が宇都宮さん、その隣が私です。)
宇都宮さんのお話の中で印象に残ったものをひとつご紹介します。
神戸の弁護士仲間から聞いたという、阪神・淡路大震災の課題についてのエピソードです。
阪神・淡路大震災では、特に古い木造の建物の倒壊・火災の被害が大きなものでした。倒壊した一帯の建物が撤去されたあとは広場や道路をつくり、高層の建物が建てられるという開発を中心とした復興がおこなわれました。しかし、古い木造住宅や商店で暮らしていた人たちは、新しい高層ビルは家賃がまったく高くて入れなくなる場合が多かったのです。
今では街並みはたしかにきれいになったけれど、そこで暮らす人の生活はガラッと変わり、コミュニティも失われていってしまったわけです。
これは災害復興の時のみならず、普段の地域の政治でも同様の課題があるのではないか、と宇都宮さんは言います。
東京にどんなに道路やハコモノができても、東京に住む一人ひとりが幸せでなければ意味がない。一人ひとりの生活の視点に立ち、一人ひとりの声を聞く都政を実現したい―。宇都宮さんはそんなお話をしてくださったのでした。
実はちょうど11月初旬に区議会・災害対策等特別委員会で神戸市・淡路市の視察に行き、その際に見てきたことやそれにあわせて読んだ何冊かの本で、私も宇都宮さんがおっしゃったことと同じ感想を抱いていたところだったのです。
阪神・淡路大震災からはまもなく18年という時が経ち、街はすっかりきれいになっているけれど、身近な家族や友人を失ったりそれまでの生活基盤を失った一人ひとりの負った傷は長い年月を経ても癒えないだろうと感じたのです。街並みがきれいに復興したことだけではその社会の課題は解決しないということを考えさせられたのでした。
東京の生活は、都心であることによる独特な課題を抱えています。
都心の便利な生活を支えるために使われてきた原発とどう向き合っていくか。
貧困状態にある人が、暮らしやすい住まいを確保しにくいという課題。
孤独死や虐待問題への対応。
保育園に入りづらいなど、子育ての環境改善をどう進めていくか。
そしてこれらの課題が、自分の身に起こらない限り、共有しづらくなっている都会の生活―。
まずは都政に向き合い、考えていく。民主主義を取り戻すとりくみを、この知事選を契機に作っていきたいという宇都宮さんの話に共感しました。

(11月21日の集会の際に宇都宮さんと撮っていただいた写真。光の加減で私の頭が赤いですが…。色の修正を試みましたが、髪の色を程良く修正すると私と宇都宮さんの顔色が青くなってしまう、という具合に、うまくいきません
実物はこんなに赤くありませんので、念のため。)
宇都宮さんの政策は、こちらのHPをご覧ください。
ちなみに宮部みゆきさんの小説「火車」に出てくる弁護士は、宇都宮さんがモデルとのこと。
私は中学・高校の頃、宮部みゆきさんの本がとても好きでせっせと読んでいましたが、今、改めて読み直してみています。
やっぱり宮部みゆきさんの本は面白いですね。登場する温厚な弁護士の描かれ方に、宇都宮さんの顔を思い浮かべながら読んでいます。
宇都宮けんじさんは弁護士として多重債務問題や貧困問題にとりくみ、「年越し派遣村」の名誉村長や反貧困ネットワークの代表もされています。また、2010年度、2011年度には日本弁護士連合会(日弁連)の会長も務められました。
弁護士として個々の相談に応じながら社会的課題について提言もしてきた実績はそのまま、都政に生かされると私は考えます。
石原慎太郎氏の突然の辞職によって急に実施が決まった都知事選です。
宇都宮さんの立候補表明は11月9日。より多くの人に宇都宮さんを知っていただくには本当に時間的余裕のない中で準備が進められてきました。
去る11月21日には、練馬区内の関区民ホールで急遽、宇都宮さんをお呼びした集会が行われました。

(携帯電話のカメラで撮ってもらったものなので少し見づらいですが、マイクの前が宇都宮さん、その隣が私です。)
宇都宮さんのお話の中で印象に残ったものをひとつご紹介します。
神戸の弁護士仲間から聞いたという、阪神・淡路大震災の課題についてのエピソードです。
阪神・淡路大震災では、特に古い木造の建物の倒壊・火災の被害が大きなものでした。倒壊した一帯の建物が撤去されたあとは広場や道路をつくり、高層の建物が建てられるという開発を中心とした復興がおこなわれました。しかし、古い木造住宅や商店で暮らしていた人たちは、新しい高層ビルは家賃がまったく高くて入れなくなる場合が多かったのです。
今では街並みはたしかにきれいになったけれど、そこで暮らす人の生活はガラッと変わり、コミュニティも失われていってしまったわけです。
これは災害復興の時のみならず、普段の地域の政治でも同様の課題があるのではないか、と宇都宮さんは言います。
東京にどんなに道路やハコモノができても、東京に住む一人ひとりが幸せでなければ意味がない。一人ひとりの生活の視点に立ち、一人ひとりの声を聞く都政を実現したい―。宇都宮さんはそんなお話をしてくださったのでした。
実はちょうど11月初旬に区議会・災害対策等特別委員会で神戸市・淡路市の視察に行き、その際に見てきたことやそれにあわせて読んだ何冊かの本で、私も宇都宮さんがおっしゃったことと同じ感想を抱いていたところだったのです。
阪神・淡路大震災からはまもなく18年という時が経ち、街はすっかりきれいになっているけれど、身近な家族や友人を失ったりそれまでの生活基盤を失った一人ひとりの負った傷は長い年月を経ても癒えないだろうと感じたのです。街並みがきれいに復興したことだけではその社会の課題は解決しないということを考えさせられたのでした。
東京の生活は、都心であることによる独特な課題を抱えています。
都心の便利な生活を支えるために使われてきた原発とどう向き合っていくか。
貧困状態にある人が、暮らしやすい住まいを確保しにくいという課題。
孤独死や虐待問題への対応。
保育園に入りづらいなど、子育ての環境改善をどう進めていくか。
そしてこれらの課題が、自分の身に起こらない限り、共有しづらくなっている都会の生活―。
まずは都政に向き合い、考えていく。民主主義を取り戻すとりくみを、この知事選を契機に作っていきたいという宇都宮さんの話に共感しました。

(11月21日の集会の際に宇都宮さんと撮っていただいた写真。光の加減で私の頭が赤いですが…。色の修正を試みましたが、髪の色を程良く修正すると私と宇都宮さんの顔色が青くなってしまう、という具合に、うまくいきません

宇都宮さんの政策は、こちらのHPをご覧ください。
ちなみに宮部みゆきさんの小説「火車」に出てくる弁護士は、宇都宮さんがモデルとのこと。
私は中学・高校の頃、宮部みゆきさんの本がとても好きでせっせと読んでいましたが、今、改めて読み直してみています。
やっぱり宮部みゆきさんの本は面白いですね。登場する温厚な弁護士の描かれ方に、宇都宮さんの顔を思い浮かべながら読んでいます。
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- 2012-11-28
- カテゴリ : 未分類
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区政報告会
11月17日(土)の夕方、区役所の会議室で区政報告会をおこないました。

この日は土砂降りの雨でしたが、多くの方にお集まりいただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今回の区政報告会では、9、10月の定例会で出ていた議案のうち「子ども発達支援センター条例」「文化交流ひろば条例」の内容をご紹介させていただき、また、ブログにも書いている私の質問内容のご紹介を改めてさせていただきました。
それぞれブログのリンクをはりますので、詳細はそちらを見ていただければと思いますが、
・災害時のボランティアのこと
・東日本大震災で被災して練馬区に住んでいる人たちへの支援
・区の施設の管理運営を民間に任せている場合の労働環境
・区の男性職員の育休
・鉄道駅のバリアフリー
・区立施設のバリアフリー
・民間施設のバリアフリー

私から1時間ほどお話ししたあと、参加者の皆さんから質問を出していただきました。
参加者から出たご質問・ご意見としては、
・こども発達支援センターの具体的な内容は?24時間の相談を受けられるのか。病院や入所施設など、24時間対応できるところと連携して24時間相談を受けられる体制をとるべきではないか。
・民間に管理運営を任せている施設については、労働環境のみならず、運営の実態をチェックしていく実効性の高いしくみが必要。
・障害のある人など「災害弱者」への対応は、東京都の防災計画とのつながりもしっかり考えていく必要がある。
・区の職員で育休をとっている人はどのような職域の人か、傾向はあるのか。
・災害時の帰宅困難者への対応は、民間との連携をはかっているのか。たとえば、お寺や教会といった施設でも受け入れられる可能性があるのではないか。
・図書館で本を探そうとしたときに、あとあと調べたら本当はあったはずの本を、見つけられなかったのか「ない」と言われてしまったことがある。それで、「良い本なのに置いてないなら寄贈しましょうか?」と提案すると「いただいた本はリサイクルに回します」と言われてしまい、専門性に疑問を感じる。
→この話に対しては、ほかの参加者から、「区立図書館に本がないならば、都立図書館、国会図書館などをあたるなど、必ずアクセス先を提示するのが専門性ではないか。【分からない】【無い】と答えて終わってはいけないと思う」、「職員として図書館にいる意味は何なのか。ただ利用者が持ってきた本を処理する役割ではないのだということを認識できるように、研修など専門性を高める体制が取られていないのだろうか」とのご指摘がありました。
・精神疾患のある人は長期入院をするか家の中に閉じこもってしまう傾向がある。地域で生活できる支援が必要。
→この意見に対しては、「精神疾患にかかわる国の予算のうち、9割以上が入院する医療機関に使われている現状があり、地域で支える部分にはほとんど予算が使われていないという日本の現状を変えなければいけない」という意見も出ました。
・区立保育園の民間委託については最近はどうなっているのかが気になる。
・ごみがいっぱい捨てられている家があって、空家なのか、人が住んでいても整理できないのか分からないが、庭などまで投棄物があると火事の心配もある。空家の調査や管理などを考えていくべきではないか。
といったご発言がありました。
いろいろな角度からの問題意識の提案があり、それに対してほかの参加者からも応答があるという、充実した質疑時間がとれたと思っています。
また、当日私から十分にお答えしきれなかった点については、後日調査をして参加者の皆さんにご報告したいと考えています。
今年おこなう区政報告会はこれで終了です。
次回は、2,3月の定例会のあと、3~5月頃に企画できればと考えています。

この日は土砂降りの雨でしたが、多くの方にお集まりいただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今回の区政報告会では、9、10月の定例会で出ていた議案のうち「子ども発達支援センター条例」「文化交流ひろば条例」の内容をご紹介させていただき、また、ブログにも書いている私の質問内容のご紹介を改めてさせていただきました。
それぞれブログのリンクをはりますので、詳細はそちらを見ていただければと思いますが、
・災害時のボランティアのこと
・東日本大震災で被災して練馬区に住んでいる人たちへの支援
・区の施設の管理運営を民間に任せている場合の労働環境
・区の男性職員の育休
・鉄道駅のバリアフリー
・区立施設のバリアフリー
・民間施設のバリアフリー

私から1時間ほどお話ししたあと、参加者の皆さんから質問を出していただきました。
参加者から出たご質問・ご意見としては、
・こども発達支援センターの具体的な内容は?24時間の相談を受けられるのか。病院や入所施設など、24時間対応できるところと連携して24時間相談を受けられる体制をとるべきではないか。
・民間に管理運営を任せている施設については、労働環境のみならず、運営の実態をチェックしていく実効性の高いしくみが必要。
・障害のある人など「災害弱者」への対応は、東京都の防災計画とのつながりもしっかり考えていく必要がある。
・区の職員で育休をとっている人はどのような職域の人か、傾向はあるのか。
・災害時の帰宅困難者への対応は、民間との連携をはかっているのか。たとえば、お寺や教会といった施設でも受け入れられる可能性があるのではないか。
・図書館で本を探そうとしたときに、あとあと調べたら本当はあったはずの本を、見つけられなかったのか「ない」と言われてしまったことがある。それで、「良い本なのに置いてないなら寄贈しましょうか?」と提案すると「いただいた本はリサイクルに回します」と言われてしまい、専門性に疑問を感じる。
→この話に対しては、ほかの参加者から、「区立図書館に本がないならば、都立図書館、国会図書館などをあたるなど、必ずアクセス先を提示するのが専門性ではないか。【分からない】【無い】と答えて終わってはいけないと思う」、「職員として図書館にいる意味は何なのか。ただ利用者が持ってきた本を処理する役割ではないのだということを認識できるように、研修など専門性を高める体制が取られていないのだろうか」とのご指摘がありました。
・精神疾患のある人は長期入院をするか家の中に閉じこもってしまう傾向がある。地域で生活できる支援が必要。
→この意見に対しては、「精神疾患にかかわる国の予算のうち、9割以上が入院する医療機関に使われている現状があり、地域で支える部分にはほとんど予算が使われていないという日本の現状を変えなければいけない」という意見も出ました。
・区立保育園の民間委託については最近はどうなっているのかが気になる。
・ごみがいっぱい捨てられている家があって、空家なのか、人が住んでいても整理できないのか分からないが、庭などまで投棄物があると火事の心配もある。空家の調査や管理などを考えていくべきではないか。
といったご発言がありました。
いろいろな角度からの問題意識の提案があり、それに対してほかの参加者からも応答があるという、充実した質疑時間がとれたと思っています。
また、当日私から十分にお答えしきれなかった点については、後日調査をして参加者の皆さんにご報告したいと考えています。
今年おこなう区政報告会はこれで終了です。
次回は、2,3月の定例会のあと、3~5月頃に企画できればと考えています。
- 2012-11-22
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医療救護所の訓練
昨日の午後は光が丘第四中学校でおこなわれた、災害時の医療救護所の訓練を見学してきました。
地域の方々、練馬光が丘病院、医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道接骨師会、区の職員の方々などが参加する、かなり大規模な訓練でした。
練馬区は99か所の小中学校が災害時の避難拠点となりますが、特にけが人などの対応をする医療救護所として10か所の中学校を指定しています。(詳しくは区のHPをご覧ください。)
災害が起きてけが人がたくさん出た場合、病院などは大変な混乱になることが予想されます。まずは緊急性の高い人から治療していく必要が出てきます。医療救護所では比較的軽症の方のケアをすることになりますが、この場にお医者さんが駆けつけて、病院に搬送したほうが良い人がいるかどうかを見分けていきます。(トリアージといいます。)
ただ、災害が起きた直後にすぐにお医者さんが駆け付けられるとは限らないので、まず最初は地域の人がその作業をやっていかなければいけないということで、昨日は訓練がおこなわれたというわけです。

一般的な避難所の運営というものだけでも、実際の災害時には大変な混乱が起こることがあるだろうと思いますが、けが人への対応ということが入ってくるとさらに厳しいだろうということを考えさせられました。
病院側の受け入れ態勢、そして全体のけが人の状況を客観的に判断した場合、たとえば骨折をしたという人であってもひとまず意識がはっきりしていてちょっとした移動などは自分でできるという人にはしばらく待ってもらって、意識がないような重症の患者を優先することになります。
でも、客観的に見て比較的軽傷の人であっても、普段経験しないようなけがをしていることは事実なので、その人にとってはすごくつらい時間になると思います。痛みや不安がいっぱいになっている人に待っていてもらうためには、できればやはり「今どのくらい病院が混乱した状態になっているか」「どのくらい重症者が多い状態なのか」という情報提供をしていかないと、医療救護所は精神的に混乱した状態になるのではないかということを感じました。
ただ、もし東京で大規模な災害が起き、阪神淡路の震災並みの人的被害が起きた場合に、それだけ丁寧な対応をとる余裕はなくなってしまうのかもしれません。
また、一定の落ち着きを取り戻した後には、この避難所運営に関わった方々(ずっとけが人を間近に見続けた方々)の心のケアということも考えていかなければならないのだろうと思います。
また、近いうちにブログに更新したいと考えていますが、11月初旬に災害対策等特別委員会で阪神淡路大震災の話を聞きに神戸・淡路の視察に行きました。行くにあたって私も色々関連の本を読むなど当時の課題を勉強して感じたことですが、死者も出るような大規模な災害への対応は、事前にどれだけ準備しても混乱してしまう部分はどこかに出てくるだろうと思います。ただ、繰り返し訓練しておくことで、少しでも心の混乱を回避できるという意義があるのではないかと思います。
というのは、大きな災害が起こるとか、親しい人が亡くなるといった、ものすごく大きな不幸に見舞われたときに、人間はハイテンションになる傾向があると思うのです。おそらく、そうすることによって生命の危機から自分の身を守ろうという本能が働くのではないかと思うのですが、ただ、避難所などで指示を出す役割の人がハイテンションになって突っ走ってしまうとさらに混乱を助長する部分があると思います。
出来る限り平静を保って全体像を見渡して、周りの人に役割分担のための指示を出すことができるような体制をとるためには、やはり繰り返しの訓練が欠かせないだろうということを考えさせられました。
地域の方々、練馬光が丘病院、医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道接骨師会、区の職員の方々などが参加する、かなり大規模な訓練でした。
練馬区は99か所の小中学校が災害時の避難拠点となりますが、特にけが人などの対応をする医療救護所として10か所の中学校を指定しています。(詳しくは区のHPをご覧ください。)
災害が起きてけが人がたくさん出た場合、病院などは大変な混乱になることが予想されます。まずは緊急性の高い人から治療していく必要が出てきます。医療救護所では比較的軽症の方のケアをすることになりますが、この場にお医者さんが駆けつけて、病院に搬送したほうが良い人がいるかどうかを見分けていきます。(トリアージといいます。)
ただ、災害が起きた直後にすぐにお医者さんが駆け付けられるとは限らないので、まず最初は地域の人がその作業をやっていかなければいけないということで、昨日は訓練がおこなわれたというわけです。

一般的な避難所の運営というものだけでも、実際の災害時には大変な混乱が起こることがあるだろうと思いますが、けが人への対応ということが入ってくるとさらに厳しいだろうということを考えさせられました。
病院側の受け入れ態勢、そして全体のけが人の状況を客観的に判断した場合、たとえば骨折をしたという人であってもひとまず意識がはっきりしていてちょっとした移動などは自分でできるという人にはしばらく待ってもらって、意識がないような重症の患者を優先することになります。
でも、客観的に見て比較的軽傷の人であっても、普段経験しないようなけがをしていることは事実なので、その人にとってはすごくつらい時間になると思います。痛みや不安がいっぱいになっている人に待っていてもらうためには、できればやはり「今どのくらい病院が混乱した状態になっているか」「どのくらい重症者が多い状態なのか」という情報提供をしていかないと、医療救護所は精神的に混乱した状態になるのではないかということを感じました。
ただ、もし東京で大規模な災害が起き、阪神淡路の震災並みの人的被害が起きた場合に、それだけ丁寧な対応をとる余裕はなくなってしまうのかもしれません。
また、一定の落ち着きを取り戻した後には、この避難所運営に関わった方々(ずっとけが人を間近に見続けた方々)の心のケアということも考えていかなければならないのだろうと思います。
また、近いうちにブログに更新したいと考えていますが、11月初旬に災害対策等特別委員会で阪神淡路大震災の話を聞きに神戸・淡路の視察に行きました。行くにあたって私も色々関連の本を読むなど当時の課題を勉強して感じたことですが、死者も出るような大規模な災害への対応は、事前にどれだけ準備しても混乱してしまう部分はどこかに出てくるだろうと思います。ただ、繰り返し訓練しておくことで、少しでも心の混乱を回避できるという意義があるのではないかと思います。
というのは、大きな災害が起こるとか、親しい人が亡くなるといった、ものすごく大きな不幸に見舞われたときに、人間はハイテンションになる傾向があると思うのです。おそらく、そうすることによって生命の危機から自分の身を守ろうという本能が働くのではないかと思うのですが、ただ、避難所などで指示を出す役割の人がハイテンションになって突っ走ってしまうとさらに混乱を助長する部分があると思います。
出来る限り平静を保って全体像を見渡して、周りの人に役割分担のための指示を出すことができるような体制をとるためには、やはり繰り返しの訓練が欠かせないだろうということを考えさせられました。
- 2012-11-18
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