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路上生活者の問題

6月に、「あしがらさん」の上映会をやりましたが、そのときにシンポジウム出演者になってもらった北村年子さん、清野賢司さん、飯田基晴さん等を中心として、「ホームレス問題の授業づくりネット」というのがあります。

11月24日に、そのセミナーがありました。

行ってみたら、とっても偶然に福祉関係の友人がいたり、私を山谷に連れて行ってくれた大学院の先生(「あなたは当事者ではない」とういう本の講義をしてくれた先生)に再会したりしました。
いや~、偶然ってこともあるもんだなあとしみじみ思いましたが、考えてみれば興味関心が似ている人と仲良くなるんだから自然なことなのかな・・・(^^;

セミナーは11時前からはじまり、17時過ぎまででした。
学校で実際に子ども達に路上生活者の問題を教えている方たちが、模擬授業をやるような感じ。

当事者の方のお話を聞いたり。
路上生活者が「家」を作りそうな場所にわざとものを置くような形で排除をしている場所がある(新宿駅から都庁に続く「動く歩道」も、あそこに人が住まないために作られたといわれていますね)んですが、そういう写真を見てグループで話し合ったり。
もし路上生活者の保護をする施設が自分の家の近くに作られたら・・・という設定でロールプレイをしてみたり。
若者が路上生活者を襲撃してしまう時、どんな理由があるのかということを考えてみたり。

多分、本当は一日ではまとめられないような内容を詰め込んだんだと思いますが、あまりに盛りだくさんで最後の頃には私は動悸息切れがしてきましたが・・・

私にとってひとつ発見だったのは、私とは反対の立場の意見を持つ人の言うことが、私にもそれなりに結構理解できていた気がしたことでした。

たとえばロールプレイの時に、私は、保護施設反対の住民役をやってみました。
同じグループでロールプレイをやった人は学生さんが多くて、それぞれ「行政役」、「当事者役」をやっていたのです。
私としては大泉学園に練馬寮という施設ができたときに近隣の皆さんが言っていた意見をそのまま言葉に出してみたら、「行政役」や「当事者役」がどんな風に言うのかなあと思ったのです。
練馬寮のときに一番大きかった意見は、近隣の子どもが心配だと言うことでしたね。
それを、このロールプレイでは私が言うわけ。
これが、スラスラと出てくるわけです(^^;
そうすると「行政役」の学生さんは困ってしまった様子で、「近くに施設があることが人権教育になる」などなど、これまた実際の行政と同じようなことを言うわけです。
うーん、そりゃあ一般論としては理解できるけれど、個別の「私の問題」に対する解決にはならないじゃないか、と住民としては感じてしまう。なんか不満だな、と考えているところに最後には、「ご理解ください」と来るわけだ。ふん、なにをどう理解しろって言うんだ、という気分になってしまいますねえ・・・。

学生さんは多分、実際に施設建設の話し合いを見に行った経験があるわけではないと思うのだけれど、でも実際の行政とまるで同じような説明のしかたになるというのも、これまたとっても興味深い。

「当事者役」の言い分、というのも面白かったけれども、でも実際の説明会の場面で当事者の声が出ることってあるかなあ・・・。

練馬寮の時も、住民VS行政みたいになっていて当事者の姿が見えないことが気になっていましたが、でも対立状態にある段階で当事者が登場する難しさも感じますね。


他には、「若者はなぜ襲撃をするのか」を考えたのも興味深いことでした。
私も10代の頃からずっと路上生活者のことに理解があったわけではなくて、20代になって「なんだか存在が気になる」と思うようになったところから心の窓が開いたので、「存在が理解できない」という感覚に立ってものを考えてみることもできるような気がした。

小さい頃から私達は大人に、「努力をしなさい、そうじゃないと大人になって後悔するよ。そして努力は必ず報われる。努力をしないと自分が苦しむ」と教えられているわけですよね。
「努力をしたからあなたは偉い」というように、一定の条件をクリアしなければ存在価値が認められない、誰からも愛されないのではないかというような不安を覚えることもある。
そんな自らの不安のなかで、路上生活者を見ると、「この人が大変そうなのはこの人が努力をしなかったせいに違いない。努力をしなかったから価値がない人なんだ」という心の整理をしていってしまうのかもしれない。

・・・そんな、路上生活者に対するネガティブな見方、結果的に襲撃を容認してしまっている社会のあり方の側に立つつもりで眺めてみると改めて、「じゃあその壁を取り除くにはなにができるんだろうか・・・」という問いが生まれ、その場でたちすくむ思いがします。

※かとうぎ桜子を育てる会のHPはこちら

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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