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「女性の人権ってどんなこと?―一緒に考えよう、子どもの人権も・・・」

6月1日から議会が始まりました。
内容はまたおいおいご報告します。


遅くなりましたが、「女性の人権ってどんなこと?-一緒に考えよう、子どもの人権も・・・」と題した勉強会のご報告をします。

5月16日に東大泉地区区民館で企画した会です。
婦人保護施設というのは、売春防止法という法律のもとにできている施設なのですが、なかなか身近に感じる機会がないと思います。
私も、社会福祉士の学校に行っていても内容を知る機会はほとんどありませんでした。区内にある「いずみ寮」を見学させていただいて、初めてその実態をお聞きすることができたのがほんの2,3年前です。

ぜひ皆さんにもいずみ寮のスタッフ(っていうかほんとは施設長なんだけど、「施設長」という呼び名があまり好きじゃないというから、どうしたらいいかわからない・・・)である横田千代子さんに来ていただいて、お話を聞く時間を持ちました。

婦人保護施設はいろんな理由でによって自立した生活をするのが厳しい環境にある女性が入所して支援を得ながら生活をしている施設です。

この実態をどうお伝えしたらいいか・・・言葉にするのが難しいのです。文章にするのも、話をするのも、誤解を受けずに的確に伝えるのがとても難しい。

ご参加いただいた方から本を借りました。いずみ寮と同じ法人がやっている「かにた婦人の村」という施設の様子を描いた、沢木耕太郎の「棄てられた女たちのユートピア」という文章。(新潮文庫の「人の砂漠」に入っています。)

誇張も隠しだてもなく、差別も生まないとても良い文章だと思ったので、ぜひ読んでみてください。


これを紹介する以外に、どうやってお伝えしたらいいのか悩んでしまいます。

この社会で生きていると、性別にかかわりなく、とても大変な状況で生きるということがあると思います。

たとえば、何らかの障害を持っていて、しかも周りのだれも助けてくれない状況であるとか。

人間関係に失敗したり借金をしたり、何かしらの失敗をしたときに、ひとりになってしまってやり直す糸口が見つからなかったりだとか。

子どもを産んでも、周りのだれも祝福し支えてくれないということもあるかもしれない。

喜びでも悲しみでも、だれかと分かち合える状況にないというのが一番つらいことかもしれません。

前回のブログで、路上生活の人のなかに障害のある人もいて、支援につながっていないケースがあるということを書きました。それもそういうこと(「つながり」の欠如)だと思います。

そんな困難は誰でもが陥る可能性があると思います。
私たちは多くの場合、何か困ったことがあったときに、友達、家族など誰かがとても親身になってくれて抜け出すことができる場合が多いと思います。
だから逆にたまたまタイミングによっては誰も助けてくれる状況にないことだって起き得ますよね。

そんな大変な状況にあるとき、女性差別が加わるとまたさらなる困難が起きます。
性的な搾取、性暴力被害など。

たとえば、家庭で受けていた虐待から逃れるために家を飛び出してきたけれど、その後の行き場がないために性的搾取の中に身を投じていかなければならないということがあるとしたら・・・想像するだけでも悲しいですね。


そこでぶちあたるのが「性」の問題。

私たちはふだん心のどこかで、「性を売る仕事はフィクションの世界」であるように遠いものとして考えているのではないかということです。
性を売る仕事をしている人は自分とは関係のない世界の人、自分で選んでその仕事をしている人、「商品」であると。性にかかわる商売をするほうが悪いんだ、という前提でできているのが、「売春防止法」という法律でしょう。
「なぜ、売春だけが罰する対象として法律になっていて、買春は対象になっていないのか」と、横田さんもいつもおっしゃっています。
それは、売春をする女性を一人の人間として扱わず、「商品」としてしか見ていないという考えが大前提にあるのではないかと私は感じます。


しかし、改めて、「もし自分だったらどんな形で性の問題と向き合うか」を考えてみると、それは自分自身の「人格」と不可分であるように思うのです。

友達であれ恋人であれ、よほど信頼した人にしか性の話はしない。別に親しくもないおっさんから酒の席で突然性的な話をされると非常に不愉快だ。
それはなぜかというと、「私が私を大事に思う気持ち―自己肯定感」と性の問題は一緒だからだと思います。
だから、性暴力や性的虐待、性的搾取は、被害者に想像を絶する後遺症を残してしまう。

そこでもう一度、性産業に携わる人のことに思いをはせてみます。
なぜ、彼女はその仕事を選んだのか。
性を売る仕事をしている人も、生まれた時は可愛い赤ちゃんで、そしてだんだん成長し、夢を持ったり誰かを好きになったり、いろんな希望を胸に生きているふつうの一人の人間であるはずなのに、なぜ、一番大切なもののひとつであるはずの、「性」を仕事にしているのか。

それはもしかしたら、何かの理由で自分自身を大事にする気力や希望を奪われているからではないかと私は思うのです。

なぜ、自分を大事にする気力が奪われてしまうのか。それは、いろんな理由があるでしょうが、たとえば虐待、貧困、孤立、などなど、社会からの排除という要素も大きいのではないかと想像します。


そんな、なんらかの理由で自分自身を大事にする力が奪われた人たちがやむにやまれず選ぶ道を「自己責任」といってさらっと平気で搾取する世界があるのです・・・。


性を売る人に人格があることを忘れて商品のように扱う男性がいる。そうじゃない男性(もちろん女性も)もいっぱいいると思いますが、そういう場合はその世界から目をそむけるでしょう。
「あらやだ、そんな話」といって、笑い話にしたり顔をしかめたり、とにかく自分とは関係ない世界として通り過ぎていく。
でもそれは実は、目の前でとんでもない人権侵害が行われていることを、フィクションと思いこむことによって見過ごしているにすぎないのではないかと私は思います。

それを思うと、胸がかきむしられて頭がクラッとして涙が流れるような気持ちになります。

かといってどうしたらいいのか、何ができるのか、答えはまだ出ないのですが、とにかく一人でも多くの人と一緒に、女性の人権について考える時間を作りたいと思って、今回は勉強会を企画しました。

・・・これで私の書き得る精いっぱいですね。
今回は性的搾取のことだけ書きましたが、でも、とってもタブー視されていて、議会なんかでほとんど議論をされることはないけれど、身体的な性の問題と人権の問題は実は深く深くかかわっていることを私たちは認識し、社会の問題にしていかなければならないと思っています。これは、私が1期目の議員の活動だけではまだまだ解決しがたい大きな大きな課題の一つです。


今回、講師としてきてくださった横田さんもかかわっていらっしゃるイベントが今度あるそうなので以下にお知らせします。
私がやる「伝統芸能と落語の会」と同じ日なのですが、時間が違うのでかけ持つことも可能です(^^;

「性暴力禁止法をつくろうネットワーク 2周年チャリティーコンサート」
2010年6月19日(土)午後5時30分~7時30分
@お茶の水女子大学・大講堂(丸の内線茗荷谷駅より徒歩7分、有楽町線護国寺駅より徒歩8分)
【入場料】2000円(学生・支払い困難な方は1000円)
【主催】性暴力禁止法をつくろうネットワーク
第1部:当事者の語り/全国縦断キャラバンについて/活動中間報告
第2部:チャリティーコンサート(出演:シャンソン歌手・嵯峨美子)


※かとうぎ桜子のHPはこちら

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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