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センター方式

昨日テレビの福祉番組を見てました。認知症の特集。

今回の日記はぜひ皆さんにコメントをいただければ嬉しいです。


認知症の特集番組で、「センター方式」の話をしていました。

認知症の方に、周りはどうかかわっていったら良いか、悩みますよね。
そんな中で考え出されたのが「センター方式」なのですが。
認知症介護研究・研修センターというところで考え出されたから「センター」方式なのですね。

その人が今まで生きてきて大事にしてきたものは何なのか。毎日何をしたいのか。若い頃から今でも引き続き大事にしている習慣は何なのか。それを記録していくのです。
対象者は認知症なので、自分自身でうまく説明できない場合も多いわけです。だから、家族が「この人はこんなことが好き」と説明したり、昔の資料を見せて貰ったり、ヘルパーや通所施設の職員が日々その人を観察する中で、大事にしているものを見つけていってまとめていきます。

それらがひとつにまとまっていくと、その人が毎日何をするのが幸せなのか、残りの人生をどう生きたいのかが、少し見えてくるのではないか、ということです。

デイサービスではこういう人、家ではこういう人、家族の前ではこうだし、夜はこうだけど昼はこうで・・・と切り分けてしまうのではなく、その人の生活、その人の人生を全体でひとつのものとして把握していくのです。

とても素敵なことですよね。

私の母が入院した時、看護師さんから子ども扱いをされて、本人も娘の私もショックでした。
でももし、関わる皆が母の人生全体を知っていたら、知ろうとしていたら、そうはならなかったかなと。


だけど、時間がかかるんです。

テレビでは、「普通のケアマネジメントの何十倍も時間がかかると思います」とさらっと言っていました。

とっても大事なことだと思います。
従事者だって一人ひとりと向き合いたいと思っているんだから、そんないい機会があったら嬉しいはずです。

でも時間がないですよね?

特に4月に介護保険が改正されて自立支援法になって、現場はヨレヨレですよね?

センター方式は素晴らしいです。
でも誰が実際にやってくれるのかしら??

地域包括支援センターでやるんでしょうか?

従来どおりのヘルパーの派遣をやっていても、赤字にならずにやっていくのは大変みたいです。
センター方式でやっても普通のケアマネジメントをしても、収入が変わらなかったら、センター方式でやれる事業所って少ないんじゃないでしょうか。

実際に試みている方はいらっしゃいますか?
どの辺が良くて、どの辺が大変でしょうか。

たとえば、自治体が補助をする、なんてことはあるんでしょうか。
そして、やるべきなんでしょうか。


そういうことを検討している団体ってありますか?


せっかくできた良いものを、ただの素敵な絵にするのではなく、実際に活用するためにはどうしたらいいんだろうか、と思っているところです。

3件のコメント

[C10]

センター方式という言葉は初めて聞きましたが、確かに素晴らしいですね。
でも、時間がかかることも納得。
時間と手間がかかるってことは
つまりはその人と向き合う時間が増えるということ。
本来、その人のお世話をしたり
深く関わるということは
その人の人生に向き合うということなのに、なかなか時間と労力が足りなくて
難しい現状も分かります。
でも、みんなきっと自分がケアされるときには
こういう風に自分と向き合ってケアして欲しいと思うはず。
若い時には実感わかないけれど。
それをいかにして若い世代に伝えるか
今の現状を理解してもらうか
というのも大きな課題ではないでしょうか。
福祉の世界の問題は
将来必ず誰にでも降りかかる大きな問題なのに
どういうわけか興味を持たない人が多いですよね。
わかりやすくこういう話をもっと広められたらいいのになあ。
こんなに素敵な方法があるのに
多くの人に知られずにいるのはもったいない気がします。
  • 2006-06-11
  • 投稿者 : YOGO
  • URL
  • 編集

[C11] YOGO様

お返事が遅くなってごめんなさいi-240
人間って、どうしても目の前にあることに追われてしまうんじゃないかなあと思うのです。
特に、この前の4月に高齢者も障害者も制度が改正されてかなり厳しくなったし、改正で事務作業が煩雑になったりして、福祉の世界で働いてる人は大変なことになってます。
そういう状態で、「センター方式があります」と言われて「やろう」と思える人がどれだけいるのか、怪しいなあと思うのです。
「だって忙しいんだもん」「お金がどこから出るの?」「制度の中でどう位置づけられるの?」という風に受け止めてしまう人もいると思います。
一方、なんとか一人ひとりのことを考えていきたいという理想を持っている人は、現実の制度との狭間で燃え尽きてしまう可能性も…。
福祉の仕事をしている人も、人間ですから…
「なんでせっかく良いものがあるのに使わないの?質が低いのかな」と、現場を責めていてはどうしようもないわけで。そういうところに思いを馳せる余裕がなくなっているシステムをどう変えていけるのか、考えなくてはいけないと思います。
それからYOGOさんの言うようになぜ一般の人がそういうことを知らないのか、知ろうとしないのか、ということもありますね。
それは、難しい…。幸せに生きるために試行錯誤するのは誰もがやっていることなんだけどね。その試行錯誤の過程が福祉だと思うんだけれどね。
  • 2006-06-15
  • 投稿者 : 桜子
  • URL
  • 編集

[C12]

「センター方式」の由来、person-centered、client-centeredといったところからきているのかなと私は思っていました。
勉強になりました。
こちらも医療・福祉に関するブログつくりました。遊びに来てください。

  • 2006-06-23
  • 投稿者 : helper_nakatsuka
  • URL
  • 編集

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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