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前回の続き

大学院の授業で、パットナムという人の、「孤独なボウリング」という本を読んでいます。

600ページを越す、枕としても活用できそうな分厚い本です・・・(^^;

社会の中の人と人のつながりには、いろんなものがありますね。町会に加入することや、職場の団体に加入すること。政治の集会に参加すること。ボランティア活動をすること。などなど。

そんな諸々の活動の参加率が下がっていて、「人と人のつながり」が減っているといわれているけれど、それはなんで起きてしまったんだろう、ということを、いろんなデータを使いながら追っていく本です。

はじめ、若干、本の分厚さに困惑しましたが、でもタイトルに惹かれて、この授業をとりました。

「孤独なボウリング」。ボウリングは、あのボウリングです。玉を転がすやつ。

日本よりもアメリカの方が文化として、ボウリングは社交として使われていたという背景もあるようですが、でもそのアメリカのボウリングも、今は社交としてのつながりが薄れてしまっている。同じ場所でボウリングをしていても、それが人と人のつながりには発展しないで、それぞれ、めいめいに一人ぼっちでボウリングをしているような状態。
社会全体が「一人ぼっちでボウリングをしている」ような状態になっているのではないか・・・そんな意味のタイトルなんだそうで。

これは、前回のブログで私が「カラオケボックス」と挙げたのと同じような事例なんではないかなと思います。
同じ空間にいるのに、一人ぼっち。


それで、その状況が起きたのはなんでだろうか、とずーっと追っていくのを、ようやく半分くらいまで読んだんですけど、その中で、一つの理由としてテレビの存在を挙げている章を読んで、その中に、なるほどそうかもしれないなあと思う言葉が出てきました。

すべての他者の問題が、切迫度の点でほぼ等しく見えれば(中略)「一番目」たる自分自身のことに目が向く人が多くなるのは驚くべきことではない。

それで前回のブログと同じ話になりますが、毎日毎日私達はテレビでたくさんの辛い問題を目にしますね。どれも深刻で辛い話。重い話。でもその量があまりに膨大すぎてどうして良いか分からなくなる。
そうなったときに、何を最優先にするかというと、一番身近な自分自身となってしまうのかもしれない。
知らない人の辛い問題がいっぱいあってどうして良いか分からなくなったら、自分自身の問題だけに目が向いていってしまうのかもしれない。

貧困のような問題についてのテレビ報道が広まることによって、視聴者はそのような問題の原因を、社会的欠陥よりもむしろ個人に帰属するようになり、それを解決するための自分自身の責任を転嫁する

一時期さかんに「自己責任」という言葉が言われた時がありましたね。
目の前にいるAさんのことだけでなく、それが社会全体の問題だと分かるという意味では、メディアの果たす役割は大きいはずだけど、あまりに問題が広がってしまうと、やはりどうして良いか分からなくなる。そうなったときに、社会全体の問題としてではなくて「自己責任」とすることで、自分の心が少し楽になる・・・そんな部分があるのかもしれないと、パットナムさんに教えられたのでした。

パットナムさんの説に「ははぁ!!」と思いながらイヤホンで中島みゆきの歌を聞いていたら、なんか似たような話が出てきたので、2日連続で書いてみました。

※かとうぎ桜子を育てる会のホームページはこちら

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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