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猫との出会いと別れから思うこと

私は今、週4日は福祉系のNPOで働きながら、残りの日を練馬の活動に充てています。
人と会えるのはやはり昼間の方が会いやすいですから、なかなか思うようにはかどらない部分もあります。
そこで、今度から、週に1度はNPOの仕事を午後からのスタートにしてもらって(その分夜遅くまで働きますが)、午前中は地域の活動に充てさせてもらうことにしました。

今日は、その体制を試してみた、初日でした。

朝、石神井公園駅で挨拶をした後、大泉に戻り、地域の皆さんに挨拶をさせていただきました。

そして午後からNPOに出勤。

夜遅くまで仕事をして、同僚と夕食を食べて帰途につきました。

大泉の私の事務所に寄ってから帰ろうと歩いていると、道の真中に ぽつねん と影が。

猫がひょこりと座っていました。

ちょうど車のタイヤに轢かれる位置に。

一足も早く近寄らないと、多分轢かれるだろうと思い、私は急ぎ足に。

「どうしたの?」と声をかけてみたけど、猫は ぽやー っとした顔をしています。

どこかケガをしているんだろうか、と暗闇の中で手探ってみたけど、どうやら問題はない様子。首輪をつけています。

「ここにいると危ないよ、端に寄ろう」と体をちょっと押しても、一向に動こうとしない。
仕方なく、抱っこをすると、かなり軽い。

私も3月まで猫を飼っていて、老衰で死んでしまったのですけれど、その子の死に際と同じ軽さをしている。

私の猫は体調を崩した後もかなりねばっていたのですが、それでも3ヶ月ほどで力尽きました。

今日会ったこの子も、長くても1,2ヶ月かな、と思いつつ。

1晩でも、事務所に連れて帰って一緒に過ごすという方法もあるかもしれない、と考えました。

だけど、猫の多くは、見知らぬ人に警戒を示す。この子は今弱っているから私に抱かれたけれど、本当は嫌かもしれない。連れて帰って最期を一緒に過ごすことが、本当にこの子にとっての幸せだろうか・・・・などなど、ごにょごにょと色々考えました。

とにかく、道の脇の、植え込みの中の寝やすい場所に猫を置く。
よしよし、と撫でていると、なんとかそこに横たわった。

多分、それ以上触って欲しくはないだろうと思いました。

「そこで寝ているんだよ」と言って、私は事務所に向かいました。

連れて帰ったほうが良いか、いやそれはやっぱり良くないか…と頭の中は堂々巡りをしつつ。とにかく事務所から自宅に帰るときにはもう一度様子を見ていこうと。

夜も遅かったので、事務所にいたのはものの5分程度でしょうか。
再び猫のいた道へ向かいました。


猫は、車道で死んでいました。
轢かれたようです。

再び車道に出てきてしまったのですね。



人との関わりの中でもそうですが・・・
何が相手の幸せなのか。
関わる中でいつも悩みます。
私が良かれと思ってすることが、本当に相手の望むことなのか。

関わったすべての人との関係―「もしあの時こうしていれば、あの人はもう少しは幸せに生活できたのではないか」…私はいつも、そうやって、自分の力不足を責めています。

今日会った猫…あの時私が事務所に連れて帰っていれば、車には轢かれなかった。
首輪をしていたのだから、どこかで飼い主が、今も探しているかもしれない。

もっとできることがあったのではないだろうか。
でも、事務所に来ていたとして、あの子は幸せだったんだろうか。

なぜ、弱った体でどうしても車道に座っていようとしたのだろう。それがもし、あの子の意志だとしたら、車に轢かれたことが「不幸なことだ」と言い切れるだろうか。

それがあの子の意志だったんだと、思わないと、いられないですね。


「福祉」とは、「幸せ」のことだと、私は思っています。だけど、「幸せ」の定義は何でしょうか。
答えは人それぞれなのでしょう。

だけど、それでもやはり私は、すべての人との関わりを、いつも自分に問い直しています。

小学校のときのあの友達に、あの時もっとこうしていれば良かったのではないか。
家族に対して、あの時もっとこういうかかわり方をした方が良かったのではないか・・・・・いくら問い直しても答えが見つかることはないかもしれない。でも問い直し続けながら新しい人間関係を築いていくことで、一人でも多くの人が、「ふだんのくらしのしあわせ」を見つけることができるように…最期の瞬間まで穏やかな気持ちでいられるように。―ほとんど不安に近い感覚で、一人でも多くの人が幸せになることを願っています。

多くの人との関係の問い直しの中に、今日会った猫との関係も、今後は含まれていくと思います。


考えようによっては、あと数分、私が通る時間がずれていれば、あの猫に会うことはなかったかもしれない。


「たった一瞬でも、生きている時間を共有できたことを、私はずっと覚えている。」

せめてそのことを、あの猫には伝えたいです。



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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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