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災害時の障害のある人が抱える課題

2月16日、航空公園駅の近くにある国立障害者リハビリテーションセンターで「障害者の災害対策シンポジウム~被災地から学ぶこれからの備え~」という企画があり、参加してきました。

福祉関係のメーリングリストで知って参加することにしたのですが、シンポジウムに登壇する方の多くが、今度27日に私が上映会を企画している「逃げ遅れる人々」にも登場されたり、何らかのかかわりを持っている方で、映画の背景のお話を聞くことができました。

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登壇者の皆さんや、参加者の中から、被災した時に実際に感じた課題を出していただいたので、いくつかご紹介します。


・普段はエレベーターを使って上の階で暮らしていたが、エレベーターが止まって障害のある人は部屋に戻れなかった。その人は結局3日間、車中にいた。車のエンジンで暖房をしていたが、燃料がなくなったため、家族が抱え上げて部屋に戻った。しかし、家の燃料も含め、暖房がつけられなくなると、障害があって体温調節が難しい人には命に関わる事態になる。

・ヘルパーは女性がやっている場合が多いので、災害が起きた時に、自分のこどもの安否確認やケアが最優先となり、障害のある人のもとにはすぐには駆けつけられないことが考えられる。

・避難所で、トイレに行くと周りの人に介助を頼まなければならないので、気兼ねして、本来必要な水分補給や服薬を控え、体調を崩した人もいた。排泄は命に関わることなので我慢してはいけないということは、普段から意識しておくことが大切。

・今回の被災地域には、今まであまり福祉サービスを活用してこなかった障害者も多かった。ヘルパーさんなどにも頼まず、「なんとか自分で頑張ろう」ということで自力で生活してきた人が、住み慣れた福島から遠い地域へと避難を余儀なくされ、避難先の慣れない生活ではヘルパーがなければ生活が難しい状態になる場合もあった。
人に頼むことに慣れていないため、頼むということ自体が本人にとっては負担になってくるということも起きた。「介助を利用することによって自立する」ということは、普段から考えることが大事なのではないか。自立と孤立は違う。サポートを得て自立することが大切。

・避難所はみんな大変なんだから…と気兼ねされていた車いす利用者の方は、周りの人から「大丈夫ですか?」と聞かれると「大丈夫です」と答えてしまっていた。
でも実際にはトイレなどを我慢していたりする。だから、周りの人は、「大丈夫ですか?」ではなくて、「薬は飲んでいますか?」「トイレには行っていますか?」「水分とっていますか?」という具体的な声のかけ方が必要。

・知的障害、精神障害など、周りの人が気づきづらい障害の場合はなおさら、本人がじっと我慢していて周りが気づかない場合がある。

・障害者団体で、仲間でまとまって避難し、被災していない地域のホテルに宿泊した例があった。体温調節や食事管理などがきちんとできないと命に関わる人もいるので、きちんと管理できる場所に避難することが必要と考えた。仲間で避難をすることによって、食べ物も介助者もすべて初めてづくしというストレスフルな状況はできるだけ減らして、過大なストレスがかからないようにする必要がある。
また、人工呼吸器等、電源を必要とする障害のある人の場合も、被災した地域にとどまらずにライフラインが生きている遠方まで避難する方法も考えられる。

・災害が起きた時に障害のある人が福祉避難所まで移動するということ自体が大変になるかもしれない、ということも想定しておく必要がある。

・災害対策基本法では、自宅に避難するのも避難している状態とみなすことになっているので、ライフラインが使える場合は、障害のある人にとっては自宅避難のほうが安全である可能性もあることを考えておく必要がある。

・だから、福祉避難所は「避難してくる場」というよりも、自宅避難している人の支援拠点としての役割を重点的に考えておく必要があるかもしれない。

・上記の様々な課題を考えると、被災した自治体の中だけですべてを解決するのではなく、姉妹都市や災害協定を結んでいる自治体など、被災していない地域に支援を求めるしくみづくりも必要なのではないか。



こういった意見が出ていました。
練馬区では、福祉避難所のマニュアル作りや訓練などもまだ十分にできていませんが、それだけでなくて、他の地域との連携など、考えていかなければならない課題もあると感じました。


映画「逃げ遅れる人々」では、上の話にも登場する、避難所で様々我慢してしまった方自身が語る場面も出てきます。
また、上映会当日は飯田基晴監督にもお越しいただきますので、映画には登場しないエピソードなどもお聞きできるのではないかと思います。

2月27日(木)夜7時から「逃げ遅れる人々」大泉学園駅北口ゆめりあ6階 ゆめりあホールにて。参加費600円。当日券あります。

映画自体は74分間。その後、休憩を挟まず飯田監督からお話を聞き、9時過ぎくらいには終了の予定です。ぜひご参加ください。
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桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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