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障害のある人が震災に遭った時―ドキュメンタリー映画を見てきました。

ご近所の友人から「東日本大震災で被災した障害のある人のドキュメンタリーができたらしいよ」と教えてもらって、2月3日に上映会に行きました。映画のタイトルは「逃げ遅れる人々」。(ホームページはこちら


今回の震災で被災した、障害のある複数の方々が登場し、話をしてくれます。

避難所ではベッドがないために、2週間もの間、横になることができず車いすに乗ったまま生活していた人。

障害のある人にとって避難所が物理的に使いづらく暮らせないというだけではなく、「障害のある人は自分の家で暮らしたほうが良いんじゃない?」という、周囲からの突き放すような言葉を受け、いたたまれなくなって自宅に戻ったものの救援物資を誰も届けてくれない・自分でも取りに行くことができないという状態になってしまったという人。

原発事故があって、介護の仕事をしている人も逃げなくてはならないので、当事者、介助者、家族みんなで集団で避難する決断をした人。一方で避難することが難しく、残る決断をした人。

今まで住んだまちが戻れる状態ではなく、障害を持ちながら遠く離れたまちで突然一人暮らしを余儀なくされ、先の見通しも立てることができない人。


震災と津波の被害、そして特に今回は原発の事故によって、多くの人の日常生活が奪われ、コミュニティが奪われました。
被害にあった誰もがつらい思いをされていますが、障害のある人はなおさら、自分だけの判断で今後を選択できない状態に追いやられてしまいました。

また、もともと障害のある人にとって、地方は東京のような都心よりもずっと厳しい環境に置かれています。障害のある私の友人の話を聞いても、地方に住む人はヘルパーの事業所数なども少なく、不十分な介護に我慢せざるを得ないことが多いし、こうした外からの支援を受けずに家族だけでひっそりと頑張っているケースも多いようです。だからなおさら、被災したときの困難が増してしまいます。そもそも、震災当時に障害者がどこにいるのかを把握することすら困難な状況になってしまったのです。


「災害が起きた時、障害のある人はいったいどうしていたのだろうか」ということは、私もすごく気になるところだったし、その困難を一定程度想像することはできますが、やはり、映画を通してでも、当事者からの言葉を聞くことができるというのはとても重要だと思います。

監督は、「今回、お話を聴けた人たちは、不十分であったとしてもなんらかの支援グループにはつながっていて、そこを通じて私も話を聞くことができた。でも、被災地には本当に何の支援にもつながっておらず、すごく困っている状態の渦中にある人はまだまだいっぱいいるのではないかと感じた」とおっしゃっていました。


今後、東日本大震災の被害にあった方に対して私たちができる支援を考えるうえで、障害のある人たちに何ができるのかという観点から考えていくことはとても大切だと思いますし、今後東京で起こるかもしれない震災の備えをするうえで、障害のある被災者の声を教訓にしていく必要があると思いました。


何らかの形で、この映画の上映会を練馬区内でできたらいいなと思います。


偶然なのですが、この映画の監督・飯田基晴さんはもともとの知り合いでした。
私が議員になってから、2008年に一度上映会をしたことがありましたが、「あしがらさん」という路上生活の人のドキュメンタリー映画を作った人です。
もとは、私が社会福祉士の学校(上智社会福祉専門学校というところ)に通っていた2004年に、学校の文化祭で「あしがらさん」の上映会をできないかということで連絡を取ったのがきっかけで知り合ったのです。

そんなわけで、今回上映会に行ってみたら、久しぶりに社会福祉士の専門学校の時の同級生とも再会できました。たぶん、卒業してから初めて会うくらい久しぶりだったと思います。

「桜子ちゃん、議員さんになったのー?人前で話すの、得意そうじゃないのにねー。特に選挙の時なんかつらいでしょう?」と同級生。

うーむ、的中だ…と思いつつ、「そうねぇ、どちらかと言えば何か企画したり原稿書いたりするほうが好きだから、私が原稿などを作る役をやって、別の人が人前に立つ役やってくれたらもっといいんだけどねぇ」と返事。

すると、同級生、ニコニコしながら、「そうよね、桜子ちゃん、学生の時、前のほうの席に座ってたくせに授業中に[今度文化祭で上映会やります]みたいな紙を回してたものねぇ。考えてみたら、失礼だったわよねぇ…」と(+_+)

あれれ、そうだったっけ・・・。そうだったかも・・・。

悪気はないんですけどね、何か一生懸命やろうとすると自分のペースで進める傾向が・・・(+_+)

議員になってからは、あんまり非常識なことをしないように心掛けているつもりなんですが、失礼なことをしていることがあったらすみません((+_+))

「ああ、そうかー、私、失礼だったかー」とブツブツ独り言を言いながら帰宅しました。
久々に同級生に会って動揺した、2月3日でした
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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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