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「フクシマで起きていること」を聞いて

4月28日、「フクシマで起きていること」という講演を聴きに、都心に出かけてきました。

福島の郡山で女性相談を受けている方が、郡山の実情や相談内容についてご報告くださるものでした。

郡山は原発からは少し距離があるものの、放射線量は比較的高い値が出るということで、スーパーのチラシには当たり前のように放射線測定器が載っていたり、高圧洗浄機が売っていたり、公園には各所に「モニタリングポスト」がおかれて数値の定点観測が行われている・・・そんな状況を、写真とともに説明してくださいました。

その後、相談の実態についてのお話です。

相談内容について割合を出してみると、一番多いのが夫婦関係、そして、家族関係などが中心。「震災関連」が相談の主たる内容というものが出てこないということでした。

困っていることは、「困っている」と認識できて初めて「相談」になります。たとえばDVだって、課題として認識されていなければ相談につながりません。
「震災」というのが相談内容として明確に出てこないのは、もう困っていないのではなくて、「困っていると言っても良い」と思えていないのではないかということでした。

実際、よくよく話を聞いてみると、目に見えない放射能のことでたくさんの不安を感じているし、家族の間で見解がずれることによっての悩みも抱えているようです。

たとえば、

お母さんは子どもと一緒に避難したいけど、お父さんは仕事があるので一緒には避難できない。でもお父さんは「子どもと離れたくない」という。

日々の子どもの環境は安全なんだろうか…幼稚園の先生に聞いても明確に答えてくれないので不信感を持つ。(でも、幼稚園の先生にも放射能の対策で何がベストなのか、明確な答えは分からないのが現実)

おじいちゃんおばあちゃんは、「うちで作った野菜は安全だから大丈夫」と言って、今までと変わりなくお土産に持たせてくれる。もちろん作った人の感情からすれば「こんなにおいしそうなんだし、心を込めて育てたんだから食べてほしい」と思うだろうけど、小さな子どもを持つ人からすれば食べさせることができない。おじいちゃんおばあちゃんの愛情を素直に受け取れなくなってしまった心苦しさ…。

県外に避難をすれば、「避難できる人は良いわね」と言われたり、避難先で、「福島の人ってお金もらえるの?」と心ない言葉をかけられることがある。普通の生活を取り戻したいのに、「がれきの処理についてどう思う?」など常に聞かれ続けたりして「普通であること」が認められない。

逆に、家族のこととか経済的なこととか、いろいろな事情があって県外に避難できないと、「避難をしないなんておかしい」という言われ方をする。


そんな実態について、個人情報に配慮した形で事例化してご紹介くださいました。

このような状態では、当事者であれば、こういう問題について話したくもない、と思ってしまうのではないかと感じました。
そして、放射能汚染は目に見えないから、このようにいろいろ気にしないといけないことや、家族との関係がうまくいかなくなることに対して、「自分が何か変わってしまったんではないか」と自分を責めてしまうことも多いとか・・・。


震災から少し時間がたつと、いずれがれきの処理も終わり、仮設から新しい家に移る人も少しずつ増えていき、被災地の課題が目に見えづらくなる日がくるだろうと思っていましたが、原発事故の影響を受けている地域には震災直後からすでにその問題が起きているということを改めて感じました。

地域のおいしい野菜や魚をとり、お客や子どもにふるまって暮らしていた人たちの生活を奪う悲惨な事故を起こす原発は絶対になくさなければならないと私は思いますが、まずは福島に住む人たちの気持ちに寄り添う必要があるということを思いました。

福島に行って、その地域を感じ、そこに住む人たちと話す機会を持ちたいと思います。

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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