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区の施設を委託した場合の労働環境について(予算の質問①)

今回のブログから何度かにわたって、予算で質問した内容を紹介します。

まず、「委託した区の施設における労働環境について」。

今、練馬区は様々な業務を民間に委託しています。
区立施設の運営を「指定管理者」という形で事業者指定し、任せているというものもたくさんあります。

業務内容については区がお願いしているものですし、区民の皆さんが見たときに、その職員が公務員なのか民間の従業員なのかは一見して分かりづらいと思います。

一方、従事者は区とではなく民間事業者と雇用関係にあるので、その労働環境の整備は民間の責任ということになります。
そこで働いている方の非正規化が大変進んでいますし、2009年に起こった受託事業者の倒産のときには、お給料が支払われないような事態も起きました。

区は、「モニタリング」という形で指定管理者の運営実績について評価をしているということ、また2010、2011年度の2年は、社会保険労務士会に委託をして、指定管理者の労務環境調査というものを行っていますが、区の仕事を任せるからには、単に事業者の責任というのではなく、区としてももっと責任を持つべきという趣旨で質問をしました。

-----------以下、質問の要約(実際の行政の答弁は「~につきましては」「~でございます」などの口調であり、文字にすると読みにくいので、そのへんは読みやすいように修正してあります。)--------

(かとうぎ桜子)
労務環境調査委託料について伺います。     
 
労務環境調査は社会保険労務士会に調査を委託して、モニタリングの中で区が活用しているものと思います。
この調査の中でどのような課題が見えているか。また区としてどうとらえて今後の対応を考えているかを、お聞かせください。

(企画課長)
モニタリング調査は、平成22(2010)年度に試行で実施しました。今年度も引き続き実施をし、来年度も行うことで予算をこのたび計上させていただいています。

平成22年度、平成23年度で労務環境調査を行った中では、おおむね各指定管理者とも労務関係の法令については守られている状況ですが、直近の法改正などになかなかすぐ対応できていないとか、書類や手続等について一部不備が見られるところもあります。

そういったものについては、各指定管理者に対して対応をお願いしまして、その対応の状況を確認したうえでモニタリングという形で評価をしています。
このような流れの中で、一定程度、労務環境についても指定管理者の中で意識も高まっていて、手続的にもより適正な手続がなされるようになってきていると認識しています。

(かとうぎ桜子) 
実際に指定管理者の事業者の方々に具体的な改善の指導を行うのは、それぞれの所管の課が行うことになると思います。
区の職員の方が働く環境と、民間の事業者で働いている方々については労働の環境に関する法令、保険など、さまざま異なる点があると思います。
民間の事業者でどうあるべきかを区として適切に把握して指導し、改善を求めていかなければいけないと思いますが、区としての問題意識の共有はどのような形で行っているのでしょうか。

(企画課長)
確かにご指摘のとおり、地方公務員の場合と、それから民間の事業所の場合とでは適用される法令等も異なるところがあります。
そういったこともございまして、専門の社会保険労務士の方に調査をご依頼しているところです。
社会保険労務士の調査の報告書のほかに、こういった資料に基づいて、参考にして手続について適正に進めてくださいとご教示をいただいているところです。
そういった資料も私どもでは参考にさせていただきながら、各所管課でそれぞれの指定管理者の事業所の規模や状況に応じた指導等を行っています。

(かとうぎ桜子)
今、公表する際にはモニタリングの総合評価の中でこの労務環境調査を踏まえた改善点が公表されているかと思いますが、調査委託をした内容がそのまま公表されているわけではないと思います。
ただ、議会としてどれだけ適切に運営されているのかを判断するためにも、より積極的に、調査の内容が明確にわかる公表をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(企画課長)
私どもで労務環境調査を行う目的は、指定管理者の方が管理をする公の施設の従事職員の方の労働条件等の法令の遵守状況を把握して、それによってより適切な施設の運営管理を行っていただくことです。

例えば一つーつの書類の不備などがあったことを明らかにすることを目的としているものではなく、あくまでも適切な施設の維持管理、区民サービスの向上に向けた適切な管理運営をしていただくために行っているものですので、そういった対応も含めて評価をするのが私どもの調査の趣旨だと思っているところです。
その指導の中身、それから対応の状況については、モニタリングの評価の中でどのような表現の仕方、記載の仕方がいいのか、引き続き検討をさせていただければと思っています。             

(かとうぎ桜子委員)
今は調査の中で、実際従事している方々にアンケートもやっていらっしやると事前にいただいた資料でお知らせいただきました。
ただ、区としては、基本的には委託・指定管理を受けた事業者が労働者の環境の改善には責任を持つことと、公契約についても国が公契約法をつくるべきということで、今までずっと整理をされてきていたわけです。これだけ指定管理や民間委託が進む中で、やはりもっと積極的に区としても、民間に任せたところで働いている方々の環境の改善により積極的に努めていただきたいと思います。

働いている方々が実際なかなか雇われているところには相談しにくいけれども、困ったことがあったときに相談ができる場を明確に確保していくことも含めて、責任を果たしていくべきではないかと思います。

ほかの自治体でも今、公契約条例をつくる取り組みが進んでいるわけですが、改めて公契約条例について、区としてのお考えを伺いたいと思います。

(経理用地課長)
公契約条例についてですが、民間企業である委託事業者の従業員の方の賃金、労働時間等の労働条件は、基本的には当該事業者の責任において整備されるものと考えていまして、またその維持向上についても事業者における労使関係を通じて実現されるものと考えています。
また、賃金や労働時間は法律で定めると憲法で規定をされておりまして、実際労働基準法、最低質金法等の法律が制定をされています。
またこういった法令を遵守されているかどうかの監督機関としまして、国において労働基準局、労働基準監督署といった捜査権を含む、強力な権限を持った監督機関を設けている状況です。 
                             
そういった現行制度の趣旨をかんがみますと、区の事業を受託しているか否かにかかわらず、民間企業に雇用される従業員の労働条件に関する事項は、基本的には地方自治体の条例ではなく法律によって定めるべきものと。また、その実効性についても国の労働保護政策によって担保されるべきものと考えているところです。そういったところから現在のところ、公契約条例の制定についての具体的な検討等は行っていないということです。

(かとうぎ桜子)
民間の責任とはいっても、区の仕事を委託、また指定管理でやっていただいているわけですから、やはり区としての責任をもっと積極的に考えていただきたいことを申し上げておきます。

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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