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国民健康保険条例改正への反対討論

更新が遅くなりましたが、区議会第一回定例会の最終日におこなった、国民健康保険条例の改正についての反対討論の内容を載せます。

動画はこちらのページの左端にある日程をスクロールしていただいて、3月15日の項の「討論・採決」という動画の6分20秒くらいのところから始まります。


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生活者ネット・市民の声・ふくしフォーラムを代表して、議案第53号練馬区国民健康保険条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論をします。

この議案は、国民健康保険料の算定方法を従来の住民税方式から旧ただし書き方式へと変更する中で生じる保険料負担の増大を抑えるためにとられていた軽減措置を終了させ、今後2年間の非課税世帯の減額措置のみにするという内容です。

hoken.jpg
(上記の図をクリックすると大きく表示されるのでご覧ください。住民税額の計算方式は所得から配偶者控除等、様々な控除を引いたうえで出されるのに対して、旧だたし書き所得はすべて基礎控除33万円を引くので、計算はわかりやすいですが、こどもや障害のある人がいるなど控除の対象になるものがある家庭ほど旧だたし書き所得のほうが「所得が多い」ように計算されてしまうことになります。)


国民健康保険の被保険者は、所得から基礎控除33万円をひいた旧ただし書き所得が200万円以下の人が全体の73.1%を占めています。年金で生活する高齢者や非正規・低賃金の労働者の医療を保障する制度になっている国民健康保険を持続可能な制度にしていくためにどう改革し、社会全体でどう支えていくかを考えなければなりませんが、今はその制度の課題を低所得の人たちにそのまま負担させるものになってしまっています。

そもそも2011年度に行われた旧ただし書き方式への変更は、所得の低い人、住民税において各種の控除の対象になる人ほど国民健康保険料の負担が重くなるという問題があり、たとえ軽減措置をとったとしてもなお負担が重くなるということは、以前から指摘をしてきました。
(詳細は2011年第一回定例会議事録の184ページ、当時同じ会派だった北川かつしげさんによる反対討論の内容を参照してください。)

今回また、軽減措置を終了させることによって、所得の低い人の保険料がさらに上がり、一方で所得の高い人の保険料が下がるという現象が起こります。

今回の改定によって起こる影響の試算によれば、たとえば年収200万円の給与所得者2人世帯は来年度には今年度と比べて3万4978円もの値上がりになります。住民税方式だった2010年度と比べれば値上げの額は6万5971円にもなるのです。年収200万円でこれだけ大きな負担増があれば、その世帯の生活に深刻な影響を与えることは簡単に想像できることです。

また、今回は減額措置の残った非課税世帯であっても、値上がりはあります。たとえば年収200万円の年金所得2人世帯が1万1567円の値上がりになります。そして2年後には減額措置もなくなりますから、さらに負担が重くなるのです。
一方、年収900万円の給与所得2人世帯では今回、1万5882円の値下がりになるなど、所得の高い世帯では保険料が下がるということが起こっています。

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(この図もクリックして、さらに拡大してご覧ください。グレーの線が2010年度までの住民税額方式。ピンクが2011年度、2012年度に取られた経過措置。この2線を比べるだけでも、所得の低い人ほど保険料が上がっていることがわかると思います。緑色が今回、非課税世帯への減額措置のみ入れたものです。改定のたびに所得の低い人ほど保険料負担が上がっていることがわかりやすいグラフだと思います。ちなみにこれは、区民生活委員会に出された資料です。)


このような現象は制度の矛盾と言わざるを得ません。

低所得世帯の大幅な負担増は、保険料を支払いたいという気持ちがあってもそれができない人を増やしていくことにもなりかねませんし、さらには保険料の支払いのみならず生活全般が立ち行かなくなることにもつながりかねません。それを防ぐためには少なくとも、高額療養費にあてられている一般財源を低所得者の負担軽減策に使うという現行の軽減措置を継続して行うべきですし、さらなる一般財源の投入によって対策を充実させるべきです。

特別区における話し合いの中で、今後の広域化に対応するためにこれ以上は経過措置をとらず本則に移行すべきという結論に至ったとのことですが、(注※国民健康保険料は23区は統一保険料にしているので、23区の中で話し合って決めることになっています。国民健康保険に関する国の動きとして、各自治体ごとに実施するのではなく都道府県という広域の単位に移行させようという厚生労働省の方針があるそうです。23区の議論の中では、「広域化するためには特別の軽減措置をとらずに旧ただし書き方式の本則に迅速に移行させたほうが分かりやすい」という結論に至ったようです。)区民に身近な自治体である区として、低所得世帯の生活の実情から目をそむけず、この制度的矛盾に立ち向かっていくべきです。
区として、区民の生活を守る目線に立った対応をすることを求めて、反対討論とします。

2件のコメント

[C426] タイムリー

我が家にとって実にタイムリー!!
  • 2013-04-02
  • 投稿者 : ベンチャーの貧者
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[C427] 承認待ちコメント

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  • 2013-11-11
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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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