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近況と、6月の議会のこと

ご無沙汰しました・・・
前にも書いたかと思いますが、このところ、参議院選挙が終わった後から配る予定のチラシを作っていました。
私の1期目の活動を総括するためのものということで計画性を持って(?)作っていまして、まず「障害者政策」「子どもに関する政策」についての原稿をつくり、そして実際に障害をお持ちの方や子育て支援の活動をしている方、市民活動をしている方などを中心に原稿を見てもらっていました。

それでいただいたご意見を集約して、作り直すという作業をしていました。

6月初め頃に作った原稿とはずいぶんと中身も変えて、たぶん最初よりは見やすくなったはずのチラシが完成し、ようやく昨日、印刷を発注してほっと一息です。

いやはや、意見をいただきながら作り直すってとっても大変(><) 
パブリックコメントを受けて計画を作る人の気持ちってこんな感じかしらと思いつつ・・・。
何が大変って、いただいた意見の趣旨を自分のなかで噛み砕いて理解して、どう反映させるか考えてチラシを作り直すという、物理的な大変さです。

しかし、「福祉」とか「市民活動」という点でおおむね同じ方向性を見ているだろうと思っている人に改めて意見をいただくことで、「お、意外と違う意見だったんだ」と気付くことができたり、「ああ、私にはその視点が抜けていたんだ」と気付くことができて、物理的には大変だったけど、心の中はとても楽しかったです。

1号目のチラシは、ずーっと昔にブログでも書いたことがあった、重度障害者の在宅生活の支援について、過去にどんな課題があったのか、いまだ残っている課題は何なのか、あわせて自立支援法の問題点を書いたものにしました。
7月12日から配布予定です。

予定では、来年の統一地方選までに7,8号発行したいと思っているのですが、1号作るだけでヘロヘロなので若干心配な今日この頃です・・・。


さて、6月に開かれていた第一回定例会ではそれぞれの議員が所属する委員会などが新しく決まりました。
私は健康福祉委員会と、それから昨年度に引き続き清掃リサイクル等特別委員会に所属をすることになりました。

6月の定例会はこんなふうに、人事を決める時間がかなり多いのですが、議案ももちろんあります。


特に気になる議案だったのが、リサイクルセンター条例の改正というものでした。

練馬区には今、3か所のリサイクルセンターがあります。春日町・豊玉・関町の3か所。今後大泉にも作る予定です。
ここを拠点にして、リサイクルのこと、環境のことを区民が考える機会を作っていくというものです。
具体的には、要らなくなった家具をきれいにして売ったりとか、講座をやったりとかしているということです。


以下は私が議員になる前の出来事なので、議事録などひもときながら調べたところによると・・・

1997年に開設された関町リサイクルセンターと2002年に開設された春日町リサイクルセンター
リサイクルの問題に取り組む区民を育てるという取り組みもしてきたのでした。

それが、区立施設に指定管理者制度(それまでは公立の施設の管理は行政か公共的な法人しかできなかったのだけど、2003年の地方自治法改正によって、株式会社やNPOなども含めた民間の団体に委託できるようになったという制度)が導入されるという流れの中で、「リサイクルセンターについては、それまで関わっていたボランティアさんたちに団体を作ってもらって、指定管理を受けてもらいたい」という方向に動き出したそうです。

リサイクルに取り組んでいた人たちがみんなで話し合ってNPO法人化をして、さらに「施設管理も含めて私たちがやらなければ!」と自発的に思うに至ったのならば良いと思うのですが、当時の議会の議事録などを読むとどうやらそうではなくて、区のほうが「ぜひともやってくれ」とお願いをして団体を作ってもらって受けてもらったというような経緯があるようです。

かかわっている人たちにとってみれば、いろんな工夫をしながらリサイクルの取り組みを楽しんでいたのに、施設管理―たとえば施設を利用する区民からの苦情処理とか運営にかかる金銭の管理とか―までやるようなことになってしまったわけですね。

それで、以前のブログでも書いたことが思い出されるのですが、ボランティアというのは自発性が大事なわけです。自発性というのは「言われなくてもやるけど、言われてもやらないこと」だとものの本に書いてあったと紹介しましたが、そういう視点から考えてみると、もはや指定管理を無理やり受けてもらった時点でボランティアという形態は崩れてしまっていたといえると思います。

でもそうかといって、きちんと労働としての対価をもらって施設管理を仕事としてやっていたかというとそれとも違っていて、あくまで「有償ボランティア的」な形で、運営されていたようです。(ちなみに、かつては、事業に関わったボランティアさんがもらっていた額は時間あたり420円だったそうです。今は「どれだけ払うかは指定管理団体が決めることで、区は把握していない」と答弁していましたが・・・)

こうした過去からの経過を見てみると、どうも、区民が環境問題にかかわりたいという思いを区が安く利用しただけなのではないか、という印象を持ってしまいます。


今回の議案は直接的には、2009年に開設して直営で運営してきた豊玉リサイクルセンターに指定管理者制度を導入するための条例改正だったのですが、さらには、上記のような経過を持つリサイクルセンターを今後すべて一括して一つの団体に委託をし、一元的な管理にするというものでした。

実質的には、それぞれの地域で団体を作ってかかわっていた区民の団体は、すべてのセンターを一括して受託することは無理でしょう。
今後できる予定の大泉センターも含めて4か所を一括して受託できるだけの規模を持つ団体に任せることにするということになるのです。

今までの経過は一体何だったんだ・・・っていう感じですよね。

区が言うには、「家具の再利用事業とか講座とか、そういった事業はとてもよくやってくれていて評価しているけど、苦情処理とか会計などに課題があった。区民には今後はボランティア登録をしてもらって関わってもらうという形に変える」ということでした。

今までのとりくみに問題があったわけではなくて、今後リサイクルセンターが4か所になるし、それから今年中にオープンする予定の「資源循環推進センター」との連携を密にするためには一元的な管理にしていったほうが良いと判断しただけのことだと言います。

しかし一方で、指定管理者の状況を評価する「モニタリング評価」では、数ある区立施設の中でリサイクルセンターのみ「要改善」という低い評価にされています。

運営に関わっていた区民の方によれば、施設利用者からの苦情が合った場合には、みんなで話し合って再発防止にも取り組んできたし、大変な施設管理にもしっかり取り組んできたつもりだったのに、なぜこんな評価をされてしまうのか・・・という思いだということでした。

私はこれは、リサイクルセンターの運営に関わってきた区民の問題ではなくて、区が区民とどう向き合うかという問題を露呈しているように思うのです。

リサイクル問題にボランティアとして関わりたいと言っている人たちに無理に団体を作らせて施設管理までさせて、うまくいかなかったら自省もせずに「課題があった」と総括して今までのことをなかったことにする。

その前に、そもそも無理やり短期間で指定管理者制度に移行しようとした区が悪かったんだと反省すべきだったのではないかと思います。

こんなやり方をしていて、一方では「区民との協働」というんだから、いったい何なのか。
行政の進めたい方向にうまく乗せられることだけが「協働」であるならば、それはやはりかっこよさげに体裁を整えた「下請け」にすぎないと思います。

※かとうぎ桜子のHPはこちら

2件のコメント

[C333]

自発性というのは「言われなくてもやるけど、言われてもやらないこと」だとものの本に書いてあった・・これ、いい言葉ですね。どんな本に書いてあったのでしょう。

ほんとうに「区民との協働」も「新しい公共」も、ボランティア・市民活動を安く使おうというのでは、なんの成果も生まないばかりか、正当な労働を阻害しかねません。
  • 2010-07-04
  • 投稿者 : あいらむ
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[C334] コメントありがとうございます

あいらむさん

最近、高い頻度でコメントをお寄せくださってありがとうございます。

> 自発性というのは「言われなくてもやるけど、言われてもやらないこと」だとものの本に書いてあった・・これ、いい言葉ですね。どんな本に書いてあったのでしょう。

ボランティアコーディネーターのテキストの本です。
本のタイトルも知りたいようでしたら、個別にお伝えします。
(←なんか、議会での課長の答弁のような言い方ですが・・・e-263 
いや、実は、市民活動にかかわるものについて私が固有名をあげたら、ご迷惑をかけることもあるのではないかと思って、ブログでは一応けっこう気を使っているのです。)


> ほんとうに「区民との協働」も「新しい公共」も、ボランティア・市民活動を安く使おうというのでは、なんの成果も生まないばかりか、正当な労働を阻害しかねません。

そうですよね!私も最近、「新しい公共」という言葉が嫌だなと思って気になってました。ただのひねくれ者なのかと思っていたのですが、同じ思いの人がけっこう多いということ、たまたまこの数日ほかの人とも話が出ていて、ホッとしました(^^;

私の修士論文も一時は「新しい公共と云々」というタイトルにしようと思っていたのですが、途中で何を思ったのか、その文言ははずしたので、良かったなと思います。。

特に市民の側や研究者が言って検討していくなら(鳩山さんが発言するまではそういうものでしたよね)まあ良いとしても、政治家が言い始めると途端に胡散臭くなりますよね。「協働」もしかり。
(こうやって言いたいことが書けるから、「無所属」って良いですねえ。) 

近いうちにブログに書こうかなと思っていることでもあるのですが。
「孤独死の問題の解決のために、近隣の市民が立ちあがる」というようなエピソードが、新しい公共の事例として言われるじゃないですか。

私の知人に孤独死防止のNPOをやっている人がいるんです。その人を見ていて感じるのは、もうやむにやまれず動かざるを得ないからやっているんですよね。自分がやらなければ大変なことになってしまうから。(でも、やったとしても根絶はできないかもしれないという悩みも抱えている。)

でも、本当は公営住宅に高齢者や低所得者、障害のある人などを入れて、しかも最近は部屋を1Kとか狭くして一人暮らしの人を入れて、年齢や家族構成バランスも考えない状態にして、その後のコミュニティ形成なんかにもまったく力を入れないという、住宅政策の欠陥があるわけですよね。

住宅政策の欠陥が孤独死をさらに助長しているというのに、政治も行政もそのことを自省せずに、現状にいたたまれずに悩みながらも動いている市民活動を持ち上げて賛美して「新しい公共」と言っているのを見ると、私は一政治家としてとっても腹が立ちます。むかむか。

  • 2010-07-04
  • 投稿者 : かとうぎ桜子
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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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