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修士論文③ 横浜の事例

★風邪をひきました・・・

月曜日の朝の駅頭でのレポート配布時が思いのほか寒かったせいか、あるいは先週末に会った友達の風邪がうつったのか。。
微熱がある程度だったのですが、激しく動くと頭がぐらぐらするので、能舞台の人のようにしずしずと移動する今日この頃です。

まあでもなんとか無事、予算の質問も終わりました。良かった良かった。

★さて、修士論文の話の3回目です。(保育園民営化の論文を書きましたもので。ちなみに無事、大学院を卒業できそうです。)

横浜の例をご紹介します。

横浜は2003年に4園の保育園民営化計画を発表しました。理由は練馬と同じ、保育ニーズの多様化に対応するためということです。横浜市立保育園では主食を出していなかったので、民営化したら出すようにしますということもあったようです。市立でも出せば良いのに・・・という感じですが。

練馬と同様に、保育園の保護者は、保育園がいったいどうなっていくのか不安に感じてやりとりを続けたのですが、横浜が練馬よりも露骨にひどかったのは、たとえば市が保育園に関するチラシを作って、その中に「保護者がいたずらに混乱を生んでいる」と書いて配ったり。
それから、ちょくちょくメディアに出る市長だったから、インタビューに答えて、「保育士が入れ替わってしまうのは子どもにとって精神的負担が大きいという指摘は、大人が反対するためにする議論だ」という趣旨の発言をしたりしていました。

保護者を悪者に仕立てて民営化を進めようとするなんて、いったい誰のための何のための計画なんだか。

いたずらに混乱を生んでいるのは誰なのか。「ためにする議論」をしているのは誰なのか―その言葉、そのままあなたにお返ししますと、横浜前市長に言ってさしあげたいと、私は思います。

ここまで露骨に不愉快なやり方をしているのを見ると、これに比べりゃ練馬区長は良い人なのではないかと思えてくるという、恐るべきイリュージョンが私の頭の中で一瞬起こりました(^^;

まあでも冷静に考えれば、練馬区長本人の口からはここまでひどいことは言っていないけれど、それに近いことが課長なり部長なり本部長なりの口から言われているので、同じようなものかな・・・いや、自分で言わずに部下にいわせるほうが卑怯かな・・・まあ、どんぐりの背比べですね。



横浜では保護者に理解を得るどころか、保護者を敵とみなすような対応を続けたのだから、当然、信頼関係も生まれず、混乱したまま引継ぎがなされ、民営化をした途端に子どもが怪我をする事故が起きたりもしました。


それでも、受けた法人の中でとにかく必死で保護者の不安や今までの不満に耳を傾けた園は比較的落ち着いて運営できたようです。

たとえば、ある園の例。
民営化して主食の提供をするようになったときに、その分の費用を新たに徴収することになる。その額はどうするのか。ひとり親の家庭など、新たな負担がきつい家もある。
「じゃあ、負担できる家庭には負担してもらって保育園が主食を提供するけれど、負担できない家庭は従来と同じように家からごはんを持参するようにしましょう」と決めたらしい。
だけど子ども達は持参の子を見て「なんでAちゃんはみんなと違うの?」と思うから、自然と差別してしまうようになる。
これは大変なことだから、家庭の環境が保育園での子ども達の生活に影響を及ぼさないように、「みんなに同様に提供しよう」と法人が決断をしたようです。
子どもが育つ場を保障するために、法人は身を削って努力していたようなのです。

これは一例ですが、ここに至るまでの行政と保護者の確執を乗り越えていい保育を築きなおすために、法人がものすごく苦労をしたということのあらわれだと思います。
たとえば上の例で言えば、民営化云々の前の問題として、主食の提供はどうするのか、その負担は誰がするのかという整理は行政がやっておくべきことだったでしょう。

もしその法人が、公立からの移管ではなくて、新設される保育園を新たに運営するというだけだったら、こんな大変な苦労はせずに済んだだろうと思います。
新設だったら別に、当時の横浜市長が放った心無い言葉による傷をかぶる必要なんかなかったんだから。

保育園民営化を強引に進めることは、子どもにも保護者にも現場の保育士にも、受託をする法人にも、ついで(?)にその交渉をする行政職員にも辛いことばかりで、なんのメリットもない。言いだしっぺの首長の自己満足にしかならないという事例のご紹介でした。(←またイライラしてきてきつい言葉を・・・


前回と今回のブログでは、読んでいる皆さんも嫌な気分になるであろう、2つの事例をご紹介しましたが、次からは少し違う展開を見せた事例を2つご紹介したいと思います。嫌な気分になる話じゃないのでご安心ください(^^;


※かとうぎ桜子のHPはこちら

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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