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水俣病記念講演会

昨日5月6日、水俣フォーラ主催の「水俣病記念講演会」に参加してきました。その中で、杉本肇さんのお話が特に良かった。

1961年生まれの杉本さんは祖父母もご両親も水俣病で、5人兄弟の長男だったので小さな時から親代わりで弟たちの世話をしてきたというお話でした。
肇さんとしては、なんで親が世話をしてくれないんだろうという気持ちも持っていたし、一方小さい弟たちは、体調が悪くて思うように動くことができないお母さんのことが大好きだった。
お母さんは体が痛くなるとサロンシップを貼るので、弟たちにとってサロンシップはお母さんのにおい。入院して家にいないお母さんを恋しがって、一番下の弟がサロンシップを握り締めて眠っていたこと。

公害、災害等、大きな問題が起きたとき、そこにいるこどもに与える影響をしみじみと思いました。
大人であれば、今目の前で起こっている問題を社会全体の中で位置づけて客観的に見ることもできるかもしれないけど、こどもにとってみれば「どうしてうちのお母さんは動けないんだろう」ということで心がいっぱいになるだろうし、親が動けないことで起こる困り事と、それでもやっぱり親が好きという気持ちとの間で揺れ動くだろうなと。

そして、大きな社会問題を少し離れて見ている私たちが最初に目を奪われるのは人の死ですが、問題が起こったときに起きる悲惨な出来事は死だけではなく、その後にずっと続く日常生活のなかで起こることが人の人生に与える影響はとても大きいということをもっと考えなくてはいけないなと。

肇さんは今は親戚と弟と一緒に「やうちブラザーズ」というお笑いトリオを作って活躍されているそうです。
昨日はそのパフォーマンスも披露してくださいました。
自分の身に起こったことを今は人の前で話すことができ、そして笑顔で活躍される姿を拝見して、こども時代は大変だったけれどもきっとそこを補う親やほかの大人からの愛情やサポートなどがあって今に至るんだろうなとしみじみ思いながら帰ってきました。

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プロフィール

かとうぎ桜子

Author:かとうぎ桜子
1980年生まれ。

保育士、ヘルパー2級、社会福祉士の資格を使って福祉の仕事をしてきました。
制度だけでは一人ひとりが安心して生活するまちを作るには不十分だと考え、誰もが安心できるまちのしくみ作りをしていきたいと考えています。

2007年4月の統一地方選で練馬区議会議員に初当選。

2010年3月、「市民参加と公共性―保育園民営化を契機として」と題する修士論文を書き、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科を修了。

2011年4月 無所属で2期目に当選。

2011年末に子宮頸がんが見つかり、2012年春に円錐切除の手術をしました。その後は今のところ再発もなく元気に仕事しています。
この経験を活かし、がん検診の啓発など健康に関する課題にも取り組んでいこうとしています。

2015年4月、3期目に当選。

会派は市民ふくしフォーラム。

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