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介護予防について(一般質問④)

【かとうぎ桜子の質問】

介護予防事業の実績と今後について伺います。

もともと介護保険では要介護認定の「非該当」として対象にならなかった高齢者を一般高齢者・特定高齢者と位置づけて始めた「介護予防事業」は、2006年の介護保険の改定から加えられたものですが、対象となる人の利用が進まないなどの課題が指摘されているところです。

私は、本来、介護保険は介護が必要になった方が使う保険制度であり、要介護認定で非該当となる高齢者の介護予防については保険とは別に、高齢者福祉の観点から、バリアフリーや居場所づくりなども含めておこなっていくべきものであり、予防を介護保険制度に組み込むことは制度の分かりづらさにもつながっていると考えています。
そこでうかがいます。第4期における介護予防の実績について区としてどうとらえ、第5期においてはどう取り組もうと考えているか、区のお考えをお聞かせください。

今回の介護保険法改正で、「介護予防・日常生活支援総合事業」が新設されました。これは要介護認定で要支援となっている方と、要介護認定は非該当である旧・特定高齢者、2次予防対象者が利用できるものにしていくということです。

要支援の方は、訪問介護などの介護予防給付を利用するか、介護予防・日常生活支援総合事業を利用するかを選択できるようにするということですが、この新しい事業は、本来介護保険では非該当と言われる方と要介護認定を受けている方とが混在して利用するものになり、介護保険の分かりづらさをさらに助長するものになるのではないかと危惧します。

また、介護の支援が必要だからと認定を受けている要支援の人を介護保険の給付から外していくことにつながるのではないかという懸念の声もあります。
制度的な課題もあり、現場の心配の声もありますので、この新たな事業を始めるのには慎重であるべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。


【福祉部長の答弁】

第4期における介護予防の実績については、区民との協働による介護予防キャンペーンの充実などにより、第3期の課題であった介護予防の必要性の普及啓発に一定の成果をあげたものと考えております。

第5期につきましては、これまでの成果を踏まえ、高齢者が気軽に継続して介護予防に取り組めるよう、事業の名称やプログラムの内容を見直しております。今年度の初回分の事業への申込は昨年度を大きく上回っており、今後も、介護予防の推進に向け、高齢者が関心を持ち参加意欲を喚起する事業を積極的に展開してまいります。

次に、介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、サービスに対する需要や事業者の動向、財源等の観点から、事業実施の必要性を検討してまいります。

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【コメント】

質問の本文に書いたことですが、今、介護保険のなかに介護予防事業というものがあってなかなかサービス利用が進みません。介護認定を受けてはいないけれど弱っている高齢者を「特定高齢者」という呼び名をつけた、その名前が悪いんじゃないか、なんていう話もありますが、私はそういう問題ではないと思います。

そもそも保険の中に「予防」というのが入ることじたい分かりづらい。
たとえば、自動車保険は自動車事故が起きたときに出るものですが、「事故が起きてからお金を出すのではお金がかかるから、事故を起こす前の予防にお金を出しましょう」と言い始めたとしたら、なんだかよく分からないではないですか?

先日、介護保険について考える研修に参加したのですが、その中で、「小泉構造改革で福祉にもお金が出せなくなったので、お金がなくてできなくなった事業を介護保険のほうから捻出させるために作られたのが介護予防事業
なんじゃないか」という意見が出ていて、そう理解した方がすっきりするんじゃないかという気が私もしてしまいました。


また、要介護認定を受けている人の中で比較的軽い度合いである「要支援」を介護から切っていこうという動きがずっとあります。「比較的軽い時からヘルパーなどを入れるから余計に介護が重くなるんだ」という意見もあるようです。

その流れとして「介護予防・日常生活支援総合事業」というものを始めて、「特定高齢者」と「要支援」をごちゃまぜにして、そのうち要支援を切っていくつもりなのではないかと心配されているところです。

でも、たとえば認知症の初期の段階で、身体的には元気であるという人は介護度が比較的軽く出がちですが、身体が元気な分、外にひとりで出かけて帰ってこられなくなってしまうなど、家族の負担は大きいのです。
だから、介護認定が比較的軽く出るからといって、必ずしも楽な状態なわけではないのです。


答弁の内容を見ると、「介護予防・日常生活支援総合事業」を始めることには慎重なようですが、現行の介護予防については制度上やらざるを得ないので、やるからには良いものにしようと努力している、というのが区の姿勢というところでしょうか。

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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