Entries

デートDVの調査

今、「練馬区配偶者暴力防止および被害者支援基本計画(平成24(2012)年度~平成27(2015)年度)」の素案が示されていて、今月いっぱい区民のみなさんの意見募集(パブリックコメント)を行っています。

区のホームページのこちらからご覧いただけますが、区のHPはパブリックコメントの募集期間が終わるとページそのものを削除してしまって見づらいので、念のためこちらの、私のHP上にも計画素案をアップしました。

この計画は、DV防止法の中で市区町村の計画策定が努力義務になったことを受けて、2009年に策定されたのが最初でした。3年間の計画であるため、今回、その見直しの時期になったわけです。

DVへの対応は、区の人権・男女共同参画課、男女共同参画センター、福祉事務所、都の担当課、警察、子どもがいれば子ども家庭支援センターや児童相談所、学校、などたくさんの機関が連携しながら行います。
計画の目標もこれらの連携を進めるということが中心になるのですが、「連携」のみで問題解決することによる課題として、「どこに改善すべき点があるのか」が見えづらくなるということがあると思います。

たとえば、特にDVの初期段階にある人が相談窓口に出かけて行って相談するのはとてもハードルが高いと聞きますが、上記のような複雑な連携体制であっては相談ケース全体の把握がしづらいので、この中のどこかにつながることができなければ、たとえDVがすでに起きていたとしても「なかったこと」になってしまいかねません。

DV防止法では、計画策定だけではなく、相談支援センター機能の整備も市区町村の努力義務とされていますので、その整備も視野に入れながら、困っている人を漏れなく、見落とすことなく支える体制づくりが必要だと思います。

また、被害者にとっての相談窓口の分かりやすさと同時に、加害者から被害者を守る視点、また加害者を加害行為から脱却させるための支援も進める必要があると思います。


自治体が取り組むべき課題は様々ありますが、今回の計画素案でひとつ「いいな」と思ったのは、デートDVについての調査を行っているところです。

素案の7ページからをご覧ください。

DV防止法は正式名称を「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」といい、対象は結婚・事実婚・離婚後のパートナーからの暴力です。恋人からの暴力は対象となりません。

ただ、恋人からの暴力(デートDV)も深刻であるという現実があります。

今回の計画素案の中では、この問題についての調査がなされているのです。

調査は高校生と、18~25歳の人に対しておこなわれています。回答者数は2850人。(男性1365人、女性1485人)

そのうち、特定の人との交際経験がある人は1298人。(男性535人、女性763人)

特定の人との交際経験がある人に対して、デートDVの経験があるかどうか―たとえば「バカにしたり、傷つく言葉をいう」「身体を殴る、蹴る」など10項目について経験があるかどうかを問うています。
この中には複数回答する人もいて、全体のうち何人が経験ありと答えたかという集計はしていないそうなのですが、上位にあるものを見てみると、

・「バカにしたり、傷つく言葉を言う」という被害にあった経験 男性97 女性192
・「携帯メール、着信履歴のチェックをする」ということをされた経験 男性68 女性140
・「友達づきあいを制限」された経験 男性64 女性135
・「ドアや壁を殴るなど、物にあたる」ことをされた経験 男性37 女性113
・「身体を殴る、蹴る」をされた経験 男性50 女性79

という結果です。

たとえば、交際経験のある女性763人のうち、バカにされたり傷つく言葉を言われた経験がある人が192人もいるというのは、おおよそ4人に1人の割合なわけで、かなりの数であるといえるでしょう。

実際、私も電車の中などで、若い男性が、手をつないでいる女性に対してひどい暴言を吐いているのを見かけることがあります。あまりにひどい物言いであったとしても、それがその2人の「会話」である場合、どうしたらいいものかと悩んでしまうところです。


それから調査結果を見て興味深いのは、物理的な攻撃よりも精神的な束縛の数が多いということです。
しかし、バカにするのも勝手に携帯電話を覗くのも、相手を一人の独立した人間として見ておらず、自分の所有物として扱っているからであり、エスカレートすれば身体的暴力や性暴力へとつながっていく可能性が十分にあると思います。


こうした現状の課題解決のために、「自分の身体と心は自分のものであり誰にも侵入されないのだ」ということを子どもの頃から学ぶ機会を作る必要があるし、すでに被害にあっている人への支援も行っていく必要があることを、改めて考えさせられる調査結果だと思います。

0件のコメント

コメントの投稿

新規

投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://sakurakohappysociety.blog56.fc2.com/tb.php/612-6a1e4df0
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

桜子のツイッター

プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

カレンダー

10 | 2020/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

過去ログ