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いきいき健康券―定額給付券?

練馬区は平成19年度、20年度に「いきいき健康券」というのをやっています。

65歳以上の高齢者が、銭湯や理美容、区立体育館やプール、区内の映画館の利用ができる3千円相当の券をもらえるというもの。

私は平成19年4月の選挙で当選したので、この事業開始の審査には直接関わっていませんが、平成19年2月あたりの議会の議事録を見てみると、「“元気高齢者”がさらにいきいき地域に参加するための支援を目的にしている」というようなことが言われている。

うーん・・・。
しかしどうも、この「いきいき健康券」の名を聞くたびに、私の胸には、妙なモヤモヤが生まれます。

うーん・・・。


「元気ならば介護保険サービスは使わないということで、介護保険料を支払うことに不公平感を感じる人がいるから、元気な高齢者への支援も必要」という理屈があります。
しかし、保険制度はそもそも、「困ったときの安心」のためにあるものでしょう。介護保険は、「介護が必要になったときにも社会全体で支えあう」ために作られたものなのですから、そこの納得が得られていないならば、保険制度そのものについて、区民の皆さんと合意形成を図るところから始めないといけないはずです。そこを飛ばして、「じゃあ、元気な高齢者にも利益を」というのは、どうも釈然としない。

それから、介護が必要でない高齢者の施策は色々あるし、これをもっと使いやすいように工夫することが先決であるようにも思います。
例えば、介護保険制度の中の地域支援事業というのを上手に活用すれば、一般高齢者向けの施策を展開することもできる。
敬老館や高齢者センター、地域包括支援センターなど、介護を必要としない高齢者の支援をすべき組織も区内にはある。
それらをきちんとつなげて、計画的、体系的に区内高齢者全般に対する支援を考えるべきだと私は思います。

こんな工夫は、そうお金をかけずに、少し人手を多く割くだけでも随分効果があるように思いますが、一方「いきいき健康券」には年間3億円近い予算がつけられている。

ちなみに、保育園を1園委託することで得られる年間の財政効果は4千万円といわれています。

そんな、私にとっては「??」と感じる「いきいき健康券」ですが、当初、2年の事業としてはじめましたから、今、「今後継続すべきか否か」を決める時期になっていまして、私の所属する医療・高齢者等特別委員会で先日議論がありました。

この券を利用した多くの方が「ぜひ継続して欲しい」と答えているというアンケートがある、という資料が出てきまして。

ふーむ、なるほどー・・・。

しかし、私は、6月に一般質問の準備をしていて、子育てに関するニーズ調査の中にへんてこなアンケートの質問を見つけて以来、アンケートは注意深く見ないといけないなあと思ってるもんですから。

資料では、アンケートの一部を抜き取る形で報告がされていたので、「これだけでは全体が分からないから、アンケートの全文の資料をください」とお願いしました。

で、委員会の後に個別に資料をいただいたんですが。

それを眺めてみると、たしかに、多くの方は「満足した」と答えている。
でも、その他に「自由意見」というのが記入されている。

その中には、「財源に余裕があるなら継続してほしいけど、そうじゃないならカットを」という意見や、「一度きりもらったって“いきいき”なんかできない。それならば保険料を下げて欲しい」というような意見、「生活保護や、医療、教育など、緊急を要すること、困っている人がいる部分にお金を使って欲しい」等々の意見が記載されていました。

利用されていた方の中にも、こんな意見が出てくる「券」なわけですね。

それから、この券の目的が「高齢者がいきいきできること」であるならば、「この券を一回だけ使って終わり」ではなくて、「この券をきっかけに外出の回数が増えたということや新たな趣味・友人を見つけた」というようなことがこの事業の成果であるように思いますけれども、そういった調査はどうやらしていないらしい。つまり評価の指標としては、「利用した人が喜んでくれたかどうか」しかないみたい。


うーん・・・この議論、なにかに似てると思いませんか?

今、話題の「定額給付金」の是非の議論に、とても似ているように、私は感じたんですけれど。

ただ、平成19年2月の議会の議論を見ていると、「いきいき健康券は、金券・商品券という性質のものではないので、現金給付ではない」という趣旨の答弁があるので、それを尊重するならば、「定額給付」ではなくて「定額給付」ですかね。


一方で練馬区では、特別養護老人ホームの待機者が2400人近いことや、病床の不足が喫緊の課題になっています。これらを解決するためには、たくさんの財源が必要になるはずです。

なにを重視すべきか、取捨選択が必要なように思います。

ましてや、今の社会状況の中で、区の財政も様々な部分で厳しいところもあるのです。なにに支出をすべきかは、慎重に見極めるべきだと思います。

この事業の継続を願う陳情が議会に出ていたのですが、今定例会の委員会でこの陳情に結論を出しました。
私は、上記のような理由で、今の段階で拙速に結論を出すべきではないと考えて、「陳情の不採択」という立場をとりました。
委員13人のうち3人だけが反対(13人の委員は自民・公明・民主・共産・生活者ネット・社民・市民ふくし(私)という7つの会派に分かれていますが、そのうち3会派が反対)だったので、委員会全体としては「採択」という方向になっています。

しかし、高齢者施策のあり方として、来年度予算のあり方として、検討すべき点がたくさん残されていると私は思っています。

※かとうぎ桜子を育てる会のHPはこちら

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  • 2008-12-07
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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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