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八千代市の保育園/修士論文の報告④葛飾の事例
★3月3,4日くらいの新聞などの報道で、千葉県八千代市の保育園で保育士により、1歳の子どもの口にガムテープを貼るなど虐待を疑われる行為があったことが書かれています。内部からの通報だったとか。
ここは、2007年に民営化された保育園であるとのこと。
しかし一方で、この保育士自身は「やっていない」と言っているそうです。
何が真実かは今後の検証が必要だと思いますが、いずれにしても保育園内が混乱しているのは事実でしょう。
本当に虐待があったとしても、ないものをあると言っているのだとしても、いずれにしても保育士の心が窮屈になっているのだろうと想像します。
保育士の資格を取るための勉強をしているときには、誰もが子どもと関わる楽しい仕事を夢見ていたはず。それがこんな事態を招いたのはなぜなのか。当然、現場の責任ではなく、管理をする側の問題だと思います。
多かれ少なかれ同様の混乱が起きているのが今の保育の現場ではないかと思いますし、だからこそ今後の経過をしっかり見ていかないといけないなと思います。
★さて、修士論文の話。葛飾の例を紹介します。
葛飾は2002年から民営化の検討が始まりましたが、当初、かなり混乱したこともあって一度撤回し、2005年頃から再び検討が始まりました。
不安に思った保護者が議会に請願を出しているのですが、葛飾が他の自治体と違うのは、議会の中で一番多数派を占めていた会派の議員さん―他の自治体だったらどちらかといえばどんどん民営化を進めるべきだといっているような立場の人がしっかりと保護者の声に耳を傾けて、少しでもベターな方向になるように力を注いだことでした。
この議員さんの所管委員会での発言を引用します。カッコ内の注釈は私が入れました。
まず、今の話(課長の説明)の中で、(民営化が)お子様に影響がいくというふうな言い方をしたのだけれども、「お子様に影響」ではなく、「子どもの最善の利益を実現する」ことが、僕は目的だと思うのだよね。だから、その「お子様の影響」という言い方は、ちょっと僕、あなた担当課長として腑に落ちないのだけれども、もう一度言っていただけます。民営化に向かって円滑に情報を公開していきますと。お子様に影響がいかないようにって、お子様に影響がいくというようなことを、あなたは保育の行政を考えているの。違うのではないかな。
この議員さんがかなり力を入れて質問するようになってから、保育園民営化の状況はかなり変わってきます。
・まず、当初行政は「作らない」といっていたガイドラインを作ることになった
・ガイドラインの一番頭に「子どものことを最優先に」という文面が来た
・近県の社会福祉法人に限定した
・法人選定の審査項目に保護者の意見を反映させることになった
・応募事業者の提案内容等を保護者に示し、保護者の意見を選定委員会に報告することになった
・事業者との引継ぎの計画は保護者と区で話し合うと取り決めた
などが決まりました。
それから、選定委員会のメンバーに保護者が入ることができ、入らない場合も議事録を公開するという方法で透明性をはかるということが行われています。
これらのことは当たり前のことのようでありながら、「応募してきた事業者の負担になるから」という理由で他の自治体では行なわれていないことが多いのです。
他の自治体ではかなり高いハードルをひょいと乗り越えた葛飾の事例でした。
さて、葛飾ではなぜハードルを乗り越えられたのでしょうか。これは、次回報告する文京の事例を見た後に検証したいと思います。
※かとうぎ桜子のHPはこちら
ここは、2007年に民営化された保育園であるとのこと。
しかし一方で、この保育士自身は「やっていない」と言っているそうです。
何が真実かは今後の検証が必要だと思いますが、いずれにしても保育園内が混乱しているのは事実でしょう。
本当に虐待があったとしても、ないものをあると言っているのだとしても、いずれにしても保育士の心が窮屈になっているのだろうと想像します。
保育士の資格を取るための勉強をしているときには、誰もが子どもと関わる楽しい仕事を夢見ていたはず。それがこんな事態を招いたのはなぜなのか。当然、現場の責任ではなく、管理をする側の問題だと思います。
多かれ少なかれ同様の混乱が起きているのが今の保育の現場ではないかと思いますし、だからこそ今後の経過をしっかり見ていかないといけないなと思います。
★さて、修士論文の話。葛飾の例を紹介します。
葛飾は2002年から民営化の検討が始まりましたが、当初、かなり混乱したこともあって一度撤回し、2005年頃から再び検討が始まりました。
不安に思った保護者が議会に請願を出しているのですが、葛飾が他の自治体と違うのは、議会の中で一番多数派を占めていた会派の議員さん―他の自治体だったらどちらかといえばどんどん民営化を進めるべきだといっているような立場の人がしっかりと保護者の声に耳を傾けて、少しでもベターな方向になるように力を注いだことでした。
この議員さんの所管委員会での発言を引用します。カッコ内の注釈は私が入れました。
まず、今の話(課長の説明)の中で、(民営化が)お子様に影響がいくというふうな言い方をしたのだけれども、「お子様に影響」ではなく、「子どもの最善の利益を実現する」ことが、僕は目的だと思うのだよね。だから、その「お子様の影響」という言い方は、ちょっと僕、あなた担当課長として腑に落ちないのだけれども、もう一度言っていただけます。民営化に向かって円滑に情報を公開していきますと。お子様に影響がいかないようにって、お子様に影響がいくというようなことを、あなたは保育の行政を考えているの。違うのではないかな。
この議員さんがかなり力を入れて質問するようになってから、保育園民営化の状況はかなり変わってきます。
・まず、当初行政は「作らない」といっていたガイドラインを作ることになった
・ガイドラインの一番頭に「子どものことを最優先に」という文面が来た
・近県の社会福祉法人に限定した
・法人選定の審査項目に保護者の意見を反映させることになった
・応募事業者の提案内容等を保護者に示し、保護者の意見を選定委員会に報告することになった
・事業者との引継ぎの計画は保護者と区で話し合うと取り決めた
などが決まりました。
それから、選定委員会のメンバーに保護者が入ることができ、入らない場合も議事録を公開するという方法で透明性をはかるということが行われています。
これらのことは当たり前のことのようでありながら、「応募してきた事業者の負担になるから」という理由で他の自治体では行なわれていないことが多いのです。
他の自治体ではかなり高いハードルをひょいと乗り越えた葛飾の事例でした。
さて、葛飾ではなぜハードルを乗り越えられたのでしょうか。これは、次回報告する文京の事例を見た後に検証したいと思います。
※かとうぎ桜子のHPはこちら
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