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ALS/MND国際シンポジウム
私が現在働いているNPOは、ALSという神経難病の方の支援を中心とした活動をしています。
私も、都内で生活するALSの患者さんのお宅に伺ってヘルパーの仕事をしています。
ALSは、だんだんに体が動かなくなってしまう病気です。私が支援している方もそうですが、気管切開をして人工呼吸器をつけて生活している方もたくさんいらっしゃいます。コミュニケーションは、まばたきでの合図や50音の書いた「文字盤」を目で追うこと、センサーを使ったパソコンの使用等です。
気管切開をして人工呼吸器をつけて生活をしていらっしゃる方は、痰の吸引が必要となるため、24時間の見守りが必要になります。家族だけではかなりの負担になる。だから、在宅で生活を続けている人工呼吸器の使用者のために、24時間の支援体制を確立するべき、というのが私の働くNPOの考えです。
ALSの方や神経難病の方のための国際シンポジウムが毎年開かれているのですが、今年は横浜でありました。(ALS/MND国際シンポジウム)
私のNPOも調査研究を行い、このシンポジウムで発表しました。
東京都23区内で、神経難病により人工呼吸器をつけている方を支援している事業所を探す。(事業所リストをもとに電話をかけて。)
対象者がいる事業所にお願いしてアンケートをやってもらう。
約1000ある障害者対象のヘルパー事業所にこつこつと電話をかける作業を、私もこの春からずっとやっていました。
実際にお邪魔してお話を伺った事業所もいくつか。
現在の国の制度ではうまく行かない部分を補うためにボランティアを養成するためのNPOを立ち上げようとしている団体、障害者支援はヘルパーだけでは足りない、とグループホームを立ち上げようとしている団体のお話も伺いました。
制度にとらわれずに本当にニーズに対応しようと工夫している団体の方の顔は輝いています。そんな方のお話を聞くと、元気をもらうことができました。
でもまだまだ、細かなニーズに対応できる事業所の数は少ない。当事者の方も、自分らしい生活を確立できている人は少ない。
それが、調査をする中での私の実感でした。
必要な人が必ず使うことができるように制度を充実させることが必要です。
ただ、一方で、「制度だけじゃとても支えきれない」とボランティア養成を考えている団体というのも、ヒントになると思いました。
私がお話を聞いた団体は、ターミナルの患者さんのための話し相手や、亡くなったあとのご遺体のケアやご遺族のメンタルケアの部分をより充実させていくために、ボランティアさんとのネットワーク作りをしたいという話でした。
生活を継続させる上で必要な最低限のことは当然制度で補うべきだと思いますが、必要最低限のみではなくてプラスアルファの何かがあるから人の生活は潤ったり楽しかったりするのでしょう。プラスアルファの部分の工夫も必要になってくると思います。
そんなことを考えつつ、まとめた調査の発表をしたのが、11月29日でした。
場所はパシフィコ横浜。
他にも、人の手を使わずに定期的に機械が吸引してくれる装置を開発している方や先駆的な試みをしている施設の報告、難病の方の性の問題に取り組んでいる人などの発表もありました。
当事者の方も数多く来ていらっしゃいました。
私は参加できなかったのですが、29日の夜には、日本ALS協会の20周年記念の会もあったということで、翌朝のNHKのニュースでも取り上げられていました。日本ALS協会は、今よりもっと支援が足りずに困っていた時代から活動を続けている団体です。当事者の方が会長をしていらっしゃる。
いくつかの新聞では当事者の方についての記事も載っていました。
地道に一歩ずつ頑張る当事者の方やその活動を、きちんと取り上げようとしているマスコミの人がいるということにも、ちょっと感動したのでした。
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